忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

仕事したくない心理を考える

 もの凄く批判を受けそうなことから書き始めるのですが、私は就きたい仕事に就いてやりたいようにやっているので仕事がしたくないとはそんなに思わないです。うーん、各方面からお叱りを受けそうです。

 そんな人間でも当然ながら「仕事したくないなー」というタイミングやテンションはあります。この「仕事がしたくない心理状態」を上手いこと分析できないかと思ったため、技術屋の目線で考えてみます。

仕事(物理)と仕事

 仕事とは物体に加わる力のベクトルと物体の変位ベクトルの内積によって定義される物理量です。もう少し簡単な表現をすると、物体に力が加わっていて、加えられた力の方向に物体が移動した場合の力と移動距離を掛け合わせた量です。唐突に物理の話を始めました、一応技術屋の目線という名目なので。

 例えば誰かが机を押して動かした場合、その押した力Fと机の移動距離Mを掛けたものが仕事量W=F×Mです。ここで重要なのは、この机が凄く重くてまったく動かせなかった場合、移動距離Mがゼロなので仕事量Wもゼロになるというところです。

 いくつかパターンを考えてみます。

 まず押す力Fと移動距離Mを自由に制御できる状態、つまり仕事Wを思うままにできる状態です。これは好きなように行動して望む結果を出せるということですから、間違いなく楽しいでしょう。

 押す力Fを自由にできない場合はどうでしょう。自身の希望や欲求ではなく上司や顧客に強制されて無理やりやらされている状態です。その場合は移動距離Mと仕事Wのどちらも制御不能な状態になります。結果を制御できないので面白くはありませんが、一応仕事Wは出ますので達成感はあります。

 押す物体が重いために移動距離Mがゼロになる場合はどうでしょうか。明らかに無理な交渉や業績の要求、不可能な納期などが該当するでしょう。これはどんな押す力Fを出したとしても移動距離Mはゼロのため仕事Wもゼロ、結果はまったく出ない状態です。押す力Fを出したエネルギー消費分だけ徒労となります。まず間違いなくつまらないのでやりたくないでしょう。

 以上より、楽しい状態となる2つの条件が見出せます。

  • 押す力Fを自分で決められるか。自分のやりたいようにやれるか。
  • 移動距離Mがゼロでないか。結果としての仕事Wが出るか。

 押す力Fを人に決められる状態は面白くありません。そして押す力Fを自分で制御できていたとしても、移動距離Mを制御できずに仕事Wという成果が出ない状況であればやりたいという気持ちは湧かないでしょう。仕事が制御下にあるということは入力と出力のどちらも管制できる状態でなければいけないということが分かります。

コントローラブルか否か

 仕事(物理)で例にしなくても、層別して考えると明確でした。

 私が「仕事たのしい!」と思うのは新規の設計計算をしていたり新製品の評価試験をしていたりと制御可能(コントローラブル)な状態にある時です。

 反対に「仕事いやだなー」と思うのは体調の悪い日であったり人のミスの尻拭いであったり意思決定権が無い会議に参加している時など、私が管制できない状況下(アンコントローラブル)にある時です。

 つまりコントローラブルか否かが重要です。車の渋滞が楽しくないのは思うままに進めないからです。スポーツやゲームが楽しくなるのは狙った通りのアクションが取れるようになってからです。自分のアイデアで何かを始めるのは楽しいですが、人のアイデアをやらされるのはそれほど楽しくありません。仕事も同様で、入出力が自らの制御下にある仕事は楽しいのでやりたくなり、制御下に無い仕事は楽しくないのでやりたくない。ただそれだけの話でした。

結論

 上手いこと物理の仕事と掛けようと思って書き始めたのですがあまり意味のある内容になりませんでした、後半だけでよかったですね、反省です。書けそうだという根拠の無い自信があったのですが・・・

 悔しいのでいずれリベンジする気持ちを込めて、申し訳ないですがこのまま駄文を投稿します。

余談

 仕事Wは押す力Fだけでなく移動距離Xが必須です。「頑張りました!」「努力しました!」とどれだけ押したかをアピールしても仕方がないということです・・・世知辛い話です。