忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

物事の始め方や続け方に関する理系っぽい考え方

 物事の始め方や続け方についてはビジネス書や自己啓発本などで様々な理論や理屈が説明されています。そんな中の一つとして理系・技術屋の私がどのような考え方、解釈をしているかを説明してみます。

 理系を代表するほど真っ当な考え方ではありませんが、でも理系には少し共感してもらえると嬉しいな、という記事です。

物質の移動と捉える

 理系としてはやはり理科科目に変換して解釈するのが分かりやすいです。物事の始め方や続け方については物質の移動やその運動方程式と考えるのが良いでしょう。そんな理系居ねえよ!って?・・・ここに居るのだ!

 数式は無しで概念的なところだけ説明します。

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抵抗①

 抵抗①は物事を始めたり続ける時に発生する心理的抵抗を表しています。物理的に言えば摩擦力です。摩擦力には動き出すときにかかる静止摩擦力と動き続ける時にかかる動摩擦力があり、その関係式は一般的に静止摩擦力>動摩擦力です。つまり動き出す時に発生する心理的抵抗は続ける時よりも常に大きくなります。逆に言えば一度物事を初めてしまえば続けることは始めることよりも簡単だと言えます。

 摩擦力に関係するのは押す物質の質量と摩擦係数です。質量は物事そのものの難しさや重さと例えられるでしょう。難しいことやヘビーなことを始めたり続けるのはしんどいものです。この抵抗①を少しでも低下させるには物事の重さを軽くしたり分割したりするのが効率的です。もしくは道を整備する、つまりツールや手法を活用して道を均し、摩擦係数を下げることも良い方法になります。

抵抗②

 抵抗②は心理的抵抗①とは異なり外部に起因する抵抗となります。物理的に例えれば空気抵抗が分かりやすいでしょう。周囲の反対や無理解、アンチのような他人からの妨害、時間的な物質的な制約といったものが含まれます。

 空気抵抗は押す物質の形状と速度によって決まります。特に重要なのは物質の重さではなく速度に比例するところで、早く動かせば動かすほど大きくなるのが抵抗②です。最前線を突き進むような人々にはアンチが増えることや、積極的に物事を進めていくには時間や環境に余裕がたくさん必要なことなど、抵抗の大きさが速度に比例するのは納得がいくかと思います。

 この抵抗を減らして物事を継続しやすくするには押す物質の形状を流線形にするなどが必要になります。自分で何を押すかを決められる場合は押しやすい形に変えればいいのですが、とはいえそうはいかない場合も多々あります。その場合は速度をあまり上げず抑え気味にすることで抵抗が減り継続しやすくなることでしょう。

推進力①

 推進力①は外部からの補助力を表しています。具体的には周囲の支援や良い環境からの助け、外部からの誘因や刺激といったインセンティブを意味します。先に述べたように物事は動き始めに最も強い抵抗が働きます。よってその最初の段階を乗り越えるのに推進力①のインセンティブは必須とも言えるでしょう。物事は初めてしまえば慣性力によって継続することが容易になります。そのための初速・加速度がインセンティブです。

 しかしながら推進力①は外部的なもののため、抵抗によって摩耗していく速度を維持するための力として期待するのは難しいです。継続にはもう一つの推進力が必須となります。

推進力②

 推進力②は自らの内から発生する力、つまりモチベーションによる駆動力を意味します。この力が不足していると抵抗に負けてしまい物事を続けることが出来なくなります。多少の慣性力はあるにせよ、推進力②は休むことなく発揮し続けなければ物事は止まってしまうということです。そのために必要なのは体力や精神力といったまさに己の力のみです。凄い物事を達成する人はこの推進力②の力、圧倒的なバイタリティによって抵抗などモノともせず突き進む場合が多いかもしれません。

 とはいえ休みなく動き続けるのは大変です。推進力を維持するには時々休む必要もあります。そのためには推進力①のインセンティブを活用すれば良いでしょう。休みたい時には他の人の助けを借りたり何か達成時の報酬を用意して心理的負担を減らしたりということが効果的です。

 

個人的なやり方

 私が物事を始めたり継続する時について、ここまでの考え方に従って説明してみます。今回は当ブログの継続を例にしてみましょう。

 推進力①のインセンティブはインプットを多くすることで手に入れています。このブログは雑記的に思い付きや考えたことを語るブログですので、本やサイト、人様のブログを読むことで気になったことや思い付きやきっかけを補充しています。さすがにインプットが無ければ毎日アウトプットを続けることはできません。とにかく100インプットして毎日10出すくらいの気持ちで推進力①を入手しています。

 抵抗①は押す物質の質量、つまりブログを書くことの難しさや大変さを軽量化することで補っています。毎日ブログを更新しないといけない、つまりは昨日よりもいい記事を書かなければいけないというような「べき論」「~しないといけない」という心理的制約を取っ払ってしまうことで摩擦力を下げています。さらに言えばこのブログなんてのはインターネット上の片隅に転がっている石ころのようなものですので、摩擦係数なんてものは皆無です。そう思っていればツルツルの地面の上で軽いものを押しているようなものなので、実は推進力②はほとんど不要だったりします。このような心理的負担・抵抗①の低減を「習慣化」とも言います。習慣化してしまえば「やらないといけない」ではなく「やったほうが楽しい」「やらないと気持ち悪い」となり、必要な推進力を節約することができるのです。

 抵抗②は今のところ説明が難しいです、なにせこのブログは大した速度が出ていないので、ほとんど抵抗を感じていません。スルスルのスカスカです。万が一このブログがもっと読まれるようになった時は抵抗が大きくなるかもしれませんが、まあそうなった時に考えましょう、今考えるのは取らぬ狸もいいところです。