最近はメンタルに関連する記事を多く書いているのですが、これは私がメンタル面のことばかり考えているせいです。なぜ考えているかというと、私の職場に居る若手達のメンタルがヤバいからです。全体的に赤色灯がクルクル回っており真っ赤に輝いています。うへぇ。
私が育成した若手達は皆一応は無事に育ち、後継者として任せられると思った矢先から他部署に刈り取られてことごとく誘拐されてしまったため、今の私は新人育成休憩中です。異動先で元気に仕事をしている子を見る度、うちに返してよとそこの上司に軽口を叩いているのですが返してもらえません。
そのため現時点では直下に若手を抱えていないのですが、気になっているのは他所が育成中の若手達です。他所の人が育成しているので直接口出ししにくいのですが、明らかにダウン率が高いといいますか、ここ数年の若手がなかなか壊滅的にメンタル不調でどうにも悲惨な状態になっているのです。そんな若手達がリタイヤしないように周囲の人はどうフォローすればいいかをせっせと勉強中です。だからそんな記事が増えています。他所の話なので他人事とはいえ、放っておくのもマズそうので助け舟を出したいのです。イヤな現実ですねぇ。
知らないとどうにもならない
元々若手向けの記事カテゴリーを作るくらいには新人教育のことを考えています。もちろんそれらの記事を読めば万事解決なんでもOKというわけではありません。社会や企業で適応できるかは所属する組織文化や企業風土、業務内容、なによりも人間関係に依存するものです。そういったことはそれぞれの所属で教育と対処をするしかないため私も書いていません。主に心構えや考え方といった基礎的なところのみを記事にまとめています。
若手が乗り越えなければいけない最初の壁はなによりも学校と社会の違いです。学生、つまりお金を払ってサービスを受けていたお客様の立場と、お金を受け取って仕事をする立場はまったく異質のものであり、まずはそれを理解しなければいけません。
よく「学生気分が抜けない」という表現がされますが、これは読んで字のごとくということです。しかしこれは正確に言えば”気分”といった心理的なことが原因ではなく、「学生」と「社会人」の違いを”知っているか”ということに帰結します。知らなければ社会人としての振る舞いが出来ないのは当然です。気分のような心理面でなんとかなる問題ではないのです。
これは若手の責任では無いため若手を責めても意味がありません。社会人として求められている振る舞いや考え方をそもそも教えたのか、指導者側が我が身を振り返らなければならない問題です。
教えたけど出来ていない、若手の覚えが悪い、なんて指導者側が甘ったれたことを言ってはいけませんよ?社会人として先輩である指導者側の人間であれば相手に伝わらなければ意味が無いなんて充分に理解していることのはずです。
とはいえ受け手側の若手も先輩方に教わったことをしっかりと受け取り、可能な範囲で実践する努力は必要です。学ぶ気が無い人には何も教えることなんて出来ないのですから。環境の変化で心身共に負担が大きいとは思いますが、集団に帰属するためには集団のルールに従わなければいけないのは社会であろうと企業であろうとサークル活動であろうと変わりはないはずです。
言わなければ誰も動かない
学生と社会人、つまりサービスを受ける側と与える側の最大の違いは周囲がどう動くかです。
学生はお客様ですので学校側があれやこれやと世話をしてくれます。サービスは充足しているか、不足は無いか、何か不満は無いか、となんでもかんでも聞いてくれますし勝手働きをしてくれます。
反面、社会人になると周囲は同僚か顧客となります。誰も貴方のためにあれこれやってくれないどころか、貴方が周囲や顧客のためにあれこれやらなければいけない立場になるのです。社会人はお客様ではないので能動的に発信をしなければ誰も貴方のためには動いてくれません。
極論、「仕事がしんどい」ということすら伝えなければ誰も助けてくれません。上司や先輩はサービスの提供者たる学校の先生ではないのです。もちろん若手が潰れることを望ましいとは思っていませんので上司や先輩も可能な範囲で気を使いはしますが、若手ではなく顧客へのサービス提供を優先するのが営利団体の論理であるため、何もしなくても手を差し伸べてもらえるという期待はすべきではありません。
よって若手は抱え込んでメンタルをやられないよう、しんどい時は正直に伝えましょう。思っていること、考えていることはしっかりと話しましょう。言わなければ誰も動いてくれませんが、言えば可能な範囲で便宜を図ってくれます。
子どもは泣いていれば親が面倒を見てくれます、学生は問題があれば周りの大人が気を使ってくれます。大人はそういった受動的な庇護下から離れ、自らが能動的に発信する立場にならなければいけません。素直に自ら誰かに助けを求められるようになることが大人になるということです。
余談
助けを求めても便宜が図られない組織は・・・安易にブラック認定したくはないですが、ブラックかもしれません。いや、だって若手が「ヘルプミー!」って声を上げたのに何もしないような組織はそりゃブラックと言われても仕方ないんじゃないかなと。