忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

春はテンションが下がるし上がる

 春、新年度、少し暖かくなりつつある4月上旬、そう、花粉と新入社員の季節です。これを書いている今日はとても暖かい一日で、まったりのんびり脳を休めるには良い日和です。まったりし過ぎてなんだか重いテーマを取り扱いたくないため、花粉と新入社員をテーマに軽めの雑談でもしたいと思います。

 

理解・納得・共感は同義ではない

 まあ、正直なところ花粉の話はそこまでしたくないです、私は新入社員が好きですが花粉は好きではないからです。

 もちろん生存戦略として草木が花粉を飛ばしているのは分かりますし、過去に木材需要の増加に伴う拡大造林のため杉を大量に植えたことを理解してもいます。そこには誰の悪意も陰謀も存在しておらず、ただ自然の成り行きによってそうなっただけなのです。

 しかし理解と納得は別物であり、共感はさらに遠くにあるものです。花粉が多い理由を理解したからといって花粉症である私が納得するかと言えばそんなわけはなく、そうかそうか草花も大変だな分かるよその気持ち、なんて欠片も思いやしません。勘弁してくれよと思うばかりです。

 延々と繰り返されるくしゃみ、ナイアガラのような鼻水、鼻と目はこすれて赤くなり、猛烈に消費量が増えるティシュー。せっかく良い天気だというのにぶっちゃけ外に出たくない。ちょっと出掛けるだけで猛襲してくるくしゃみの嵐。春は新しいことを始めるには良い季節だというのに、気力は萎える一方です。

 

新人だ!囲め!もてなせ!お茶を出せ!

 春は新入社員がやってくる季節です。花粉はやって来ないでください。

 弊社では何か月かの新入社員研修がありますので私たちの居る現場に配属されてくるまでにはタイムラグがありますが、現場研修でちょこちょこ新入社員に関わる機会があるのでとても楽しみです。現場研修では技術的な講義を例年行っています。今年も熱力学講義のコマは私が担当する予定です。

 そう、熱力学。理工系の子ですら多くは記憶の彼方に飛んでいる科目であり、文系の子からすればもはや外国語です。理工系ですら、カルノーサイクルってどんなんだったっけ?不可逆断熱膨張?聞いたことがあるような?等エンタルピー変化?エンタルピーとエントロピーはどっちがなんだっけ?となるのですから、文系からすればもはや呪文やお経と同類であることは致し方ありません。

 経験上、真面目に講習をしようものなら何人もが爆睡してくれます。新卒でまだ慣れない環境で気の張っている若者たちですら睡魔に勝てなくなる、それが熱力学です。凄いぞ熱力学。

 よってここ数年はとにかく退屈させないことを目標としています。数分置きにジョークを挟み、ひたすら脱線トークを繰り返し、笑いを取るのです。目指せ寝落ち0人、去年は達成したので今年も頑張ります。生徒を退屈させるのは講師の名折れです。

 目的は楽しませることではなく講義内容を覚えさせることでは?という人も居るかもしれませんが、はっきり言っておきます。数時間程度の講義で熱力学を理解できるわけないのです!そんな魔法みたいなことを求められても無理無理カタツムリです。「ああ、こんな言葉を聞いたことがあるような」「なんか教わったような気がする」という程度の種を植え付けることが出来れば十分であり、そのためには寝落ちさせないことの方が重要なのです。

 よって私は記憶に残る面白さを重視した講義を今年も敢行する予定です。こんな変人のポンコツでも社会人ってやっていけるんだぜ、ということを見せつけてやるのです。

 

 ほどほどの年数続いているようなオンラインゲームでは新規参入者が少なくなるため、ゲームコミュニティ内には新人を見かけると囲んでもてなす文化が生まれます。新人だ!囲め!もてなせ!という文化です。

 新入社員を迎える私はまさにその心境です。難しい顔をして難しい話をして退屈させるよりも、なんかよく分からない講義を受けたけど面白かったから満足という方向を目指しています。

 

欺瞞は良くないと思っている

 新入社員と言えば、入社して数年くらいは内定者面談や新入社員の歓迎会要員として人事部署から招集を受けていたのですが、聞かれたことに対して何でも赤裸々に語り過ぎるせいか数年で呼ばれなくなりました。

 新入社員に現実を突き付けるな、という人事部署の言いたいことも分からなくはないのです。ただ、あまり内情や現実を隠し過ぎるのもどうなのかなと思うわけで。

 ごまかしや謀りといった欺瞞はいずれバレるものです。人は現実を知ることよりもその現実を騙し隠されていたと気付く時のほうが衝撃を受けると思っています。陰謀論が根強い勢力を保っているのはまさにこの部分、社会に隠されていた秘密を見つけたと思った時の衝撃力が強いからです。

 よって欺瞞のベールで覆い隠さず早々に現実を教えておいたほうがアンマッチを避けられて互いの幸福に繋がると私は思うのです。とはいえ人事部署の意向も分からなくはないので、招集しないという現実的な落としどころは納得しています。私が人事部署に居たとしたら私だって私のような奴は呼ばないですし、ええ、間違いなく。次は何を口にするかとヒヤヒヤしたくありませんし。