「何もしてないのに壊れた!」
こう、なんと言いますか、不適切な発言の代表格、専門家が聞きたくない台詞ランキング上位の台詞ですよね。
私は機会があればむしろ嬉々として使う台詞でもあります。なんとなく楽しいので。
どう考えても言い訳
プロダクトは経年で劣化したり物理的な故障や破損ということも起こりますので、本当に何もしてないのに壊れることはあります。
ただ、この発言が飛び出す場合、まず間違いなく何かしてるじゃないですか。
本当に何もしていないのだったらただ「壊れた」と言えばいいのであり、わざわざ「何もしていない」なんて言い訳をすることもないわけで、この発言が飛び出す以上、どう考えても大抵の場合何かしらやらかしているわけです。自身の行動に何らかの過失があることを薄々感じている後ろめたさがあるからこそ出る台詞でしょう。
エンジニアの立場としては極めて聞きたくない台詞です。ある種の呪術めいた言葉に近いものがあり、耳に入ってきただけで背筋がゾッとするようなフレーズです。
ユーザーや顧客から言われる「何もしてないのに壊れた!」は、仕様外の使い方をしていたり、想定外の用途で使っていたり、ありえない操作をしていたりと、ほぼ100%こちらに瑕疵がないパターンでのトラブル案件ばかりです。それなのに相手方は何故か強気に自身の過失が無いことを主張してくるため、とても扱いに困るのです。
まあ、そんな実態を熟知しているからこそ、むしろ私は「何もしてないのに壊れた!」を自分から使いたいわけですね。技術屋の職場で技術屋が口にすれば一発でジョークだと分かってもらえますので。笑いというよりは渋い顔をされることが多いですが。
先日の話
私「昨日さ、スマホの画面が割れたんだけど、ほら、こんな感じに」
同僚「ああ、これはひどい」
私「スマホの画面を一度も割ったことが無いのが自慢だったのになー」
同僚「大した事ない自慢だな。で、何したのさ」
私「・・・何もしてないのに壊れた!」
同僚「んなわけあるか」
私「何もしてないんだよ、ホントに。能動的にはさ。ただ、ちょっと手が滑ってアスファルトの上に叩き落としちゃっただけで」
同僚「やってんじゃねえか」
実にショックだったので、ジョークで誤魔化したかったのです。
久しぶりのスマホ機種変更
リアルで「あわわわ・・・」って声が出たくらいにはショックでした。ツルっと滑ったのを慌ててキャッチしようとして腕を振ったせいで、卓球のサーブの如き勢いでスマホを弾き飛ばしてしまい、結構遠くまでiPhoneが射出されていきましたので・・・デカい割りに結構飛ぶものですね、iPhone 8plus。
まあ、5年近く使ってバッテリーもいい加減ヘタっていましたので、寿命だと思って買い替えましょう。ちょうどいいタイミングで新しいiPhoneも出たようですし。
そんなわけで近場のケータイショップ数店に電話するものの、新しいiPhone14は予約が無ければ無理だと言われました。まあ、それはそうですよね。
さらには容量256GB以上が欲しいのに、iPhone13ですらどこのショップでも128GBしか在庫が無いとのこと。
途方に暮れていたところ、ある店舗のおじさんが親切にも「画面が割れてお困りということですので、このあたりのショップだと恐らく数週間は手に入りませんが、家電量販店であれば在庫があるかもしれません」と教えてくれたため、信じて電気屋に行ったらiPhone14が予約無しでも売っていました。
素敵情報をありがとう、渋くて良い声をしていた、恐らく店長クラスのおじさん。お忙しいところ10コール以上粘って申し訳ない。藁にもすがる気持ちだったのです。おじさんのおかげで画面割れケータイをすぐ買い替えることができました。
余談
ちなみに、「何もしてないのに壊れた!」は言いたい言葉ランキングの上位ランカーですが、言われたい言葉ランキング1位はお医者さんの「どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!」です。
今のところ一度だけ言われたことがあるので、もう一回くらい死ぬ前に聞いてみたいものです。