忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

デジタルにトランスフォーメーション? デジタルでトランスフォーメーション?

 保守的な弊社にも徐々にDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が迫ってきていることを感じています。ただ、どうにも社内でDXの理解が適切にされていないと思うので、その辺りの思索を整理してみます。

 つまりはビジネス業界でバズワードとなっているDXに関する門外漢の雑感です。

 私はITの専門家ではないので、DXに関する詳しい話はTech系のニュースサイトや官庁のサイトをご覧ください。

「デジタル・トランスフォーメーション」DXとは何か? IT化とはどこが違うのか? | 経済産業省 中小企業庁

 

バズワードのDXとそうではないDX

 2016年頃からだと記憶していますが、IT系の業界を嚆矢にDX(デジタルトランスフォーメーション)が話題になっています。

 とはいえ、IT化・クラウド・XaaS・ビッグデータ・IoTといった前例を見るに、この手の用語はビジネスリーダーや経営者、コンサルタントといった方々が好き勝手に弄んでバズワード化するのが常であり、DXもバズワード化した言葉の一つだと感じます。

 もちろん専門家が適切に取り扱う範囲であれば正しく取り扱われるのでしょうが、世に広まっているのはどちらかと言えばバズワードとしてのDXでしょう。

バズワード(buzzword)

ある集団の人々が使う、意味はほとんどない、あるいは不正確だが、外部の人間には印象的に聞こえる言葉やフレーズ

引用辞書:Collins Dictionary

 つまるところ、バズワードではないDXとはどういうことなのか、IT化やデジタル化とは何が違うのか、という話です。残念ながらDXをIT化やデジタル化と同じものとして扱っている人も見受けられますが、DXはIT化やデジタル化とは明確に異なる概念のはずです。

 

 DX(Digital Transformation)の日本語訳は「デジタルによる変容」です。

 IT化やデジタル化は現在の業務やビジネスモデルをアナログからデジタルへ変換するのに対し、DXはデジタル技術によって業務のやり方を変化させたり新たなビジネスモデルを開拓することをします。

 

 つまり、

(✖)デジタルトランスフォーメーション

(○)デジタルトランスフォーメーション

こういうことです。

 

 ちょっとした言葉の違いですが、ニュアンスが大いに異なります。

 理解を整理して言語化するため、例えば新規顧客開拓を主業務とする営業部門を考えてみましょう。営業部員が足を使って顧客を探し、獲得した顧客情報は個々で管理していたとします。

 その顧客情報をCRM(顧客関係管理)ソフトによってデジタル化して部内で共有するのは、DXではなくデジタル化です。

 そうではなく、例えば営業部員が足を使わなくてもネット上で新規顧客が開拓できる営業方法を導入するような、デジタル技術によって業務そのものやビジネスモデルそのものの変革が行われることがDXです。

 

雑感

 「最近はDXが流行っているようだ」みたいな話が社内の上の方で流れてきたので、いよいよ遅ればせながら弊社もDXかと身構えたというのに、その後に続く流れが「弊社も既存の業務をデジタル化するぞ」だったので少しため息が出ました。平成初期のIT革命かな?

 DXはそうじゃないのですよ、既存の業務をそのままパッケージしてデジタルに置き換えるのではなく、デジタルによって既存の業務のやり方そのものを変えることなのですよ。だからこそチェンジ(変更)ではなくトランスフォーメーション(変容)なのですよ。

 

 まあデジタル化できていないところをデジタル化するのは悪いことではありませんし、文句を言ったとて組織がトランスフォーメーションするわけでもありません。言うだけ時間の無駄ですので、小さくとも弊社に合いそうな改善案を考えて情シスあたりに相談することにします。

 採用されるかは別として、現場から意見を上申する姿勢は見せておきましょう。