「お、帰国したか、待ってたぞ。さっそくなんだがこの件で・・・」
私「なんで待ってるんですか、他の人に頼めばよかったじゃないですか」
出張から帰ってくるのを待ち侘びたとばかりに各所から仕事が飛び込み、今週はハングアップしています。いや、今週もハングアップしています。フリーズです。ブルースクリーンです。私が出張していた一週間の間に仕事が熟成されており、どれもこれも短納期になっている始末です。
卵じゃないんだから仕事は温めるなと口を酸っぱく言っているだろうに。
属人的にならないようちゃんと仕事を分散しているというのに、なぜ他の人に頼まず置いておくのか・・・世の中は不思議ですね。
そんなわけで肩肘が張っているせいか堅苦しい記事が続いたり言葉遣いが荒くなったりしているため、雑な話をしてリラックスすることにしましょう。
訳の分からない概念系ジョークが好き
心身共に疲れていたせいか、ここ数日twitterでバズっていた【薩摩ホグワーツ】なる謎のトレンドに腹を抱えて笑っていました。
「エ゛クズベリア゛ア゛ア゛ーーーーッ!!!!」
— 松永マグロ (@Maguro_Maznaga) 2023年2月14日
薩摩ホグワーツ生の扱うエクスペリアームスはまず武器を持つ腕ごとチェストして切り落とす。
武器を持てなくなれば永久に武装解除できるという理念からである。
魔法省からは禁止されている。
こういうジョーク、凄く好き。
とはいえよくよく考えると、このジョークで笑える人は相当絞られると思います。
勢いだけでも面白いのですが、意外なほどにハイコンテクストで、なんというか、そこそこな「オタク」でないと恐らく笑えません。
なにせざっと考えても次のようなコンテクストが存在します。
◆ハリーポッターに出てくる呪文を知っている程度には原作小説や映画を見ている
◆ハリーポッターの世界には「許されざる魔法」が存在することを知っている
◆最近発売されたハリーポッターのゲーム「ホグワーツ・レガシー」について理解やプレイ経験がある
◆平田弘史の『薩摩義士伝』や山口貴由の『衛府の七忍』、野田サトルの『ゴールデンカムイ』や平野耕太の『ドリフターズ』など、マンガで描かれる薩摩武士像があり、それらがネットミームとして存在していることを把握している
◆これが一種の「あるある」ネタであり、コミックめいた動作と猿叫、すなわち残酷な描写そのものではなくコンテクストの共有が笑いどころであることを理解できる
深読みすればもっと様々なコンテクストが存在するでしょうが、何はともあれこういった様々なコンテクストを理解していれば笑える名ツイートです・・・たぶん。
少なくとも「まずチェストする」なんて無茶苦茶な言葉の意味は「誤チェスト」「チェスト関ケ原」「チェストとは知恵捨て」といった数々の迷言を生み出したマンガ『衛府の七忍』を読んでいなければ掴み切れないと思います。
・・・説明がてら書いていますけど、よくよく考えると意味の分からない言葉ですよホント。面白いマンガですけど、人には薦めないタイプのマンガです。
娯楽とコンテクスト
コンテクストとは「背景」や「文脈」を意味する言葉です。
少し極論ではありますが、私は「知識が多いほど世の中には面白いことが増える」と考えています。知識が多ければ好奇心がより誘発されますし、なによりもコンテクストとはすなわち知識だからです。
先のツイート一つ取ってもそうですが、人はまったく理解できないものを楽しむことはできません。アメリカのコメディを見ても日本人に笑えない時があるのはその背景にあるアメリカ人の常識や様式を知らないからであり、その反対にアメリカ人が日本のお笑いが分からないのも同様です。
これはつまり、物事を知っていれば知っているほど、知識があればあるほど、様々なコンテクストを理解していればいるほど、様々な娯楽を楽しむことができるということです。文脈を読み取れるかどうかは娯楽の享受度合いに直結します。
知識、それは学び得る行為そのものの娯楽性もあるうえ、あればあるだけ様々な娯楽を楽しめるものでもある、とてもお得なものなのです。
結言
【薩摩ホグワーツ】の字面だけで面白いと感じる、私も立派なオタクです。