忘れん坊の外部記憶域

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日本の強みと弱みを把握する:社会進歩指数(Social Progress Index 2022)

 社会進歩指数(Social Progress Index: SPI)はアメリカに拠点を置く非営利団体Social Progress Imperativeが毎年公表している指標です。

 社会進歩指数は一般的な国際統計やランキングよりも総合的で包括的な側面をもって社会的パフォーマンスを捉えることで社会の進歩を直接的に測定することを目的としている指標です。

 

 当ブログが何かしらの指標を取り上げる際は、その指標の測定方法やスコアに対する解説や考察を合わせて述べることを基本としています。

 しかし、今回は少し気楽に、日本の社会進歩指数の結果をただ眺めていきます

 なにせ社会進歩指数は総合的で包括的な評価をするために54もの項目で評価をしており、個別に解説していては冗長になってしまいますので。

 

不十分な翻訳

 事前のお詫びとして、いつもであれば海外の指標を取り上げる時は自前で日本語に翻訳して紹介していますが、今回はChromeのGoogle翻訳機能を使って日本語に翻訳して引用します。

 その理由として、社会進歩指数は一人当たりGDPが同等の15か国と比較することでその国の相対的な強みと弱みを強調するカラーコードを表示しているためです。個別項目の絶対的な良し悪しではなく、相対的な強み弱みです。青色は高パフォーマンス、赤色は低パフォーマンス、黄色は他国と同等を意味します。

 見やすいように項目とカラーコードを一緒に画像で紹介したいと思うのですが、残念ながら社会進歩指数は日本語のレポートが発行されていないため、カラーコードを載せるために英語をブラウザ上で翻訳した結果と合わせて引用します。

SPIスコア

 まずは日本の総合ランクを見てみましょう。

 総合ランクは169か国中9位となかなか上位に位置しています。

 カラーコードは白丸のある青で、経済レベルが近い国の中では抜群ではないものの気持ち優れている評価です。

 

 評価の大項目は3つ、人間の基本的なニーズ(Basic Human Needs)、幸福の基礎(Foundations of Wellbeing)、機会(Opportunity)に分かれています。

 個別に眺めていきましょう。

 人間の基本的なニーズはランク3位と高順位です。

 個別項目では「住宅価格への不満」「輸送関連の障害(※交通事故)」「対人暴力」が相対的に高パフォーマンスと評価されています。

 その反面、「子供の発育阻害」「改善された衛生設備へのアクセス」は相対的に低パフォーマンスとの評価です。

 

 幸福の基礎もランク6位と高順位です。

 個別項目では「質の高い教育への平等なアクセス」「60歳時の平均余命」「鉛暴露」が高パフォーマンスであり、「小学校入学」「種の保護」が低パフォーマンスと評価されています。

 一応の補足として、「小学校入学」は純就学率に関する統計で、これは粗就学率との差異など見るべき点が他にある指標であり、純就学率単独での評価はそこまで大きな意味はないかと思います。

 また「種の保護」は自然保護区がどれだけの生物種を保護できているかの指標で、日本はそもそも保護区の面積が狭いことが低スコアの根本原因です。

 

 機会のランクは17位と、決して悪くはないものの他2つに比べれば低い順位です。

 個別項目では「教育、雇用、訓練を受けていない若者」「汚職の認識」「同等の保護指数(※平等な権利が保障されているかの指数)」「質を重視した大学」が高パフォーマンスであり、「避妊の需要を満たす」「性的指向によって分配される権力」「ゲイやレズビアンの受け入れ」「学問の自由」「引用可能な文書」が低パフォーマンスと評価されています。

 

結言

 今回は個別スコアに関する考察を行っていない薄味の記事ですが、社会進歩指数は評価項目が多くざっと眺めるだけでも国家の強み弱みを見れる指標であることを紹介したかったため、このような形態としてみました。

 具体的に個別の指標がどのように評価されているのか、なぜこれらの項目が強み・弱みと判定されているのか、そういったことに興味を持っていただけると幸いです。

 

 

余談

 Google翻訳の直訳は意味が分かり難くてやっぱり駄目ですね。