挨拶はビジネスマナーとして社会人一年生に教育されることの一つです。
たぶん恐らくきっと大抵の新人研修で教育されていることでしょう。
今回はそんな挨拶について、挨拶は絶対にしたほうがいいという話をしましょう。
もはや各所で語り尽くされてきた話題ではありますが、少し理系的な考え方をそえてみます。
挨拶の損得勘定
「挨拶なんて無駄なコミュニケーションコストだ」
「ただの慣習に過ぎず、挨拶と仕事の出来不出来は無関係」
などなど、挨拶を否定する言説はいくつもあります。
嫌味なことを考えれば
「挨拶に支払うコスト程度で出来栄えに影響するレベルの仕事しかやっていないのか」
なんて皮肉めいたことを言えるかもしれませんが、何はともあれ無駄は省いたほうがいいと考えること自体は悪いことではありません。コスト意識は大切です。
ただ、挨拶のコストを考えればどう考えてもやったほうがお得です。挨拶はビジネスマナーの中でも圧倒的にコスパの良い行動に他なりません。コスパという概念自体は人それぞれ思うところがあるとは思いますが、挨拶を否定する言説の多くはコストの観点であり、だからこそあえて挨拶をコストの側面から考えてみましょう。
挨拶の効用はいくつか考えられます。
例えば挨拶をしたほうが気分が良いといった情緒的な側面もあれば、挨拶は相手への敬意の表し方の一種であり礼儀だとも言えますし、チームビルディングに役立つとも考えられます。
そういった様々な効用を当人がどれだけ感じるかは別として、そういった様々な効用を感じている人がこの世には居ることが重要なポイントです。
当人が挨拶の効用を感じていなくとも挨拶をされた他者がそういった効用を感じる可能性は充分にあり、そういった効用を感じる人は挨拶をする人をプラスに評価します。
自分がどう感じるかではなく、他者がどう受け取るかが重要です。
何故ならば人の評価は本人ではなく他者がするものだからです。
どれだけ当人が挨拶の効用を感じず挨拶のコストを無駄だと思っていようと、そう思わないかもしれない他者が貴方を評価する以上、その点に配慮することは意味があります。
もっと露骨に言えば、挨拶をしないことによるロスを理解する必要があります。
挨拶をすることで減点されるリスクはまず考えにくく、むしろ相手によっては加点対象です。逆に挨拶をしないことはただそれだけで意図せずに他者から減点されるリスクを抱えるわけです。
やれば減点はされず、加点はあり得る。
対してやらなければ加点はされず、減点はあり得る。
つまり確率的に挨拶は「やり得」です。
そう考えると挨拶をしないなんて勿体ない話でしょう。こんなにコスパが良い行動は他にありません。
結言
個人的には挨拶を気分的なものだと思っているので、他者が挨拶をしなくても気にしませんし私は自分の気分のために挨拶をしています。朝はなるべく大きな声で挨拶していますし、職場ですれ違う人にはとりあえず手あたり次第挨拶をしています。そのほうが単純に私の気分が良いためです。
そのため挨拶をしない人をどうこうしたいわけではありませんが、ただ、挨拶は無駄なコストだと思っているのであればそれは誤解だと思っています。
余談
挨拶の話をもう少し抽象化すると意外とヘビィな話にもなります。
この話はつまるところ、自分が価値を置かない物事にも他者は価値を置くかもしれない、そういった話です。
それを忘れた人間は自分が良いと思うものだけを他者に押し付けるような独善的で他者を尊重できない無法者へと成り果てかねません。
挨拶ができない人間はそういった人間である、と思われるリスクがある以上、やはり挨拶はしておいて損はないのではないでしょうか。