「時間が有り余って仕方がないぜ!売るほどあるぜ!」
・・・なんて人は、まあそうそういないとは思います。探せばどこかにはいるでしょうが、大抵の人はむしろ時間の不足を感じていることでしょう。
残念ながら人生にはタイムリミットがある以上、時間はいくらあっても足りない希少資源です。だからこそ「時間を効率的に使う方法」や「時間を捻出する方法」はいつだって言及される人気のコンテンツとなっています。
時間の作り方について様々な手法が各所で語られる中、私はとてもシンプルに考えています。
その方法は主に2つ、「能力の向上」と「取捨選択」です。
無い袖は振れないのだから
これはとても単純な理屈です。
人は手持ちの時間に対して仕事や家事や育児や趣味やその他諸々のタスクを割り当てていきます。タスクの量は可変的です。
対して人は皆平等に1日24時間を与えられており、時間は不変となります。
よって時間を変動させることはできない以上、時間を捻出するためには変動可能なタスク側をどうにかする他ありません。
「能力の向上」はタスクの圧縮や細分化をする技能を指します。
同じタスクでも熟練によって短時間でこなせるようになれば、その圧縮した分の時間を捻出することが可能です。
またサイズの決まった箱にモノを詰めていく際には詰め込むモノを細かくほうが詰め込みやすいように、タスクは細かく分割したほうが都合が良くなります。
なにより大きなタスクは相応に重いものであり、重いタスクは動かすのが億劫なものです。重量物を運んだ後は一息の休憩が必要になることと同じで、重いタスクは見た目以上に多くの時間を消耗します。よって軽く処理できるようにタスクを細かくすることは時間を捻出するための大きな助けとなります。
これらタスクそのものを処理する能力全般を鍛えることができれば時間を捻出することができます。
「取捨選択」も分かりやすい話です。
タスクを詰め込み過ぎて時間が不足するようであれば、割り当てているタスクを減らすことでその分シンプルに時間を捻出できます。
普段やっていることをやらなくなれば時間が手に入る、それは至極当然の理でしょう。
ここで取捨選択によって手放すべきは、実のところタスクそのものというよりはタスクに対する義務感・趣味嗜好・惰性、そういったものです。
物事は常に完璧でなくてもよいですし、時には手を抜いてもよいものです。食事や睡眠や育児など絶対に不可欠なタスクを除けば残るタスクはほぼすべてが何らかの心理的な理由で割り当てられているものだったりします。
ずっと続けてきて習慣となったタスクを手放すことは心理的に難しいものです。物事を無理なく継続するためには習慣化が極めて役立つものであり、ほとんどの人は無意識的に習慣化を有効活用しています。しかし習慣は逆の作用として物事の止め時を失う働きも持っています。
要するに、これは単純な物理学です。アクセルを踏んで加速するのは大変ですが、急減速にも意外なほどエネルギーが必要だという話です。物事は止めるよりも続けるほうが楽であり、意識的に止めなければ人は慣性力に従い物事を続けてしまいます。
簡単なように見えて意外と難しい「取捨選択」。
しかし上手く使いこなせれば確実に時間を捻出することが可能です。
結言
箱を大きくすることはできないので、箱の隙間を大きくしたいのであれば入れるものを小さくするかそもそも入れない、あるいは入れたものを取り出す、それ以外はありません。
実に簡単な理屈なのですが、それが意外なほど難しいのは、なんとも困ったものです。
余談
最近時間が足りない気がしたので、いくつか習慣を止めてみました。
物事を止める時はまだ「止めることの損」しか感じられないため抵抗感を覚えるものですが、実際は「止めたことによる浮いた時間での得」を得られるため、結果として損得はトントンに収まるような気がします。