忘れん坊の外部記憶域

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自己肯定感の意味と高め方に関する余計な考察

 

 最近、ゆきにー (id:yuki_2021)さんのところで「自己肯定感」や「承認欲求」に関して言及された記事を読んでいて、ふと自己肯定感に関する私の認識をブログでほとんど書いたことがないなと思い至ったので、ちょっと私なりに考えている自己肯定感について語ってみます。

 

(検索してみたところ、数年前に1回だけ記事を書いていました)

 

自己肯定感とは

 自己肯定感とは何ぞやと言えば、そもそも精密な定義がされている言葉ではありません。自尊心、自己尊重感、自己効用感などなど似たような言葉も多数あります。

 今回は包括的な言葉として自己肯定感をSelf-Esteemの訳語として捉えましょう。

 Esteemは「尊重」や「高い評価」を意味する言葉で、マズローの欲求段階説で言えば承認(尊重)の欲求とされる領域です。低いレベルのEsteemは他者からの承認や尊敬、名声や注目によって満たされるとされており、高いレベルのEsteemは自己からの承認や尊重、自己への信頼や技術・能力の獲得によって満たされるとされています。

 自己肯定感(Self-Esteem)はこのうち高いレベルのEsteemに該当します。

 上下で区分する意味はさほどありませんが、他者によって満たされる承認欲求よりも自己で満たす必要のある自己肯定感のほうが上位の尊重であり、逆に言えば自己肯定感とは他者を介在せずに満たさなければならない欲求だとも言えます。

 

 この定義から分かることは主に2つです。

 まず、自己肯定感を育むためには他者から承認されている必要があります

 マズローの欲求段階説に依って考えると、低い階層の欲求が満たされなければより高次の欲求は満たせません。よってまずは低いレベルのEsteemである承認欲求が満たされる必要があります。承認欲求が満たされていない状態で自己肯定感を固めようとすることは土台を固めずにピラミッドを積み上げるようなこと同義です。

 そして同時に、承認欲求では自己肯定感を育めません

 これを換言すると、相対的な価値の獲得は自己肯定感の醸成には無意味です。

 他者からの承認や尊重、名声や注目は言うに及ばず、他者に勝る成功や金銭の獲得などは全て他者との相対的な比較によってしか価値が定まらないものであり、それらで満たすことができるのは低いレベルのEsteemである承認欲求のみとなります。

 自己肯定感とは他者との比較を要しないものでしか満たせず、極めて極論ですが無人島に一人で居ても育めるようなものこそが自己肯定感を育みます。

 今日は昨日よりも上手く火おこしができた。

 新しく建てた小屋は前回の小屋よりも頑丈だ。

 いつの間にか魚を獲るのが上手くなったものだ。

 そういった主観的かつ本人のみで完結する成果こそが自己肯定感を育みます。

 

 承認欲求を満たしてからでなければ育めないのに、承認欲求では育めない。

 自己肯定感とはとかく育成が難しいものなのかもしれません。

 

大切なのは結果だが

 大人をやっているとどうしても結果で評価することに慣れてくるものです。

 大人は否応なしに結果で評価されます。凄く頑張っているけども営業成績が振るわない人と、凄く適当に仕事をしていても営業成績トップの人がいれば、後者を評価しなければ会社組織は維持できない以上、努力や経過ではなく結果で評価されるのは必然です。

 

 ただ、結果の評価は頻度が少ないことが弱点です。

 会社のような組織であれば年俸やボーナスなどのタイミングで評価をすればいいので問題ありませんが、個人レベルでは、そんな長い期間では”褒め”が圧倒的に足りません。なにせ自己肯定感の摩耗は待ってくれやしないのですから、摩耗した分はさっさと回復する必要があります。

 よって大人が自己肯定感を育みたいのであれば、主観的かつ本人のみで完結する成果を自分でこまめに褒めることが効果的だと考えます。

 

結言

 個人的な話ではありますが、私はそもそも自己肯定感が下がって困ったことがないような気がします。さすがに思春期くらいの頃はまだ安定していなかったと思いますが、成人して以降は自己肯定感の低さに苦しんだ記憶がありません。

 他者との比較にあまり意味を見出さない性格なこともありますが、雑に言えば私は最大HPが高いのだと思っています。

 生きている以上は大なり小なり受けるダメージも、早ければその日中に回復しますし、そもそもダメージを受けてもかすり傷くらいな捉え方です。

 最大HPは性格や環境によって育まれるもので、他者から尊重される経験に乏しい人や、最大HPが下がるような事態へ直面したことがある人が急に最大HPを高めるのは難しいかと思います。

 もちろん最大HPは高いに越したことはありませんのでそれは環境を整えて地道に育むとして、それまでは現在HPを保つ努力も有効です。

 それは例えば、こんな感じのイメージです。

  • 回復力を高める:日常での小さな成功体験
  • 防御力を高めてダメージを減らす:哲学的知見の習得
  • 回復アイテムを準備する:ストレス解消方法の確立

 装備やアイテムを整えて、上手くスキルを使い、レベルを上げていく。

 RPG的な考え方が意外とマッチしそうです。