木曜日、夕方。
寝汗で何度も目が覚めるものの、とりあえず夕方くらいまでは眠ることができた。まだ本調子ではないが、頭痛などは収まりつつある。喉の痛みと咳が残っているが徐々に回復してくれることを期待する。なにせ明日は帰国予定日だ。今日中に復活できなければ必然的に私は一人タイに残って静養しなければならない。
さすがに何度も海外へ出た経験がある以上一人で残っても特段困ることはないが、なんとなく少し寂しいので避けたい。
とにかく目を覚ましたからには食事をしよう。近場のコンビニへ行って、とりあえず喉を通りそうな食べ物、食べ慣れていて拒絶反応が出なさそうなお菓子、絶対に甘いであろう飲み物を買い込む。
病は気からとは言うものの、健康な体を取り戻すためにはエネルギーをある程度摂取しなければならない。その点、この国の飲み物はなんだかんだほとんど甘いのでエネルギー摂取にはもってこいだ。
海外に行ってコンビニで食事を買うのは侘しいものではあるが、文句を言っても仕方がない。
まずは景気付けにヤクルトを2本飲んでみた。たぶん、日本のヤクルトよりも甘い。いや、最近ヤクルトを飲んでいなかったから比較しにくいところではあるが。帰国したら久しぶりにヤクルトを買ってみよう。
タイでもヤクルトは大人気と聞いていたが、きっと事実だろう。コンビニの乳製品の棚ではヤクルトがそこそこの範囲を占めていた。
次にチョコレートフレーバーのミルクを飲んでみる。甘い。とにかく甘い。普段だったら積極的に飲むタイプのフレーバーではないが、今はこの高カロリーであろう味が少しばかり頼もしい。
次にハンバーガーを食らう。ちょっと重い。選択眼が悪かった。もう少し軽いものを買うべきだった。とはいえ味は悪くないためなんとか飲み込める。チョコレートフレーバーのミルクとは相性があまり宜しくないため、ホテルから提供される無料の水で流し込むことでなんとか消費した。
ひとまず飲食はこの程度でいいだろう、残りは次に目を覚ました時に食べられるようであれば食べよう。
金曜日、明け方。
やはり途中に何度か目が覚めたものの、なんとか朝まで眠ることができた。
体調は、なんとも判断しがたい。
今日はどうするかは上司と相談して決めることとする。
今回の出張では上司の同行があって実に助かった。独断専行とならず上の承認をその場で得て行動を決められるのは非常にありがたい。
体温さえ下がっていれば仕事に合流して深夜便で帰国して土曜日の朝に帰宅。
体温が下がっていなければタイに隔離居残り。
さて、どちらになるかはこの後のお楽しみだ。