本社に来て半年、仕事において一番喜ばしい変化は手書き文書が減ったことです。
そう、手書き文書が減ったことです。
喜ばしいので二度言ってみました。
今回はそんな感じの雑談です。
現場は、まあしょうがないけどさ
字と心が汚いことに関しては定評がある私ですが、心は外身へ詳らかになっているわけではないので隠し通せるとしても、字は否応なしにお天道様の下へ晒されてしまう類のものですのでどうにも隠しようがありません。
あえてオブラートに包んで言えば、私の書く字は凄く個性的です。未知の外国語か、もしくは暗号化された錬金術師の日記か、はたまたヴォイニッチ手稿かと見紛うほどです。『ミミズののたくるよう』という言葉がまさにぴったりであり、可読性が著しく劣るとても読み辛い字を書くことを得意としています。
・・・なんて、前向きな表現で言ってみましたが、ただ字が汚いだけです。
あまりにも個性的なため書いた字を人に見られることがこの上なく恥ずかしいのですが、残念ながら製造業の事業所、工場勤務では手書きで文書を作成する機会が多々ありました。
技術部のように間接部門だけで用いる書類はある程度電子化されていたのですが、直接部門たる製造部が絡むともうほとんど手書きです。
それは実務上やむを得ないものではあります。
なにせ業務においてパソコンを用いない製造部要員は多数いるため、弊社の製造部ではそもそもパソコンが人数分揃ってすらいません。そんな状況で書類を送る相手がパソコンを持っているかどうか、そしてパソコンを使えるかどうかをいちいち確認するのは非効率ですし、それならば最初から手書きで回して記入してもらったほうが早い、そんな現実的な理由に基づき手書きが行われていました。
『リテラシー不足』『資金不足』は現場の電子化を阻害する代表例ですが、まさにうちもそのような理由で電子化が遅れています。
一応情シスが頑張って毎年予算を取って徐々に電子化を進めてくれてはいますが、それがどの程度進むかは金の切れ目次第でしょう。
テレワーク様様
翻って本社ではほとんどの帳票・手続きが電子化されています。
これは元々進められていた部分も多々ありますが、やはり最大の要因はコロナ禍によるテレワークへの移行でしょう。感染拡大を防ぐために在宅勤務が必須となったご時世が強制力となって大きく業務スタイルが変化した結果、今ではほとんど電子化が完了しています。
おかげで手書きの機会が著しく低下しており、私のような字が下手族からするととてもありがたいことです。
現実は厳しい
とはいえ、まだ完全な電子化は終わっていません。
ほぼ唯一残っている手書き書類、それは事業所とやり取りする帳票です。
そう、製造現場の電子化が進んでいないため、現場とやり取りする時はまだ手書きの機会が残ってしまっています。どうにも、現場の手書き文化からはなかなか足抜けできません。
結言
もうバーンと予算投入して全部電子化して欲しい気持ちはやまやまなれど、メーカーとしては生産部門のほうが規模が大きくそこへ必要な投資額は本社機能の電子化に比べて莫大になることから、あまり気軽に提言できないのも悲しみです。