中国に行って思ったこと。
見知った新しさ
昨年の12月に仕事で中国へ行きました。
上海や北京には行っていませんが大きな都市へ行き、その発展度合いに驚いたものです。アメリカへ行った時と同様にスケール感の違いを感じました。
発達した都市や社会システムが構築されているのを見ると、いずれ中国が世界を支配すると思うのも宜なるかなです。実際、日本よりも進んでいる部分は各所に見られました。
ただ、個人的な感想ではありますが、私はそこまで中国の発展に危機感を持ちませんでした。
中国の都市や社会システムはたしかに新規性が高いです。
インフラ系統は更新周期が長く新しい都市であればあるほど高度なインフラを備えることができる以上、中国の都市が発展している大部分は都市の若さによるものではありますが、少なくとも新しいものを次々と導入して都市を構築していることは間違いなく、その革新性は目を見張るばかりです。なによりそれらを西側先進国から輸入せずとも自国で一通り賄えている点は純粋に凄いと思います。
しかしながら、中国では新奇性があまり感じ取れませんでした。
たしかに中国でも日本やアメリカで得られるサービスと同等、あるいは近いものが手に入ります。それは凄いことです。
しかし中国ならではの最新性、物珍しさがそこにはありません。
ちょうどいい事例としては最近話題になった生成AIのDeepseekが分かりやすいでしょう。
Deepseekの評価はまだ専門家が分析している段階ですので言及しにくいところですが、とりあえず技術的な新規性はいくつもあるのだと思います。
しかし新奇性、すなわち物珍しさがあるかと言えばそれはなく、それこそchatGPTが市場に出てきた時の目新しさには敵いません。
その他の産業も同様に、中国製品が市場を席巻している分野はたくさんありますがそれらはどれも他国や他社の焼き直しであり、消費者に物珍しさを提供するものとはなっていません。
新規性は高く最新のものを作れるものの、新奇性はまだ低く最先端へ辿り着いてはいない、そんな印象です。
結言
中国にはイノベーティブな能力が無いと言いたいわけではありません。
何事であっても最初は模倣から始まり徐々にオリジナリティを獲得していくものであって、中国は未だその途上にいるだけのことです。いずれは中国発の奇抜で優れた物珍しいサービスや商品がグローバルマーケットに現れることでしょう。
ただ、現時点ではまだであり、そこまで恐れることはないと思っています。
また、そういったイノベーションの目線はさておき、過剰生産能力によるダンピングなど市場自体を壊しかねない経済活動はむしろ恐れたほうがいいとは思います。