問題を指摘するばかりで対策案を出さず、人の失敗を批難して他者の提案をコケにする類の行為は、正直言ってあまり好みではありません。
いつまでやるんだ?
先日、床屋で散髪してもらっていたところラジオから日本学術会議のニュースが流れてきたので驚きました。
え、まだ揉めてるの?任命問題が起きたのは2020年だから、もう5年近く経つよ?
いえ、まあ、法案の審議が行われているのでニュースになるのは分かりますが、いつまで経っても「問題だ問題だ」と騒ぐ人がいるのは理解に苦しみます。
問題はすでに数年前から周知されており、現在はいつまでも問題を騒ぎ立てるのではなく解決方法を議論すべきフェーズです。
個人的な好みの話ですが、私はこの手の「問題解決に注力しない人」があまり好みではありません。言うなれば、会議で問題を指摘するばかりで対策案を出さず、人の失敗を批難して他者の対策案をコケにする類の人です。そういった人と一緒に仕事をすると非常にストレスを感じます。責任や落とし前はどうでもいいからまずはとにかく問題を解決するために協力して知恵を出し合うことを優先すべきだと信ずる次第です。
日本学術会議の問題についても同様のことを思っています。
論点と問題はすでにはっきりしており、政府の主な主張は「イデオロギー問題」であり、学術会議側の要求は「政治不介入」です。問題そのものはもはや騒ぎ立てる段階ではなく、どうすれば双方の主張を上手く擦り合わせられるかに焦点が当てられて然るべきだと考えます。
海外出羽守
この問題はそこまで難しい話ではなく、アカデミーを複数設立して全て推薦による任命にすればいいでしょう。日本学術会議問題の報道でも「海外のアカデミーでは~~~」とした言説がよく見受けられますが、まさしく海外のアカデミーの仕組みをそのまま持ってくればいいだけの話です。それで双方が問題視している論点を共に解消できます。
アメリカやイギリスなど他の先進国では複数のアカデミーがあります。
たとえアカデミーが複数あったとしても諮問機関としての機能は減ずることはなく、むしろ複数あることで政治の過剰な介入を防いで様々な提言を多角的に行いやすくなります。 また機関が複数あることはイデオロギーの先鋭化や権威の集約を防ぐことにも繋がります。双方の言い分を取り入れた形としては実績のある海外のやり方を参考にするのが妥当な解決策となるでしょう。
他の先進国では自然科学・社会科学・人文科学などで別々のアカデミーを持っている場合が多く、日本学術会議は世界でも珍しい分野横断的なアカデミーです。その点で言えば多方面の分野が一つにまとまっていることで出来る高次の提言などもあるのでしょう。
ただ、それによって権威やイデオロギーが集約して政治的団体となっているのであれば、やはり分離してより科学に集中できる組織へと再編することが科学者にとっても幸福かと思われます。
結言
この意見は一個人の感想的なものではありますが、いずれにせよ「何が問題だアレが問題だ誰が悪いんだ」と騒ぐのはそこまで意味のあることではなく、むしろ会議を躍らせて問題解決を進まなくさせる結果をもたらしますので、それよりはどうやれば問題が解決して方々が幸せになれるかを考えたほうが健全かと私は考えます。