忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

ニュース配信サービスも偏っている

 

 ニュースアグリゲーターを通してニュースを広く見ているからバランスが良い、わけではないことに関する注意。

 

ニュースアグリゲーター

 エコーチェンバー・フィルターバブル・情報カスケードなどの危険が喧伝される昨今において、それらを避けるためには情報源の多様化が必要となります。

 情報源の多様化となると、一般的なのはニュースアグリゲーションサービスを使用することでしょう。

 あまり聴き慣れない響きかもしれませんが、ニュースアグリゲーターとはオンラインニュース・Vlog・Podcastsなど各所のデジタルコンテンツを集約して配信するサービスプラットフォームで、配信だけでなく個々のユーザーの好みに合わせて配信情報を処理することもあります。

 要するにYahoo!ニュースやGoogleニュースがニュースアグリゲーターです

 

 個々のユーザーの好みに合わせて配信情報を処理している場合はそれこそエコーチェンバーやフィルターバブルのリスクがあります。

 しかしそういったキュレーションサービスをせずに『ただニュースを配信しているだけのニュースアグリゲーター』であれば情報のバランスが良い、かと言えばそうとも限らないのが実情です。

 日本の例を挙げると色々と角が立つような気がしますので、今回はアメリカの事例を参考としましょう。

 

Allsidesの分析

 アメリカではそれこそ右派のFox Newsと左派のThe Guardianではまったく違うニュースやオピニオンを配信しているように、メディアによって情報が著しく分断されており、そういった情報源による分断を分析するための「バイアス評価プラットフォーム」がいくつか存在しています。Allsides、Ad Fontes Media、Ground News辺りがメジャーどころでしょう。

 欧州や日本にはこの手のサービスが無く、二大政党による左派と右派の分断が顕著なアメリカならではのサービスと言えます。しかしこの手のバイアス評価が存在することは情報の偏りを防ぐために有益なことです。

 

 バイアス評価を行っているAllsidesでは、個別の情報源に限らず、ニュースアグリゲーター自体のバイアスも評価しています

 この記事を書いている時点での最新版チャートを見てみましょう。

 

AllSides News Aggregator Bias Chart | AllSides

 

 表を見ると、Yahoo!news、SmartNews、Bing News、Google Newsなどメジャーなニュース配信サイトのほとんどが政治的左派の情報を多く配信していることが分かるかと思います。右派に偏ったニュースアグリゲーターはほとんどなく、中道ですら数少ないものです。

 もちろんこれはニュースアグリゲーター自体が偏っていることを必ずしも意味しているのではなく、どちらかと言えば既存のメディア全体が左派に偏っていることを意味します

 とはいえニュースアグリゲーターがどの情報源のニュースを配信するか次第でもあります。AllsidesやRealClearPoliticsのようにバランス良く左派・中道・右派のニュースを配信することもやろうとすれば可能であり、そうしていないことは少なくともメジャーなニュースアグリゲーターはニュース配信を偏らせないようにしようとする意志が無いことを表していると言ってよいでしょう。

 

結言

 これはアメリカでの分析であり、日本のYahoo!ニュースやGoogleニュースが偏っていることを示しているわけではありません。

 ただ、少なくとも多くのニュースアグリゲーターはバランス良くニュースを配信しようとした考えが無い場合もあることを留意しておかなければ、ニュース配信サイト自体が作り出すフィルターバブルに囚われてしまうことでしょう。