千年封印機構 設計メモ
作成者:結界再編課 機構設計班 高橋
※注:文書番号は設計書へまとめる際に採番
目的
・対象封印物(妖狐)に対し、「千年後に封印が解ける結界式」の基本設計を検討する。
・要求仕様の「解ける」とは、以下のいずれかを示す。
A)千年経過時点で自動的に開放されること
B)千年経過後、適切な操作により開放可能となること
どちらを指すかは、依頼元(封鎖課)より明確な指示が得られていないため、暫定的に 「AとBのいずれか」 と定義する。
※注:封鎖課に確認したところ「どっちでもいい」との回答を得た。よくないため、後で再確認すること。
要求仕様(暫定)
・封印は千年後に「何らかの形で」解けること。
・千年経過前に誤って解けないこと。
・千年後に文明が存続しているかどうかは保証対象外とする。
・千年後にメンテナンス担当者が存在するかどうかも保証対象外とする。ただし、担当者が存在した場合は「直感的に操作できる構造」であること。
※注:品質保証課より「直感は人による」「千年後の人類の直感は予測不能」との指摘あり。
機構概要(案)
封印機構は以下の三要素で構成する。
1.時間計測部
・千年を計測するための機構。
・タイマー回路は電源寿命の観点から不採用。
・原子時計方式は機構側が持たないため不採用。
→ 封印石の自然摩耗を利用した“劣化式タイムカム”を検討する。
※注:摩耗速度の千年後予測は現実的に困難。品質保証課より「困難ではなく不可能では?」とのコメントあり。
2.開放制御部
・時間計測部が閾値に達した際、封印ロックを「解除可能位置」へ移動させて操作部を稼働可能状態へと機械的に遷移させる。
・自動開放は誤作動、故障リスクが高いため不採用。ただし封鎖課が「自動でパカッと開くのが理想、そのほうがお洒落」と発言したため、検討は継続する。
※注:後日の課内会議にて「無視しよう」と結論。
3.操作部
・千年後に存在するか不明な担当者が、存在した場合に操作する部位。
・レバー、つまみ、押しボタン等を検討。
・ただし千年後の文化・技術レベルが不明なため、構造を理解されない可能性を考慮して「壊せば開く」 という最終手段を残す。
※注:品質保証課より「フェールセーフで安全側に倒して欲しい」とのコメントあり。
※注:品質保証課より「壊す時の推奨工具を明記して欲しい」とのコメントあり。石・棒・拳などを記載予定。
4.安全性・保守性
・千年後に誤開放しても、関係者が生存している可能性は低いため、「安全への影響は軽微」と判断する。
・千年後に保守担当者が存在する保証はないため、保守性は考慮しない。
※注:品質保証課より「考慮しないのはどうか」とのコメントあり。
5.結論(暫定)
現時点で、以下の仕様が最も実現可能である。
・封印は千年後に「解除可能位置」へ遷移する。
・開放は千年後以降、最初に来た者が行う。
・自動開放はしない。但し検討は行う。
・壊せば開く構造とする。
※注:倫理室より「そもそも封印を開放する必要はあるのか」とのコメントあり。
→ 本件、目的そのものを揺るがすため、次回会議にて議題化予定。