忘れん坊の外部記憶域

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「合理性」の分類検討

 

 「合理性」「合理的」という言葉は時々混乱を招いていると感じます。

 「合理性」が議論等で使われる場合、「唯一の正しい合意点や結論がある」といった用途で使われることが多いと思いますが、誰もがそれに同意できるわけではない、そんな不一致による混乱です。

 

 それは当然のことで、合理性を唯一無二の真理のように扱うこと自体が間違いです。

 人はそれぞれ様々な"理"を持っている以上、何を合理的だと感じるかは人によって異なる、そう認識したほうが合理的でしょう。世の中には様々な合理性があり、合理性同士がぶつかることだってあります。

 

 そんなわけで今回は「合理性」の分類を検討してみます。

 私はそういった合理的な検討が大好きです。

 

合理性の分類モデル素案

 まず基本的な分類として、目的が異なれば合理性も変わるでしょう。

【目的達成の効率性を重視する手段の合理性】

「目的地へ行くために最短ルートを選択しよう」

【内面的な価値や信念に基づく価値の合理性】

「損をしてでも正義のために行動しよう」

【アイデンティティの整合性を重視する表現の合理性

「これをすることが美学であり信念なんだ」

 どれもそれぞれ異なる行動をもたらしますが、どれもそれぞれに合理的です。

 

 認知や認識に基づく合理性の差異も起こります。

【処理の全体最適化を是とする効率の合理性

「適材適所に人を配置して上手く処理しよう」

【資源制約下での優先を考える最適の合理性

「今はこうやるのが一番良いと思う」

【人間性や環境など焦点を設定する適応の合理性

「無理のないやり方で進めた方が上手く進むよ」

 どこをどう切り取るかで結論は変わりますが、どれも合理的な判断です。

 

 社会的なスコープの違いによっても合理性は分けられます。

【個人の捉え方を重視する個人の合理性

「私にとってはこれが一番望ましい」

【全体の功利を優先する社会の合理性

「我々は大変だが、これが皆のためになる」

【法・規範・社会の要請に従う制度の合理性

「気持ちは分かるが、法に従って欲しい」

【他者の判断を予測する戦略の合理性

「相手はこうするだろうから、こちらはあえてこれをやろう」

 やはり人によって変わる判断基準ですが、これらもそれぞれ合理的だと言えるでしょう。

 

 世界の捉え方によっても合理性は変わります。

【再現性、因果、検証可能性を前提とする科学の合理性

「判断基準は客観的な科学を用いるべきだ」

【人生の意味やナラティブを重視する物語の合理性

「苦しみを避けて心地よい結果をもたらすべきだ」

【人間同士の相互作用や繋がりを優先する関係の合理性

「人と人の関わりこそ大切にしなければならない」

 何を芯にしているかは人それぞれであり、その結果の合理性もまた然りです。

 

結言

 例えばボードゲームで、最大効率の戦略を実施するのも合理性なら、相手がそうするだろうと読んで搦め手を使うのも合理性です。

 そんな感じで、世の中には多数の切り口に基づく様々な合理性があります。

 少なくとも合理性とは「唯一無二の絶対的な判断」ではないと認識しておくことが合理的です。