唐突に、思考実験として陰謀論を考えてみたくなりました。
島嶼防衛用高速滑空弾
先日、島嶼防衛用高速滑空弾の正式配備がニュースで報道されました。早期装備型のブロック1は「25式高速滑空弾」と命名されたようです。
まあ名前だけだとよく分からないですが、要するに弾道ミサイルですよね。戦後日本の歴史的に大きな転換点となるような気がします。
とはいえ、その是非やスタンド・オフ防衛能力については今回言及しません。
2018年頃から開発が始まった高速滑空弾。
これは日本のロケット開発で最近失敗が続いている一因ではないでしょうか。
なんて、ろくでもない陰謀論をお遊びで考えてみましょう。
それっぽい嘘
まず、ロケットとミサイルが技術的に近いことは誰もがご存じかと思います。ロケットとミサイルの開発では推進系や姿勢制御、軽量化技術や高温・高速環境での材料技術など、重なる部分が多々あるのは周知の事実でしょう。
これらに関連する高度人材は当然限定的であり、人材リソースは希少です。JAXAや民間企業の宇宙部門が必要としている人材が安全保障部門に流れてしまっていれば、技術力の低下によって宇宙ロケットの開発で失敗が生じている可能性はあります。
同時期に防衛装備の大型プロジェクトが並んでいることも気になります。
島嶼防衛用高速滑空弾だけでなく、極超音速誘導弾や国産巡航ミサイルの開発など、高度な空力・材料・制御の専門家を必要とする研究が並行して進められているため、人材がそちらに吸われている可能性は否定できません。
なぜ同時期に防衛装備のプロジェクトが並行しているのか。
そこには研究者や技術者を集約して効率的に開発を進める意図があるのでしょう。
しかし防衛省単独でJAXAの宇宙開発に介入して人材を確保することは現実的に難しいため、別のルートがあるはずです。
JAXAと防衛装備庁へ指令を出せる組織。宇宙ロケットの人材を防衛装備に回す横断的な調整が可能な部署。
それは唯一、内閣府に他なりません。
JAXAに対しては宇宙政策委員会を経由して文科省が予算を調整すれば政治的意図を専門家集団からの提言の形で偽装できます。防衛装備庁に対してであれば偽装の必要すらなく、国家安全保障局を経由して容易に連携が可能です。
宇宙政策、安全保障政策、省庁横断の予算調整、国家戦略の司令塔、これらを兼務するのは内閣府が唯一であり、国家戦略として宇宙ロケットとミサイル開発を裏で統合していたのでしょう。
恐らく、国産ミサイルの開発がひと段落した後に宇宙ロケットの開発が進展するかと思われます。
あり得ない理由
適当な話をこしらえてみましたが、ハッキリ言って現実的ではありません。
そもそもロケットとミサイルでは担当している企業や部門が違いますし、防衛産業の人材需要は増えているものの宇宙開発から直接引き抜くほどではないでしょう。
なによりロケットの失敗は人材不足ではなく、新規に立ち上げるシステムの立ち上げ初期は失敗しやすいだけです。複雑な仕組みやシステムが最初から上手くいくことなどありません。そもそも日本のロケット開発が失敗続きかどうかも議論の余地があり、前提からしてまずは疑うべきです。
上で考えてみた嘘も、次のようなファクターを活用してそれっぽく見せているだけの非現実的な嘘です。
- 同時期に起きた出来事を因果関係として結び付けてしまう認知バイアスを用いた因果関係の錯覚
- 専門領域の重なりがあると実際以上に関連があるように見える、技術的類似性と因果関係の混同
- 国家規模のプロジェクトが裏で繋がっている物語には魅力がある、複雑な現象を単一の原因や黒幕に還元するのは面白い
事実と事実の空白を妄想で埋めれば簡単に陰謀論が作れますので、今回とは別に「イプシロンが失敗してH3が成功しているのは、H3を作っている三菱重工が弾道ミサイルの開発をしていたからだ」とした陰謀論も作れるでしょう。部署が違うことは無視です。
結言
陰謀論としてそれっぽい黒幕や指令ルートを考える上で、政府や内閣府は陰謀論的に使い勝手が良すぎます。国家を差配する組織として多数の会議・審議会・機関・局などを所管しているため、理論上はありとあらゆる暗躍ができてしまいますので。
何かしらで「内閣や政府の陰謀」のフレーズが出てきたら、陰謀論の懸念をもって身構えたほうがいいかもしれません。