忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

工業広告で技術情報を間違えちゃ駄目だろうに

 

 メーカーにとっての悪夢。

 

 情報をクローリングして広告を作ってくれる業者はお手軽かもしれませんが、品質管理はちゃんと自前でやらねばならないでしょう。

 

ちゃんとチェックしないと!

 お仕事柄、ターゲット広告では部品や装置の広告が表示されることが多いです。

 ネジやら、工具やら、大きな装置やら、結構なんでも手あたり次第に出てきます。

 

 でも、流石にこの広告画像にはビックリ。

※社名はトリミングしておきます

(ほう、ポンプ屋さんか。特に必要ではないけど興味はいやちょっと待ておかしいだろなんだ『300,000Mpaの粘度』って!?)

 

 まず、[Mpa]なんて単位はありません

 [MPa]はありますが、[Mpa]は存在しません。細かいようですが大文字小文字は厳密に決まっており、ちょっとでも違っていれば別のものとして扱われます。揚げ足取りでもなんでもなく、たいへん重要なポイントです。

 

 なお、これが[MPa]だったとしても、それは圧力の単位です。粘度の単位[mPa・s]に似ていますが違います。

 もし圧力だったとしたら、300,000MPaとは要するに300GPaですので、金属水素でも流すポンプなのか?というレベルです。

 金属水素とは「途方もない超高圧下において水素は金属的性質を持つ」とした理論上の物質です。一応、実験室レベルでは観測されたと報告されていますが、地球の中心レベルの超高圧が必要ですのでまだまだ安定的に観測できる物質ではありません。

 つまり300GPaとは超高圧物理学や天体物理学で取り扱うようなレベルの圧力ですので、『ポンプで流す流体』の圧力としてはオーダーが違い過ぎます。

 

 まあ、「粘度」と書いてありますし「ポンプ」の話ですので、粘度の単位[mPa・s]の誤記でしょう。「300Pa・sの超高粘度流体も流せますよ」とした売り文句なのだと思います。

 ここまでくると数値自体が正しいのかも怪しくなってきますが。

 300Pa・sとなると、とてもドロドロな流体ですので。水あめよりもドロドロです。流せるポンプはもちろん世の中にありますけども、どこまでこのポンプを信用していいものか。

 

信頼が大切

 もしかすると本当に300,000MPaの圧力に耐えられるスーパーな惑星開拓級の未来ポンプなのかもしれませんが、とりあえずは誤記だとして話を続けます。

 きっとAIで作られた広告なのでしょう。流石に人間がこのレベルのミスをするとは思えません。ミスのレベルからして、ネットの情報をクローリングして自動的に広告を生成するタイプかと思われます。

 

 AI広告業者に任せて広告を作ったほうが手軽で低コストなのは分かります。

 分かりますが、メーカーの広告が技術的な間違いをしているのはマズいです。

 これはちょっとしたミスでは済みません。工業広告としてはけっこう致命的です。「なぜちゃんとチェックされていないんだ?品質管理レベルが低いんじゃないか?」とユーザーから思われますし、実際に広告の品質管理をできていないことが露呈しているので反論も難しいでしょう。

 品質管理レベルを疑われることは、全てを疑われることと同義です。設計も、スペックも、生産も、輸送も、サポートも、ありとあらゆるプロセスの品質保証に対して疑義を持たれてしまいかねません。

 圧倒的なスペック差や低コストなどで競合他社を何馬身も突き放しているのであればともかく、横並びでどちらを選ぶかとなれば、安心できる方を選ぶのが人情というものです。わざわざ疑わしいメーカーから買う理由はありません。

 そのため、広告一つ取ってもちょっとしたミスが大変不利な立場になることは重々承知しておく必要があります。

 

結言

 ターゲット広告は、一般的に『その会社の中の人』よりも『お客さん』のほうに表示される可能性が高そうなので、この広告も内部で気付いてこっそり直す前に、外からの指摘、率直に言えばお客さんからの指摘で問題になると思われます。

 担当者や責任者は怒られるでしょうから、なんともはや、悲しい広告です。