先日の記事の続き。重めだったので、今度は少しジョーク寄りの軽めに。
「軍事が好きだなんて、お前は戦争がしたいのか?」
というあまり好ましくない風潮があるように、恐らく以下のような風潮があると思います。
「軍歌が好きなんだ」
(あ、右翼の人かな?)
それはまあ、確かに右翼の人達は軍歌が好きな人が多いと思います。
しかしそれは一面的なものです。「右翼は軍歌好き」という命題がもし真だとしても、「軍歌好きは右翼」という命題が真とは限らないからです。
そんなわけで、軍歌に対する私の個人的な印象をざっくばらんに書いてみましょう。
様々な軍歌
「軍歌が好きなんだ」
「へぇ、たとえばどんな軍歌が好きなの?」
「軍艦行進曲」
(右翼かな、もしくは海自好きか、あるいはパチンコ好きかな)
軍艦行進曲:「守るも攻むるも黒鐵の」から始まる、別名「軍艦マーチ」。戦前、戦時中盛んに演奏された日本軍歌の代表作の一つ。海上自衛隊の儀礼曲としても使われている。パチンコ屋のBGMにも使われているらしい。(パチンコ屋に行ったことがないので詳しくは知らない)
「抜刀隊」
(右翼かな、もしくは陸自好きか、あるいは日本史オタクかな)
抜刀隊:「我ハ官軍我敵ハ」から始まる、西南戦争時における政府軍の選抜隊「抜刀隊」の活躍を歌った日本軍歌。陸軍分列行進曲の元ネタの一つであり、陸上自衛隊や警察の儀礼曲として今なお用いられている。
「同期の桜」
(あ、右翼だ。もしくは腐女子かな)
同期の桜:「貴様と俺とは同期の桜」から始まる、戦中に歌われた日本の軍歌。悲壮な曲と歌詞であり、当時の時局に合っていたため大いに流行していた模様。右翼の街宣車もよく流しているのでとても右翼的ではあるが、一部女性にも(ボーイズラブ的な意味で)人気があるらしい不思議な曲。
「雪の進軍」
(むしろ軍事嫌いかな・・・?)
雪の進軍:「雪の進軍氷を踏んで」から始まる、日清戦争での経験を基に作られた日本の軍歌。一般的な軍歌は勇ましく敵を打ち倒すことを歌うが、この曲は「煙草が残り二本しかねえ」「干物も焼けねえ、飯は半煮えだ」「寝床は雪の上、めちゃくちゃ寒い」「どうせお上は生かして還さぬ積もりだ」というように、寒冷地に送られた兵隊が延々と愚痴り続けている歌詞であり、厭戦気分に満ちているというか、もはや反戦歌。
「カチューシャ(Катюша)」
(ソ連好きか、もしくはアニメ好きかな)
カチューシャ:ソ連時代に流行った歌謡。軍隊でも盛んに歌われていたため軍歌としても取り扱われている。遠く国境警備で働く恋人を想う娘カチューシャを歌っており、単純に名曲のため世界中で愛されている。日本人のアニメ声優も歌っているらしい。(よく知らない)
「玉葱の歌(Chanson de l'Oignon)」
(マニアックだなこいつ・・・)
玉葱の歌:フランスの軍歌。ナポレオン時代に兵隊が歌ったのが最初とされている。一応は軍歌であるが、歌詞は「玉葱を油で揚げたのが好き」「玉葱は美味しいから好き」「玉葱1個で獅子にもなれる」「オーストリア人にやる玉葱はねえ」「犬にやる玉葱はねえ」「お前も玉葱を好こうぜ」と、玉葱に対する愛ばかり歌っている。一応おまけとばかりに「進もう戦友よ(オーパッキャマラド)」という部分もあるが、日本では歌詞が改変された「クラリネットをこわしちゃった」のほうが有名。
「コンギョ」
「お前はただのネットオタクだぁ!」
コンギョ:北朝鮮の歌謡であり、軍歌ではない。まあ「コンギョ」は「攻撃」という意味なので、軍歌っぽい気がするのも分からなくもない。なぜか日本のネット界隈では有名な曲で、とても軽快なテンポがクセになるとのこと。実際一度聞くとやけに耳に残る。北朝鮮の歌謡であれば個人的には「将軍様、縮地法を使う」も曲タイトルで笑いを取りに来ているので好き。縮地法て。
結言
他にも色々ありますがこの辺りにしておきましょう。
軍歌好きという人が右翼かと言えば、そうではないような印象になったでしょうか?
しかし「軍歌好きは変人かマニア」という印象は残るかもしれません。
まあ、それは多分、事実です。
余談
ここまで書いておいてなんですが、私は歴史オタクなだけであり、軍歌は別に好きじゃなかったり・・・変人のマニアであることは否定しないですが。
正直、「玉葱の歌」を紹介したかっただけという。