忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

社会全般

寛容のパラドックスを解消するための視点

DEI(多様性・公平性・包括性)に対して総論賛成・各論反対の批判的な見解を示しがちな当ブログですが、今回は少し前向きな提案ができるよう努力します。 寛容のパラドックス 寛容のパラドックスとは、「寛容な社会を維持するためには、寛容な社会は不寛容に不…

現代の若者も反権力的である:変化したのは「若者」ではなく「権力の構造」

「若者の保守化」 「若者による反権力・反体制の衰退」 時々こういった言説を見かけますが、個人的にはあまり賛同していません。 今の若者も充分に反権力的であり、しかし過去とは権力の対象が変わっただけだと思っています。 現代の権力 反権力・反体制が若…

お年寄りの衰退主義(Declinism)と社会の健全性に関する考察

個人の問題ではなく、包摂的な論理が必要。 高齢者の悲観論 お年寄りが「昔は良かった」「今の社会や人は悪くなった」と感じることは珍しいことではありません。 この傾向は心理学的に説明可能な現象であり、衰退主義(Declinism)と呼ばれています。 衰退主義…

頭が良い人ほど「私の考えが正しい、お前らは間違えている」と思い込みがち

頭が良い人こそ気を付けるべきシリーズ。 ◆他人が馬鹿に見えた時、考えるべきこと - 忘れん坊の外部記憶域 ◆人々が愚かであることを受け入れなければ民主主義は成り立たない - 忘れん坊の外部記憶域 ◆頭が良い人ほど間違いを認められない - 忘れん坊の外部記…

会ったこともない人を憎む人間の心理:攻撃性と距離

会ったこともない人を憎む、人間の心理について。 距離を超越した通信が可能になった現代だからこそ、留意が必要なこと。 個人的な考え方 インターネット上では、有名人や政治家、大富豪や専門家などに対して、一度も会ったり話したりしたことが無いのに憎ん…

頭が良い人ほど愚かなことを思い込む:知性の過信と人格との混同

頭が悪い人は頭が良い人に騙されるが、 頭が良い人は頭が良い自分自身に騙される。 頭が良い人は"自らをも騙せてしまう" 人々が誤った信念を抱くのは、「正しい信念を知らないか、真実を理解できていないからだ」と考えることが一般的です。 その推論に基づ…

「無知だから陰謀論に陥る」と"考える人"の危うさ

他者を愚かだと思い込むのは、とてもリスキー。 情報の量や正誤とは因果関係にない 「陰謀論にハマるのは愚か者」「無知だから陰謀論に陥る」と言った言説をインターネットで不定期に見かけます。 感覚的・直感的には同意したくなりますが、実際は知識の多寡…

昨今のニュース一丁噛み

出張中や連休の間もニュースは見ていましたが、思索をしていないので語ることがあまり無いです。 アメリカとベネズエラ ベネズエラについては2023年のガイアナ危機あたりから注視していたのですが、何度か続きのブログ記事を書こうとして挫折していました。 …

異なる合理性の一形態

個人主義と全体主義。 民主主義と社会主義。 つまりは異なる合理性の信奉。 犯罪 「中国では道を歩いていても犯罪に巻き込まれる危険性は低いよ。あちこちに監視カメラがあるからすぐに犯罪者が見つかるし、そもそも現金は誰も持ってない。電子マネーも政府が…

中国が異質なのではなく、国家毎に特色がある

中国へ行ったのもまだ三度目ですが、訪中している間に考えていた中国に対する雑感を語ってみます。 貧富の差 中国へ行く度、とにかく金持ちと貧乏人の差、貧富の差を強く感じます。 平成後期頃から「中国は発展している、もはや日本以上だ」とした言説がありま…

連帯意識の功罪とその是非に関する考察

功罪ある概念は取り扱い注意。 連帯意識の多様性 人によって連帯意識を感じる強度と範囲には個人差があります。 家族を仲間と思う人もいれば、同じ組織で働く人を仲間と認識する人もいます。性別や職業、同じ地域や同じ国家に所属していることを連帯の理由と…

「戦争を望むのか」という誤解と詭弁論法

話し合うためには、相手を「悪魔化」してはいけない。 すれ違いの勘違い 安全保障の議論では、しばしば次のような言葉が飛び交います。 「抑止力が働かなければ戦争リスクが上がる、戦力を持たないなんて、そんなに戦争をしたいのか」 「他国の有事に首を突…

人種的多様性って概念は大丈夫なのか?

ちょっと心配。 思った以上にヘヴィなテーマな気がするので、語り口はいつもよりも緩めにします。 人種的差異の社会的否認 SNSのニュース欄で、「日本は人種的多様性が世界最下位」みたいなヘッドラインを見かけました。 どんな基準で集計されたランキングな…

人の優劣や上下を収入で判別することの非論理性

暴論に暴論で返す試み。 宜しくない質問 『人の優劣や上下を収入で判別する』 『収入を人の価値の物差しにする』 そのような方が世の中にはいらっしゃいます。 思った以上にストレートな質問になるので人様へ直接は言わないのですが、そういった方は、こう聞…

ロボットアームのように生きるのだ

軸を複数持つ、という意味で。 ビックリするほどピンとこないタイトルかもしれませんが、私的にはしっくりきます。腕がそれぞれ肩・肘・手首に回転軸を持っているのは、それが便利だからです。 ええ、まあ、何を言っているのか分からないと思うので説明して…

野生動物との共存に関する学びの記録

近頃は毎日のように熊のニュースを見かけます。 私のような機械工学畑の人間はどうにもこの辺りの自然・環境・動物・生態などの学問に疎いところがありますので、具体的なところが分かりません。 そういう時は専門家の見解を学ぶことにしています。 今回は機…

リアリズムとリベラリズムから見る台湾海峡の軍事的緊張

一度整理しておきたかった話題として、台湾海峡の軍事的緊張をベースに、安全保障に関する考え方の違いをまとめてみます。 安全保障論の二大思想 安全保障に関する理論は大きく二つの思想に分けることができます。 一つはリアリズムで、もう一つはリベラリズ…

現代の地獄(SNS)を覗き込む時の注意事項

SNSを見るときは、明るい部屋で、離れて、良い色眼鏡をかけて見よう。 SNSを観察する必要性 社会問題を理解するにはSNSでの騒乱を無視することはできません。良くも悪くも社会問題を議論する最前線の場がSNSとなっており、無名の評論家から著名な学者まで幅…

”悪”の質的違いと混同の危険について

”悪”は意味が広すぎる。 とてもややこしい話をします。 "悪さ"の質的違い 騙す方と騙される方、どちらが悪いか? もちろん特に議論の必要もなく騙す方が悪いのですが、時には「騙される方も悪い」と、騙される側の悪性が批判される声も耳にすることがあるで…

「平和主義」を守るのではなく「平和」を守るべき

私は「平和主義」を守るのではなく「平和」を守るべきだと考えています。 何度か語ってきた内容ですが、ちょっと長めに語ってみましょう。 手段と目的 「平和主義を守るべきだ」と「平和を守るべきだ」は似ているようで異なる立場です。 前者の「平和主義を…

熊害から考える社会問題の捉え方

昨今、熊害のニュースや議論が各所で飛び交っています。 それに関連して、社会問題全般へ敷衍した話をしてみましょう。 社会問題の定型 熊害に対する言及が多いのは、もちろん「人命へ直接的に関わる大問題」であることが主因だと思います。 ただ他の要因と…

理性と感情の対立に関する一つの見解

なぜ人は理性と感情を対立させてしまいがちなのか。 一緒に働けばいいじゃない。 理性を肯定するリスク 理性と感情のどちらを優先するかは古来より人類社会で議論され続けてきた一大テーマです。 とはいえ、その議論は若干非対称的ではあります。「理性より…

信頼できない組織を信頼しないとさらに信頼できなくなっていく

予言の自己成就的なやつです。 じゃあどうすればいいのかと問われると、とても困るのですが。 ネガティブフィードバック 「君にはできない」と子どもが言われ続けると本当にできなくなるように、予言の自己成就の逆パターンであるネガティブフィードバックは…

反社会性を抑えた反社会的活動のススメ

構造的差別に対する反発は既存の社会秩序に対する挑戦となることから、必然的に反社会性を帯びる。 これは妥当な見解かと思いますが、個人的には全面的に首肯しかねるところもあります。穏健派ですので反社会的な活動は好みませんし、過激化されて暴力沙汰に…

差別を根治するのではなく、差別を減衰することの提案

先日、著名人が差別反対の言説を展開したことに対する反論を見かけました。 曰く、「金持ちで、都会に住んでいる、何の苦労もしていない、差別されたことのない人が語る差別反対は薄っぺらい」とのこと。 発言内容ではなく発言者の属性によって評価している…

自国を侮辱する権利と、その共同体主義について

個人主義者の目線。 自国を侮辱する権利 国旗損壊罪に関するニュースを見かけました。 それ自体に対しては、諸外国でもそういった法律は有るところもあれば無いところもあるので頭ごなしに肯定/否定するのではなく必要かどうか議論をすればいいのではないか…

寛容さの美徳に潜む、優越感と軽蔑の悪徳

最近は寛容(Toleration)が人口に膾炙してきていますので、一度見直しを図りましょう。 寛容は美徳か 寛容さは美徳である、とした考えは概ね同意を持って受け入れられるかと思います。 逆説的ですが美徳とは社会にとって良いことです。よって他者を受け入れる…

戦争を終わらせる夢のような解決方法があればいいのにね

先日、古巣の職場に出かけた時の雑談。 後輩「どうすればロシアとウクライナの戦争は終わりますかね?」 私「それが分かれば俺もノーベル平和賞が貰えるんだけどね」 難しいようで簡単で、でもやっぱり難しい話です。 戦争の話は常に不快の空気を漂わせます…

大人は複雑な現実を扱えなければならない

大人になりたくない気持ちは分からないでもないが、大人にならなければならない。 そんな、ちょっと辛辣な話。 複雑さへの耐性 社会的な対立や価値観の衝突が起きた時、人はしばしば対話を放棄して「排除」に惹かれます。論敵を誹謗中傷で責め立てる、政治的…

日本で情報機関を作るなら名称はNINJAでお願いします

スパイ防止法についてちょいと自論を書いてみようかと思いましたが、色々と配慮しながら書くのが大変だったので止めます。 もう少しおちゃらけた愉快なことを考えましょう。 情報機関 国際協調主義に基づいて他国と情報のやり取りを密にするためスパイ防止法…