社会全般
物事を変革する場合に対して、当ブログでは時々、いえ、度々と言える頻度で「抵抗勢力を作るな」「対立意見と争うな」「攻撃をするな、協調を取れ」と述べてきています。 ざっとですが言及している記事を確認してみたところ、そこそこの数です。 敵を減らす…
何に対して恐怖を抱き、危機感を感じるかは人それぞれです。 恐怖は遺伝的要素、すなわちセロトニントランスポーター遺伝子の型の影響が強く、たとえ同じ情報を得ていたとしてもその情報に対する恐怖の感度は人それぞれ異なります。 この感度差は優劣や善悪…
社会問題や議論において、常に留意されるべきこと。 お金は大切 お金の話を露骨にすることはあまり上品ではないとする社会常識があるかと思います。 もちろん過度にお金に傾倒すると汚職や拝金主義の温床となりますので、お金を中心に物事を考える必要はあり…
日本人は討論(ディベート)が苦手と言われています。 学術的な数値データは存じませんが、確かに日本では欧米と比較して文化的に討論を避ける傾向があると考えられており、教育でも討論をあまり重視していないことは事実かと思います。 コンテクスト(背景・文…
どのような社会でも、少なくとも民主的かつ自由主義の集団であれば全員が一丸となって同一の意見を持つことはまず考えられず、必ず集団内での意見対立は生じます。紋切型の雑な切り口を援用すれば、例えばアメリカでは伝統的価値観を重視するコンサバと先進…
ちょっとした思考実験として、道徳や倫理のアップデートに関する思索をしてみます。 「ポリティカル・コレクトネス」「文化盗用」「Woke」「ルッキズム」など様々な新しいアップデートされた規範が日本に限らず世界中のSNSで謳われています。「人々はこれら…
話し合いは多義的なニュアンスを持つ日本語ですが、基本的には議論や会話を意味します。 そして議論や会話とは、言い争いや討論とは違って闘争的ではない言葉です。 ただ、残念ながら「話し合い」のことを「果し合い」だとでも誤解しているのではないかと、…
このブログでは教養について時々取り上げています。 教養を意味する英語Culture(カルチャー)は多義的で、教養の他にも『土地の耕作』の意味を持っており、田畑の土を耕して柔らかくすることと同様に知識や教育によって心の畑を柔らかくすることが教養の意味…
世間では強い意志や固い決意、言い換えれば信念を高価値のものとして取り扱うことが多々あるかと思います。学校では結果だけではなく意志や気持ちといった心の態度も評価の対象となるものですし、物語の主人公は多くの場合で強い意志と固い決意を持っている…
今世紀のお題「国家の統一、世界政府の実現は可能か」 ・・・いえ、その、はてなブログさんの「お題」的な感じで書き始めてみようかな、と。ちょっとした出来心のジョークです。 とりあえず今世紀中に世界政府を樹立することは無理だとは思います。経済・資源・…
日本で伝統的に善いとされる考え方の一つに「人様に迷惑をかけるな」があるかと思います。 昨今ではこれに対して否定的な見解も多く見られますが、個人的にはそこそこに妥当な考え方ではないかと考えています。 健康で余力のある人間の戯言ではありますが、…
教養とは知識や教育によって心を耕して柔らかくすることです。豊かで柔らかい心を育むことで「我」の枷を外して様々な視点を持つことができるようになります。 知識によって耕作地を広げて豊かな草木を育んでいない心は、寒々と荒廃したとても窮屈なものです…
私は人とお酒を呑むことが好きなので職場の飲み会も好きなほうですが、お酒が嫌いであったり、公私をしっかり分けることを好んでいたり、雰囲気が好きではなかったりと、世の中には職場の飲み会を嫌いな人もいるかと思います。 誰にだって好き嫌いがあること…
昨日の記事は軽い話をすると言いつつ結局はまったく軽くないどころか説教臭い話になってしまいました。どうにも無駄に生真面目で困ります。 記事を書くからには何かしら意味のあることやタメになりそうなことを一つは記事に盛り込みたい、そのためには事実や…
「知識は持っているだけでは駄目で、活用しなければならない」 このような言説を時々見かけるかと思います。 この言説自体はとても正論です。役立てていない知識は持っていない知識と同義とさえ言えます。 ただ、この正論の曲解とまでは言いませんが、「活用…
「台湾有事は日本有事か」と言えば、有事の定義が武力に訴えるような事件や事変が起きることである以上、ほぼ確実に日本有事です。政治や経済ではなく、単純に軍事的な側面からそうなります。 今回は軍事の理屈をなるべくシンプルに整理してみましょう。 兵…
物事の変革や組織の改革において、抵抗勢力が生じるのは必然です。 改革に抵抗する人々には様々な理由があります。単純に変化を嫌う気質であったり、改革によって失われる部分への執着心や改革勢力自体への敵愾心、あるいは論理的思考による反対や総論賛成各…
社会人のキャリア形成や女性の社会進出など、世の中では様々な事例におけるロールモデルの存在・非存在、そしてその是非が議論がされています。 確かにロールモデルは有効な場合もあります。ただ、現代ではロールモデルに依拠したライフスタイルの確立は限界…
以前から頭に残ってはいたのですがどこで読んだのかずっと忘れていた文章を、先日ようやくどの本に書いてあったのか思い出したので、少し長くなってしまいますが引用します。 ハーバード・ロースクールの交渉術のクラスで、中国人の男子学生がアメリカ人の女…
インターネット上でよく議論となっているテーマの一つに個人の感情の取り扱いがあります。何らかの事象に対しての個人的な感想を公開することの是非に関する問題で、インターネットスラングで言えば「お気持ち」と揶揄されるものです。 今回はそんな個人の感…
アメリカのシンクタンクである平和基金会(FFP)は各国の安定性を数値化して毎年脆弱国家指数(Fragile States Index:FSI)を公表しています。 ◆Fragile States Index | The Fund for Peace FSIの2023年版が先日発表されたことから、今回はウクライナの事例を参…
ここ最近、奨学金による借金苦の話、奨学金の帳消しを求める団体の話、また奨学金に関連して大学無償化の議論を眺めていました。 今回はお金に疎い私がこれら議題に関する個人的な素人見解を述べていきます。 奨学金の帳消しに関して まず奨学金の帳消しにつ…
今回は学術的な根拠の一切ない、ただの思い付きを語っていきます。独立行政法人労働政策研究・研修機構が発行する『データブック国際労働比較2023』をパラパラと読んでいた際にふと考えてみただけの、価値のない妄言です。 女性管理職の割合と椅子の数 日本…
ステレオタイプとは、多くの人に浸透している固定観念や思い込みのことを指す言葉です。 人は様々な物事をステレオタイプ的認知によって処理しています。それは思考の効率化・省力化であり、日々様々な情報を処理しなければならない現代社会において必要な行…
ここ数年、難民問題と入管法改正に関して色々と議論が紛糾しています。 各国で難民の定義や国家の仕組みが異なることから、国際的に一律のルールを定めることは難しいため、日本としてどのように難民や出入国管理を対応していくか議論が深まるのは良いことで…
独断専行は指揮官が現場の状況に応じて受けている命令に反することを決心する行為を意味する軍事用語ですが、現在では単独の判断で事を行う行為を意味する言葉として広く用いられています。 軍事における独断専行は必ずしも批判的に扱われるものではなく、む…
同僚との会話の記録。 私「最近、どうすれば全ての差別や不平等をなくせるか、ちょっと考えていたんですけど」 同僚「また壮大なこと言ってんな」 私「まず、収入に差があったら平等じゃないですよね。だからみんな同じ収入にすればいいと思うんです」 同僚…
『正義中毒』や『正義マン』など、世の中には正義の暴走を戒める言葉が存在しています。 なぜ正義が暴走するかについては様々な識者がそれぞれの見解を述べていますが、僭越ながら私も一つ、思っているところを述べていきます。 そこまで新規性の無い論考で…
日本は失敗を許容しない国。 日本は失敗したら終わりの国。 このような表現が用いられることもあるかと思います。 少し古典的な表現ですが、切腹のような価値観が日本にはある、そういった話です。 今回は、命を失ったり手足を失ったりするような類の物理的…
二律背反ではないはず。 テロリズムの定義 まず、念のためにテロリズムの定義について整理します。 テロリズムは時代によっても意味の変わるとてもレンジの広い言葉なので、今回は大雑把に英語Wikipediaから定義を持ってきます。 Terrorism, in its broadest…