社会全般
話し合うためには、相手を「悪魔化」してはいけない。 すれ違いの勘違い 安全保障の議論では、しばしば次のような言葉が飛び交います。 「抑止力が働かなければ戦争リスクが上がる、戦力を持たないなんて、そんなに戦争をしたいのか」 「他国の有事に首を突…
ちょっと心配。 思った以上にヘヴィなテーマな気がするので、語り口はいつもよりも緩めにします。 人種的差異の社会的否認 SNSのニュース欄で、「日本は人種的多様性が世界最下位」みたいなヘッドラインを見かけました。 どんな基準で集計されたランキングな…
暴論に暴論で返す試み。 宜しくない質問 『人の優劣や上下を収入で判別する』 『収入を人の価値の物差しにする』 そのような方が世の中にはいらっしゃいます。 思った以上にストレートな質問になるので人様へ直接は言わないのですが、そういった方は、こう聞…
軸を複数持つ、という意味で。 ビックリするほどピンとこないタイトルかもしれませんが、私的にはしっくりきます。腕がそれぞれ肩・肘・手首に回転軸を持っているのは、それが便利だからです。 ええ、まあ、何を言っているのか分からないと思うので説明して…
近頃は毎日のように熊のニュースを見かけます。 私のような機械工学畑の人間はどうにもこの辺りの自然・環境・動物・生態などの学問に疎いところがありますので、具体的なところが分かりません。 そういう時は専門家の見解を学ぶことにしています。 今回は機…
一度整理しておきたかった話題として、台湾海峡の軍事的緊張をベースに、安全保障に関する考え方の違いをまとめてみます。 安全保障論の二大思想 安全保障に関する理論は大きく二つの思想に分けることができます。 一つはリアリズムで、もう一つはリベラリズ…
SNSを見るときは、明るい部屋で、離れて、良い色眼鏡をかけて見よう。 SNSを観察する必要性 社会問題を理解するにはSNSでの騒乱を無視することはできません。良くも悪くも社会問題を議論する最前線の場がSNSとなっており、無名の評論家から著名な学者まで幅…
”悪”は意味が広すぎる。 とてもややこしい話をします。 "悪さ"の質的違い 騙す方と騙される方、どちらが悪いか? もちろん特に議論の必要もなく騙す方が悪いのですが、時には「騙される方も悪い」と、騙される側の悪性が批判される声も耳にすることがあるで…
私は「平和主義」を守るのではなく「平和」を守るべきだと考えています。 何度か語ってきた内容ですが、ちょっと長めに語ってみましょう。 手段と目的 「平和主義を守るべきだ」と「平和を守るべきだ」は似ているようで異なる立場です。 前者の「平和主義を…
昨今、熊害のニュースや議論が各所で飛び交っています。 それに関連して、社会問題全般へ敷衍した話をしてみましょう。 社会問題の定型 熊害に対する言及が多いのは、もちろん「人命へ直接的に関わる大問題」であることが主因だと思います。 ただ他の要因と…
なぜ人は理性と感情を対立させてしまいがちなのか。 一緒に働けばいいじゃない。 理性を肯定するリスク 理性と感情のどちらを優先するかは古来より人類社会で議論され続けてきた一大テーマです。 とはいえ、その議論は若干非対称的ではあります。「理性より…
予言の自己成就的なやつです。 じゃあどうすればいいのかと問われると、とても困るのですが。 ネガティブフィードバック 「君にはできない」と子どもが言われ続けると本当にできなくなるように、予言の自己成就の逆パターンであるネガティブフィードバックは…
構造的差別に対する反発は既存の社会秩序に対する挑戦となることから、必然的に反社会性を帯びる。 これは妥当な見解かと思いますが、個人的には全面的に首肯しかねるところもあります。穏健派ですので反社会的な活動は好みませんし、過激化されて暴力沙汰に…
先日、著名人が差別反対の言説を展開したことに対する反論を見かけました。 曰く、「金持ちで、都会に住んでいる、何の苦労もしていない、差別されたことのない人が語る差別反対は薄っぺらい」とのこと。 発言内容ではなく発言者の属性によって評価している…
個人主義者の目線。 自国を侮辱する権利 国旗損壊罪に関するニュースを見かけました。 それ自体に対しては、諸外国でもそういった法律は有るところもあれば無いところもあるので頭ごなしに肯定/否定するのではなく必要かどうか議論をすればいいのではないか…
最近は寛容(Toleration)が人口に膾炙してきていますので、一度見直しを図りましょう。 寛容は美徳か 寛容さは美徳である、とした考えは概ね同意を持って受け入れられるかと思います。 逆説的ですが美徳とは社会にとって良いことです。よって他者を受け入れる…
先日、古巣の職場に出かけた時の雑談。 後輩「どうすればロシアとウクライナの戦争は終わりますかね?」 私「それが分かれば俺もノーベル平和賞が貰えるんだけどね」 難しいようで簡単で、でもやっぱり難しい話です。 戦争の話は常に不快の空気を漂わせます…
大人になりたくない気持ちは分からないでもないが、大人にならなければならない。 そんな、ちょっと辛辣な話。 複雑さへの耐性 社会的な対立や価値観の衝突が起きた時、人はしばしば対話を放棄して「排除」に惹かれます。論敵を誹謗中傷で責め立てる、政治的…
スパイ防止法についてちょいと自論を書いてみようかと思いましたが、色々と配慮しながら書くのが大変だったので止めます。 もう少しおちゃらけた愉快なことを考えましょう。 情報機関 国際協調主義に基づいて他国と情報のやり取りを密にするためスパイ防止法…
まずは定義と共通認識の構築から議論を始めよう。 差別の定義 世の中には差別に関する様々な言説が溢れていますが、それらの言説を観察するとそもそも差別の定義が論者によって異なることが分かります。 例えば「マジョリティに対しての言説は差別ではない」…
正義は常に群衆の側にある。 それはいつか見直される時期が来るだろうか。 そもそも論 先日、以下のような言説を見かけました。 「対立した問題に対して、事実関係が不明な時はまだ静観すべきであり勇み足で攻撃すべきではない、事実が明らかになった時に悪…
平等性を重視して弱者やマイノリティを擁護するリベラルは、これからの少子高齢化社会で"少子"と"高齢"のどちらに付くべきか。 有限の社会リソースを分配するにあたって、私たちは誰を救うべきだと選別し、誰を見捨てるべきか。 その説明責任を果たせるかど…
なぜか不定期に資本主義を擁護するような記事を書いている私から見た、資本主義に対する視点をまとめてみましょう。 仕組みの自然発生 資本主義は誰かが設計図を描いて作った仕組みではありません。封建制度の崩壊と都市の発展、貨幣制度の浸透と私的所有の…
最近、ネットの炎上騒動の一つで「絵にも人権はある」「絵には人権はない」としたバトルが繰り広げられているのを見ました。 まあイラストを描いた著作者の人格権や著作権はありますがイラストそのものには人権はない、とするのが妥当な解釈だとは思います。…
物事の落としどころは極端と極端の間にあります。 今回は移民をテーマに、少し自論を提示していきましょう。 中道 私は過去にもブログで述べた通り、移民の受け入れには賛成で、ただしドラスティックな移民受け入れには反対です。上手く社会とバランスを取っ…
興味本位で意見を収集してみた。 私の考え方 最初に私のポジションを明確にしておくと、「台湾有事は日本有事だと考える」「起きる可能性は低いが、備えない理由はない」「起きると困るので起きないように抑止すべき」とした考えです。 どう考えても日本は物…
「資本主義が環境を破壊する」 この言葉は、現代の言論において強力なナラティブとして流通しています。 大量生産、大量消費、そして資本の利益至上主義。これらが森林を削り、海を汚し、空を濁らせてきたのだとした物語は、歴史的にも感覚的にも説得力があ…
当ブログでも度々述べてきていますし各所でも様々語られてきたテーマですが、「悪人に対する攻撃性」における心の機序を整理してみましょう。 悪人の人権について 「悪い人は攻撃してもいい」 「悪い人を攻撃することは善」 相手の特性や属性によって恣意的…
ちょっと無理筋なことを言ってみる。 濃淡・強度の違い 昨今、陰謀論が時々ネットやニュースで報道されることもあり、つい陰謀論を信じる人に対して否定的な感情を抱いてしまう人も多いかと思います。 程度の問題もあるでしょうが、それこそ爬虫類人が世界を…
ネット上では時々、「これは許せない、正すべきだ」「加害者を批難しなければ」といった正義感に基づく言動を目にします。 ときに晒しや炎上という形にまで発展するこうした"一般人による正義の執行"は、法治国家において正当化される余地があるのか、少し考…