社会全般
カルト的構造を持った社会問題に関する論争と、それらに通底する根本的な問題について。 公開論争は分断に至る 論壇やSNSでは様々な論争が日々行われています。 それらは論理の整合性や感情の大小など様々な切り口で語られており、参加者の傾向は紋切り型に…
「合理性」「合理的」という言葉は時々混乱を招いていると感じます。 「合理性」が議論等で使われる場合、「唯一の正しい合意点や結論がある」といった用途で使われることが多いと思いますが、誰もがそれに同意できるわけではない、そんな不一致による混乱で…
世の中には、議論がどうしても噛み合わなかったり、対話が成り立たなかったりする場合があります。そんな時は互いに「なぜこんな当たり前のことが分からないのか」と苛立つこともあるでしょう。 大抵の場合、その原因は”どちらかが無知で愚か”だからではない…
一応、当ブログでも微妙に配慮してGeopoliticsを「地政学」と言ったり「地政論」と言ったりしてきましたが、個人的にはどちらでもいいとは思っています。そんなに重要なポイントではないです。 今回は「これはそもそも日本の学問全般についての課題ではない…
安易に物事を変えないため。 或いは適切に物事を変えるため。 保守にも革新にも必要な枠組みとして、見るべき側面を考えてみます。 今回は完成形ではなく、素案レベルの記録です。 フレームワークの検討 なにかしら物事を変えた場合、実際には変えた直接的な…
法治を重視するからこそ、法律を整備するべきだと考える次第です。 ネットの炎上と私刑 毎日ネットでは誰かしらが炎上しています。 炎上のトリガーとなる火付け屋がいる場合もあるのでしょうが、大火となるかは結局人々の関心次第ですので、炎上とは「組織立…
日頃より急進的な活動や過激な言動は宜しくないと主張している当ブログではありますが、「話し合い」についてだけはそこそこに原理主義的な過激派だったりします。 「話し合い」とは、極めて過酷で、自らを摩耗する茨の道に他なりません。 そんな「話し合い…
大人として素朴に「世界は安定していたほうが望ましい」と思っていますが、そうは問屋が卸さないのが現実です。 感覚的、或いは統計的にも20世紀型の戦後秩序が不安定化しつつあることは、恐らく多くの人が認識しているかと思います。 理由は様々な切り口で…
ある意味、現代社会の根源的な病巣について。 複雑化の非直線性 人口の増加。 技術の発展。 情報量の拡大。 グローバル化。 多様な価値観の可視化。 これらは必然的に多元化を招き、世界の複雑性を増やす方向に働きます。 エントロピーは増加するものであり…
「優しさ」には主に二つの種類があると言われます。 一つは「能動的優しさ」で、もう一つは「受動的優しさ」です。 私としてはどちらも優しさだと考えますが、人によっては「受動的優しさはやっていて当然であり、優しさではない」「受動的優しさは弱さや怠…
現代社会のバグであり、解体すべき神話について。 一貫性=信頼性、という直感の正体 「この人は昔、こう言っていた。こんな人は信用できない」 「この人は昔、こう言っていたのに、今ではこう言っている。こんな人は信用できない」 昔の意見や考え方を引っ…
"社会的正義"について論じた先日の記事に対するムっくん (id:nmukkun)さんのブックマークコメントが示唆に富んでいるため、そこから話を展開しましょう。 「今の世の中、一周回って、大衆が正義とは言えなくなっている」 これがまさに"社会的正義”の課題であ…
自らを「正義」と定義する人は、誰を「悪」と見なしているのか。 「正義の味方」 ヒーロー番組「月光仮面」から使われ始めた言葉である「正義の味方」。 「正義の味方」とは、人々の正義に寄り添い、人々を支え、時に助ける存在です。 「法の番人」が法その…
DEI(多様性・公平性・包括性)に対して総論賛成・各論反対の批判的な見解を示しがちな当ブログですが、今回は少し前向きな提案ができるよう努力します。 寛容のパラドックス 寛容のパラドックスとは、「寛容な社会を維持するためには、寛容な社会は不寛容に不…
「若者の保守化」 「若者による反権力・反体制の衰退」 時々こういった言説を見かけますが、個人的にはあまり賛同していません。 今の若者も充分に反権力的であり、しかし過去とは権力の対象が変わっただけだと思っています。 現代の権力 反権力・反体制が若…
個人の問題ではなく、包摂的な論理が必要。 高齢者の悲観論 お年寄りが「昔は良かった」「今の社会や人は悪くなった」と感じることは珍しいことではありません。 この傾向は心理学的に説明可能な現象であり、衰退主義(Declinism)と呼ばれています。 衰退主義…
頭が良い人こそ気を付けるべきシリーズ。 ◆他人が馬鹿に見えた時、考えるべきこと - 忘れん坊の外部記憶域 ◆人々が愚かであることを受け入れなければ民主主義は成り立たない - 忘れん坊の外部記憶域 ◆頭が良い人ほど間違いを認められない - 忘れん坊の外部記…
会ったこともない人を憎む、人間の心理について。 距離を超越した通信が可能になった現代だからこそ、留意が必要なこと。 個人的な考え方 インターネット上では、有名人や政治家、大富豪や専門家などに対して、一度も会ったり話したりしたことが無いのに憎ん…
頭が悪い人は頭が良い人に騙されるが、 頭が良い人は頭が良い自分自身に騙される。 頭が良い人は"自らをも騙せてしまう" 人々が誤った信念を抱くのは、「正しい信念を知らないか、真実を理解できていないからだ」と考えることが一般的です。 その推論に基づ…
他者を愚かだと思い込むのは、とてもリスキー。 情報の量や正誤とは因果関係にない 「陰謀論にハマるのは愚か者」「無知だから陰謀論に陥る」と言った言説をインターネットで不定期に見かけます。 感覚的・直感的には同意したくなりますが、実際は知識の多寡…
出張中や連休の間もニュースは見ていましたが、思索をしていないので語ることがあまり無いです。 アメリカとベネズエラ ベネズエラについては2023年のガイアナ危機あたりから注視していたのですが、何度か続きのブログ記事を書こうとして挫折していました。 …
個人主義と全体主義。 民主主義と社会主義。 つまりは異なる合理性の信奉。 犯罪 「中国では道を歩いていても犯罪に巻き込まれる危険性は低いよ。あちこちに監視カメラがあるからすぐに犯罪者が見つかるし、そもそも現金は誰も持ってない。電子マネーも政府が…
中国へ行ったのもまだ三度目ですが、訪中している間に考えていた中国に対する雑感を語ってみます。 貧富の差 中国へ行く度、とにかく金持ちと貧乏人の差、貧富の差を強く感じます。 平成後期頃から「中国は発展している、もはや日本以上だ」とした言説がありま…
功罪ある概念は取り扱い注意。 連帯意識の多様性 人によって連帯意識を感じる強度と範囲には個人差があります。 家族を仲間と思う人もいれば、同じ組織で働く人を仲間と認識する人もいます。性別や職業、同じ地域や同じ国家に所属していることを連帯の理由と…
話し合うためには、相手を「悪魔化」してはいけない。 すれ違いの勘違い 安全保障の議論では、しばしば次のような言葉が飛び交います。 「抑止力が働かなければ戦争リスクが上がる、戦力を持たないなんて、そんなに戦争をしたいのか」 「他国の有事に首を突…
ちょっと心配。 思った以上にヘヴィなテーマな気がするので、語り口はいつもよりも緩めにします。 人種的差異の社会的否認 SNSのニュース欄で、「日本は人種的多様性が世界最下位」みたいなヘッドラインを見かけました。 どんな基準で集計されたランキングな…
暴論に暴論で返す試み。 宜しくない質問 『人の優劣や上下を収入で判別する』 『収入を人の価値の物差しにする』 そのような方が世の中にはいらっしゃいます。 思った以上にストレートな質問になるので人様へ直接は言わないのですが、そういった方は、こう聞…
軸を複数持つ、という意味で。 ビックリするほどピンとこないタイトルかもしれませんが、私的にはしっくりきます。腕がそれぞれ肩・肘・手首に回転軸を持っているのは、それが便利だからです。 ええ、まあ、何を言っているのか分からないと思うので説明して…
近頃は毎日のように熊のニュースを見かけます。 私のような機械工学畑の人間はどうにもこの辺りの自然・環境・動物・生態などの学問に疎いところがありますので、具体的なところが分かりません。 そういう時は専門家の見解を学ぶことにしています。 今回は機…
一度整理しておきたかった話題として、台湾海峡の軍事的緊張をベースに、安全保障に関する考え方の違いをまとめてみます。 安全保障論の二大思想 安全保障に関する理論は大きく二つの思想に分けることができます。 一つはリアリズムで、もう一つはリベラリズ…