言論・メディア
議論はとても難しい。 議論が成立するための条件 民主的な集団において意思決定を行う際には話し合いが不可欠です。 ただ、一口に話し合いと言っても様々な形態があります。例えばコミュニケーションを取ることを目的とする会話、それぞれの主張や価値観を共…
これと、 これの、 複合的な話。 説明責任の範囲 accountability(説明責任・答責性)は健全な社会集団の持続にとって必要不可欠な要素です。個人や組織は自らの行動や決定に対して関係者に説明する義務を持っています。 この義務が順守されなければ個人や組織…
「言葉の暴力」は今や人口に膾炙した表現となっていますが、当然ながらそれに対して「言葉は暴力ではなく身体的なものだけが暴力」だとする反対意見もあります。 日本語圏ではほとんど見かけないものの英語圏ではそのような見解を見かけることができます。英…
率直に言って、ここの所ニュースがつまらないです。 私は基本的に国際ニュースを中心に摂取するようにしていますが、近頃は情報を呑み込みにくくあります。 知的怠惰 なんでつまらないかと言えば、アメリカ政府が次から次へとやらかした情報ばかりが国際ニュ…
万能のツールは存在せず、何事も程度問題。 Philosophical razor 哲学には剃刀(Razor)と呼ばれる用語があります。剃刀とは「現象に対するありそうもない説明を排除、すなわち削ぎ落すための原理や経験則」のことです。 哲学的剃刀の中では【オッカムの剃刀】…
手癖で社会的な記事を書きそうになったので、ちょっと下書きに保存しておきましょう。連休中は基本マッタリ適当な記事でお茶を濁すようにしたいと思っています。 そんなわけで、最近のニュースに関して思う所を少しばかり開陳してみましょう。 ゴシップはど…
認知バイアスや詭弁などについては時々言及してきましたが、今回はメディアバイアスについて語ってみましょう。 偏向の善悪と対策 ジャーナリズムは中立公正・真実と正確さを重要な倫理規範としています。 しかしそれでも人が情報を取り扱っている以上、必然…
どちらの言い分も分かるようになった世代の戯言。 言葉が変化することへの是非 言語学者が語るまでもなく誰もが体感的に知っていることとして、言葉は変化していきます。それは言語自体が持つ動的な特性を理由とするものもあれば、外部環境によるものもあり…
ポジショントークと中道的視座を見分けることは難しいものの。 方法論の類似性 中道の視点で物事を捉えるためには必然的に両極端の見解を天秤へ載せる必要があります。 特に中道的思考で分かりやすいパターンとしては、「世間ではこのような見解が多い」が「…
先日投稿した記事、『問題を考える人』と『解決方法を考える人』は昨今の情報社会についての私的な見解を一般化したものとなります。 今回はもう少し率直に、昨今の言論空間に対して苦言を述べていきます。 問題を騒ぎ立てることの無意味 個人であれば問題と…
社会が大人に厳しいのは仕方がない。 誹謗中傷は犯罪 インターネット上では毎日どこかしらで誹謗中傷が飛び交っています。 誹謗中傷の加害者として訴えられた人の多くは「正当な批判・論評だと思った」と言い訳するそうですが、「根拠を持って」「非攻撃的に…
当ブログでは類似テーマの記事を時々投稿しています。 これは何も毎日投稿するネタが切れたとか書いたことを忘れたとかではなく、いや書いた内容を忘れることは時々ありますがそれはさておき、どうすれば伝わりやすくなるかを模索しているためです。 自らの…
詭弁VS詭弁。 私は安全工学的観点から「ヒューマンエラーを起こさない人間なんて存在しない」と考えています。どれだけ賢い人間であっても常に正しいことをできるわけではなく、時には誤ったことを述べてしまったり間違えた選択をしてしまうものです。 よっ…
見ない選択。 怒りの増幅器 SNSを筆頭に、何かしらへ日々怒っている人をどこでも見かけます。 これは別にSNSに限定した話ではなく、飲食店やコンビニなどでも見かけることがあるように、どこにでもそういった人は居るものです。 SNSでの怒りが目立つのは単純…
昨日の記事の続きです。 昨日は主にメディアについての言説でしたが、今回は大衆側について述べていきます。 思考と実行の差 私を含めて、ある種の人は情報を入手するとその情報に対して解釈や私見を付け加えたくなるものです。何事についても一家言あるタイ…
なんだかネットの政治クラスタが兵庫県知事選の話題でいっぱいになっています。 とはいえ過去にも沖縄県知事選の際に述べたように、私は地方自治体の選挙に関して口を挟む気は一切ありません。地方自治体のことはそこに住む人々が決めることであり、私のよう…
最近、国内のニュースメディアをあまり見ていません。海外の大手ニュースメディアばかり見ています。 これはなにも深い理由がある訳ではなく、単純に今は国際情勢が荒れていて注視する価値があると思っており、そしてローカルニュースメディアは国際情勢の収…
私はインターネットに関しては若者の言に概ね従う派です。 私も一応は子どもの頃からネット環境のあった世代ですのでそこそこ慣れてはいるつもりですが、この手の変化著しい分野に関しては若者の知見には到底敵いません。 例を挙げると、以前ある若者に言わ…
古くは対面や匿名掲示板、現代ではSNSで繰り広げられている口論・レスバトルは非生産的な行為であるとの認識は世間一般的なものかと思われます。 しかしそれでも日々様々な場所でバトルが繰り広げられている、その欲求の意味と原動力は奈辺にあるのでしょう…
「何を言ったか」が一番重要ではあるものの「誰が言ったか」「どう言ったか」も留意はしないといけない、とした考えを私は度々述べてきました。 それに関連して先ほど思い付いた小話をします。 子どもが「大好きなのはヒマワリの種」と言うのと、おじさんが…
世の中には「理想の為ならば犠牲は致し方ない」と考える方がいらっしゃいます。 厭味ったらしい話をしてみますが、そういった人は五族協和や大東亜共栄圏のことはどう思っているのでしょう?あれも民族の協調や国家間の助け合いなどなどお題目として言ってい…
直球で否定する人を否定したいわけではないことを上手く言葉で表現するのは難しい。 個人的に、理解が難しい心理の上位ランカー 世の中には他者が好むものをストレートに否定する人がいます。 もちろん人それぞれ嫌いなものはあります、それは当たり前のこと…
八方美人を推奨するわけではないけども。 実はアドラーはちゃんと読んでない おそらく10年くらい前にベストセラーとなった本の影響か、今でもよくネット上で見かける「嫌われる勇気」について。 この本は読んでいないので具体的な内容はよく分かっていません…
信念と理念はどちらも「あるべき姿を希求する考え」を示す似た言葉ですが、少しニュアンスが違います。 信念とは「正しいと信じる自分の考え」であり、理念とは「こうあるべきだという根本の考え」です。 言い換えれば、信念とは自らの心に基づいた感情的な…
よく行くお店の店長さんがそこそこに陰謀論を好む質だったのですが、コロナ禍でのワクチンをきっかけに年々深みにハマりつつあるのか近頃はかなりメジャーなところに触れつつあります。 先日も、東日本大震災や能登半島地震はアメリカの人工地震で日本への脅…
世の中には明文・不文律問わず、様々なルールや決まり事があります。 ルールや決まり事は時に個々人の行動を制約する好ましくない存在となりますが、その不都合を堪えて守ることが共同体に安定をもたらし、そこに所属する人々の幸福に資することへ繋がります…
我は官軍我が敵は 天地容れざる朝敵ぞ 敵の大將たるものは 古今無雙の英雄で 之に従う兵は 共に剽悍決死の士 鬼神に恥ぬ勇あるも 天の許さぬ叛逆を 起しゝ者は昔より 榮えし例有らざるぞ 軍歌「抜刀隊」 唐突ではありますが、この歌詞はとても好きです。 ど…
当ブログで度々取り上げてきた、「何を言ったか」「どう言ったか」「誰が言ったか」問題。 ◆「何を言ったか」のためにも「誰が言ったか」「どう言ったか」は重要 ◆匿名の言葉をどこまで信用できるかには議論の余地がある ◆トーン・ポリシングに対する疑義と…
誤った情報が声高に叫ばれて拡散されると、デマ情報の削除や発信源の凍結、すなわち検閲を求める他方の声も大きくなります。 ここで言う検閲とは狭義の公権力によるものではなく広義のCensorshipとしての検閲です。 その気持ちは分かります。 私もSNSなどで…
『ウォーターハンマー』という現象があります。 なにやらゲームや漫画の必殺技みたいな名前ですが、ただの物理現象です。流体の圧力が何かしらの原因によって変化した際に、生じた圧力差によって流体の流れが変わって勢いよく管の壁などにぶつかる現象をウォ…