言論・メディア
「日本社会でも分断が進んでいる」 或いは 「日本社会は分断の瀬戸際に立っている」 そんな煽り文句を時々見かけます。 今一つ実感がわかない話です。 アメリカのような二大政党的な対立が社会問題化しているわけでもなく、ヨーロッパのような過去からの階級…
政治的な中立を否定するロジックの分析。 中立の否定 ネット上の議論を眺めていると、「中立」の立場そのものを敵視する人を見かけることがあります。中立的な意見に対する反論ではなく、中立を名乗ること自体を「隠れた党派性や偏見」や「議論からの逃げ」…
ネットのコメントで、ある政治家を「サッチャーというよりヒトラーに近い」と評しているものを見かけました。 類似の根拠として挙げられていたのは、以下の四点です。 ①圧倒的な支持を背景とした強権的な政治運営 ②大規模な財政出動 ③軍備増強を含む安全保障…
無知や浅慮は免罪符とはならぬが、裁きは慎むべし。 論理的整合性と藁人形論法 個人的に、ついやってしまいそうになるので気を付けている言い回しがあります。 それは、 「○○○は□□□すべきだ」 とした意見に対して、 「それは△△△すべきという意味か?」 と極…
少しばかり辛辣ですが、けっこう本気で分かっていないので気になっています。 裏を取りに行かないの? 多様な意見を収集するため、とにかく手当たり次第に様々な見識や意見を仕入れる習性を私は持っています。 まあ、一種の趣味です。 そんな感じでSNSやニュ…
「自由でありたい」 「ありのままの自分でありたい」 このような言説はよく耳にするかと思います。 SNS、自己啓発、或いはビジネスのキャリア論などでもこうした表現は美しいスローガンとして扱われています。 ただ、この種の言説には「自由」ではなく「力」…
合理的な理由から「代案無き批判は許容される場合がある」と結論した先日の記事に対して、今度は道徳・倫理の観点から批判の是非を考察してみます。 批判の形式 テレビやSNS、職場や家庭など、大小問わず社会には様々な批判が溢れており、私たちは日々誰かが…
時々問題提起されている「代案無き批判は許容されるのか」について。 個人的な見解として、批判はそれが行われるシチュエーションによって許容度が変わると思っています。 批判の種類 一口で批判と言っても、実際には様々な種類があります。美術的な批判や論…
倫理的な報道に関する考察。 ジャーナリズム倫理の基本と逸脱 従来のジャーナリズム倫理は、主に以下の要素、真実性、正確性、事実に基づくコミュニケーション、独立性、客観性、公平性、公正性、他者への敬意、そして公共への説明責任を重視してきました。 …
都度バイアスチェックをしなければいけないのは面倒くさいので、なるべくメディアバイアスを避けたニュース配信を期待したい。 という我儘。 ニュースにはバイアスがいっぱい ニュースは基本的に中立的な視点が望ましいとされていますが、人間が配信する以上…
先日見かけた、とある意見。 「歳を取るとバランス重視で角が立ちにくい意見ばかり言ってしまう」 何か問題でもあるのでしょうか? バランス重視で角が立たない。 それこそ成熟の証であり、成長の成果ではないでしょうか。 本質的な価値 「極端で尖っていた…
陰謀も、陰謀論も、事実からではなく「人の頭の中」から生まれる。 陰謀論とフェイクニュース 陰謀論とフェイクニュースは強い相関があると考えられているため、セットで語られることの多い概念です。 実際、「不確かで、曖昧で、誤った、事実と異なる情報を…
私はこのブログにおいて、できる範囲で両論併記した上で、比較的明確に自らの意思表示や意見表明をしていると思っています。 ただ、その目的は教化や啓蒙ではなく、ましてや誰かの意見を否定するためではありません。むしろ異なる意見を持つ人による反論や異…
ニュースアグリゲーターを通してニュースを広く見ているからバランスが良い、わけではないことに関する注意。 ニュースアグリゲーター エコーチェンバー・フィルターバブル・情報カスケードなどの危険が喧伝される昨今において、それらを避けるためには情報…
他山の石。 ニューヨーク市長選で着目したい点 ニューヨーク市長選におけるゾーラン・マムダニ氏の勝利は世界的なニュースとなりました。 ニュースやネットでは様々な切り口で彼の特色が語られていますが、彼が共産主義的な民主社会主義者であること、そして…
道徳はある意味で公理であり、これが異なると議論は成り立ちません。 少し辛辣な話をしましょう。 道徳の目的 大仰な話となりますが、道徳の目的とは「他者と共に、よりよく生きる」ことです。 ”他者と共に”であることが重要なポイントと言えます。 道徳の基…
昔このブログで疑問を呈した後、少し考えて腑に落ちたことを報告し忘れていたので報告します。 特に深い意味はない、数年越しの自分に対するアンサーです。 認知バイアスが原因 「テレビはなぜ保守からも革新からも偏っていると批判されるのだろう」と、以前…
人は知性を重んじる動物であり、知性を褒められることが嬉しい。 政治論争は差別の温床 自民党の総裁選が終わりましたが、うちではそんなに話題にはしません。 「うちはうち、よそはよそ」です、なんてオカンのようなことを言ってみます。 ホットなトピック…
雑なファクトチェックは宜しくありません。 事実を基に ファクトチェックとは読んで字のごとく、事実(ファクト)を確認(チェック)することです。 よってファクトチェックで主に用いられるのは事実に基づくデータでなければなりません。一部の例外を除いて、証…
SNSでは時々次のような言説をみかけることがあります。 「これは批判ではなく個人の感想です」 「感想を述べることも許されないのか」 これらに対する反対言論をあまり見かけたことがないので、私の見解をまとめてみましょう。 少し厳しめな視点です。 言論…
偽りのバランス/両論併記主義と呼ばれるメディアバイアスがあります。 これは、対立する意見のある問題でそれぞれの実際の証拠とは釣り合いが取れていない意見を対等であるかのように並べることで誤認を招く認知バイアスです。気候変動において根拠薄弱な温…
他者の意見や認識が「正しい/間違っている」ことと、その人が「賢い/愚か」「理性的/非理性的」かどうかは混同すべきではありません。 一言で言えば 前者は論理の妥当性や事実との整合性に関する評価であり、後者は人格評価で、それらはまったく別の話だから…
久しぶりに「権力の監視」のワードをSNSで見かけたので、以前よりも少しストレートに批判してみます。 マスメディアは監視される側 権力の監視はマスメディアの「使命」や「目的」だとする言説を時々見かけます。 しかしマスメディアは第四の権力(Fourth Est…
古代ギリシャにあったアテナイのアゴラでは公開性と参加性の高い民会(エクレシア)が定期的に開催されていました。市民であれば自由に参加することができる民主的な話し合い・議論の場です。 現代のSNSも誰もが発言できる「民主的」な場のはずですが、実際に…
批判も表現の自由。 ならばゾーニングなどが必要では? まあ、ただの思い付きです。 【不快な表現の規制】VS【表現の自由】 ネット上では「表現の自由」関連で不定期に炎上している様を観測することができます。ちゃんと探せばきっと毎日どこかしらで燃えて…
昨今世間を騒がせがちな誤情報や偽情報、所謂フェイクニュースについて当ブログでも度々述べてきましたが、また少し情報をまとめてみましょう。 情報整理 誤情報とは誤解を招く意図の有無に関わらず拡散される虚偽や誤った情報であり、偽情報とは世論に影響…
議論はとても難しい。 議論が成立するための条件 民主的な集団において意思決定を行う際には話し合いが不可欠です。 ただ、一口に話し合いと言っても様々な形態があります。例えばコミュニケーションを取ることを目的とする会話、それぞれの主張や価値観を共…
これと、 これの、 複合的な話。 説明責任の範囲 accountability(説明責任・答責性)は健全な社会集団の持続にとって必要不可欠な要素です。個人や組織は自らの行動や決定に対して関係者に説明する義務を持っています。 この義務が順守されなければ個人や組織…
「言葉の暴力」は今や人口に膾炙した表現となっていますが、当然ながらそれに対して「言葉は暴力ではなく身体的なものだけが暴力」だとする反対意見もあります。 日本語圏ではほとんど見かけないものの英語圏ではそのような見解を見かけることができます。英…
率直に言って、ここの所ニュースがつまらないです。 私は基本的に国際ニュースを中心に摂取するようにしていますが、近頃は情報を呑み込みにくくあります。 知的怠惰 なんでつまらないかと言えば、アメリカ政府が次から次へとやらかした情報ばかりが国際ニュ…