率直に言って、ここの所ニュースがつまらないです。
私は基本的に国際ニュースを中心に摂取するようにしていますが、近頃は情報を呑み込みにくくあります。
知的怠惰
なんでつまらないかと言えば、アメリカ政府が次から次へとやらかした情報ばかりが国際ニュースとして流れてきて辟易しているためであり、まあ概ねアメリカ政府が諸悪の根源ではあるのですが、それをただ垂れ流すだけのジャーナリズムにも不満があります。
ただ情報を垂れ流すだけであれば政府広報の映像でも流していればよく、ジャーナリズム側にはもっとやれることがあるはずです。
やらかした政治権力を批判することは健全な民主主義に不可欠です。その点で政府が何をやったかを逐一国民に周知させることには一定の意味があります。
ただ、そういったゴシップ的報道は社会の木鐸を自称する類のジャーナリズムの仕事ではありません。それはイエロージャーナリズムやタブロイド紙にでも任せておけばよく、より高尚なジャーナリズムは批判を行うべきです。
批判とは、ただ誤りを指摘するだけでなく、ただ間違いを論うだけでもなく、建設的な提案があって初めて批判となります。建設的な提案がないものは批難に過ぎず、それは素人でも可能です。SNSではないのですから情報のプロとして適切な論理と妥当な提案を内包した報道をしてもらいたいと期待しています。
さらに言えば、まだアメリカ国内のジャーナリストは震源地であるため発表報道に堕していても仕方がないとは思います。しかし少なくとも他国のジャーナリスト、それこそ日本のジャーナリストはアメリカの速報をただ垂れ流すのではなく、調査に基づいた分析と日本や世界への提言を練って欲しいと考えます。
率直に言って、コロコロ変わる他国の政府発言をいちいち速報で流す必要すらありません。その速報は日本人の多くにとってニュースバリューが無く、無意味どころか邪魔な情報ですらあります。せいぜい満たせるのは大衆の下品な好奇心だけであり、真っ当なジャーナリズムが迎合していいものではありません。
楽なのは分かります。なにせ放っておいてもアメリカを眺めているだけで毎日ニュースが生み出されるのですから。ただ、それは率直に言えば知的怠惰であり、それを続けるようではジャーナリズムは死んでしまいます。
ジャーナリズムはアメリカ政府と一緒に死ぬ必要は無いはずです。いえ、むしろ政治権力が適切に機能していない時こそ第四の権力が仕事をすべき時だと言えます。
結言
要するに、ただニュースがつまらないことに不満があると言うよりは、ジャーナリズムに期待している機能が発揮されていないことに不満があります。
インターネットの発展に伴い人々からの信頼を失いつつあったメインストリームメディアは、今こそ積極的に働き建設的な提案を世界へ示すことで大衆の信用を取り戻してもらいたいものです。これほどジャーナリズムの価値を世界へ示すチャンスはそうそう無いのですから。