忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

政治・経済

身近な政治の事例から考える、政治に必要な認識

先日のタクシーでの出来事。 運転手さん「到着しました、1200円です」 私「あ・・・運転手さん、すみませんが細かいのが無くて、1万円なんですけど、これでいけますか?」 「あー、いやー、申し訳ないことに今お釣りで出せるのが2000円しかなくてですね、ほら、…

たとえ不快であっても、政治には関与せねばならぬ

歴史上、数多の賢者が様々な表現で述べてきているように、この世界には変えることができるものと変えることができないものがあります。変えることができないものは鷹揚に受け入れて、変えることができるものを勇気を持って変えていくことが肝要であるとする…

先端の人権概念でも衝突することはあるんだなと:男女平等とジェンダーフリー

ブログやYoutubeなどでアクセス数を考慮するのであればホットな話題を取り扱ったほうがいいですが、ホットな話題は美味しい反面、下手に触れるとやけどをするので、個人的には少し時間が経って冷めてから食べるほうが好みです。 私は猫舌なので。 そんなわけ…

権威主義国家の動機を推論しても意味が無い

中国の経済に怪しい噂が増えつつある昨今、台湾有事や中国国内の経済問題を代表として、首脳部の考えや意向を推論するようなニュース記事が増えてきていると感じます。「このように考えているだろう」「こう思っているはずだ」そういった類のものです。 個人…

インボイス制度の導入に合わせて生活必需品の税率を下げておけば抵抗感が減ったのでは?

門外漢の戯言です。 論争でちょっと気になった点 いよいよ10月からインボイス制度が始まりますが、概ね落ち着いてきたものの今なお賛否の論争は続いていると感じます。 私は税と向き合う生き方・仕事をしていないためそこまで真剣に論争をフォローしていたわ…

主義主張としての中道

当ブログで度々述べてきていますが、私は極端よりも中道を好みます。世間における一部の人は中道の姿勢を好まないことがあることを知りつつも、意図的かつ積極的に中道を目指している次第です。 今回は中道の姿勢がどのようなものか、個人的な中道の取り扱い…

政治不信をあまり感じないことに対する自己分析

政治クラスタでは政治不信や政治家不信をよく見かけます。 もちろん古今東西で政治に不信は付き物ですので、不信があること自体は自然なことです。 ただ、正直なところ私はそこまで不信を感じていません。 これは何故か、自己分析を交えつつ考えてみます。 …

人々が愚かであることを受け入れなければ民主主義は成り立たない

人には「他人が馬鹿に見える」時があると思います。 それは疲労などによって自身の想像力が衰えていたり、他者の愚かな一側面しか見えていない場合であったりすることが多いものです。 想像力というものは何らかの要因によって一時的にせよ恒久的にせよ衰え…

経済関係の深化は戦争を完全に防げるわけではないことを日本人は知っているはず

Capitalist Peace(資本主義者の平和・商業的平和論)に該当する言説をSNSなどで不定期に見かけます。 最近であれば台湾有事が生じる可能性について、「経済的に不合理であり中国が武力侵攻に至る可能性はない」といった類のものです。 経済関係の深化と依存は…

愛国心は弱者のためのもの:左派が新たな愛国心を提示することの意味

マイケル・サンデル教授へのインタビューが少し話題になっています。記事の前編では『愛国心』がテーマです。 ──左派は、愛国心について語るのを恐れているのでしょうか?その通りです。彼らは、愛国心という言葉にアレルギーのような反応を示します。愛国主…

政治家への不信が政治家の質を下げている可能性

日本では政治家が信用されていません。 それは体感的にも多くの人が感じているでしょうし、社会学者による国際社会調査プログラム(ISSP)においても日本人は明確に政治家への不信を示す結果が出ています。多くの先進国では20~50%程度の人が政治家を信頼して…

「政治家」と「活動家」の違い

常々疑問に思っていること。 現実社会やインターネット上で見かける『対立した論争の場』において、対立意見を迎えに行こうとしない人が少なからずいるのは何故なのでしょう? 目的はどこに? 論争の場において、合意や発展的な解決を必ずしも求めない人が一…

政治の話が忌避されず、もっと活発になるための検討

政治を話題にすることは多くの場合で忌避されがちなものです。家族や友人など身近な人に限らず、親しくない人と話をする際やSNS上で話題とすることも忌避される場合があります。 政治の話題はある種のタブーだからこそ、その忌避感自体がそもそも表沙汰に出…

説明に関する誤解と説明責任の適用範囲:民主主義の双方向性について

今回は説明責任に関する、少し辛辣で棘のある話。 説明責任の追及限度 さまざまな事例において、行政や政治家、経営者や団体への批判の論拠として用いられる言葉が「説明不足」です。 直近の事例であれば、防衛力を巡る首相の説明は共同通信の調査で「十分で…

『首相 アフリカへ5億ドル支援表明』に関する雑感:アフリカへのODAは、まあ、ばらまきです

日本政府が海外へ支援を行うことを宣言するたび、以下の記事のアクセス数が微妙に伸びます。 アクセス数云々はどうでもいいのですが、この記事のアクセス数が少し伸びた時は「あ、またどこかに海外支援をすることを政府が表明したのかな?」とアンテナ的な役…

上位1%が4割の富を保有していることの感覚的理解

格差を表す言葉として、一時期騒がれていて最近また聞くようになったものに「上位1%の人が世界の富の4割を保有している」があります。 今回はこの言葉を軸に、富の偏在に関してどのような感覚的理解を持つ必要があるか述べていきます。 (富の偏在に関する過…

私が考える民主主義の良いところ

確実に賛否両論割れるであろう会話の記録。 先日のやり取り ○相手「あんな変な議員が当選するなんて、国民は馬鹿ですよ」 ●私「まあ、変な人が当選したよね」 ○「もっとちゃんとした人が選ばれるような仕組みのほうがいいです」 ●「まあ、ちゃんとした人の定…

非武装論と自衛論のすれ違い:自衛論側の言い分

「ヒャッハー戦争だー!戦争最高!」と威勢の良い極めて一部の不思議な方々や、「世界なんて全部滅びてしまえばいい・・・」と世を儚む虚無主義者の方々のことはさておき、大抵の人は戦争を嫌います。 功利主義や博愛主義、その他さまざまな視点から見ても戦争…

なぜ立憲民主党は支持率が伸びないのか?と聞かれたので考えてみた

以前、立憲民主党を支持している方から「なぜ立憲は支持率が伸びないのか分からない」と聞かれたことがあります。その際はいくつかの例を用いて理由を説明してみました。納得いただけたかは分かりませんが、一定の理解はいただけたと思っています。 普段は特…

「バターよりも大砲」論と「ヒトラーに例える論証」

「バターよりも大砲」という言い回しがあります。 バターは民需品、大砲は軍需品を意味しており、元々は経済学において「大砲かバターか(Guns vs Butter)」、つまり軍需と民需のバランスを考えるためのモデルとして用いられている言葉です。 しかしながら、…

軍拡競争は軍事的緊張を高めるか否か

本記事では軍事と抑止力の話をします。リアリズム寄りの視点であり、非武装を望む方にはあまり好ましい言説とはならないのですが、ご承知いただけますと幸甚です。 リアリズム的視点 軍事に関する議論を見ていると「軍拡競争に対する軍事的緊張への認識」が…

日本は海外への”ばらまき”が足りていない

なんとなくセンセーショナルな響きの記事タイトル。 ODA評価における一側面の話。 数値的事実 日本のODAや海外投資がニュースになるとほぼ必ず見かける「ばらまき」という表現に関しては、過去の記事でも述べたように個人的にはあまり同意しかねます。 日本…

相対的貧困率は貧困を捕捉するには最適ではない

不定期ではあるもののニュースで頻繁に見かける「相対的貧困率」について、個人的な見解をつらつらと述べていきます。 特に目新しい情報はありません。 相対的貧困率とは 相対的貧困率の定義は以下です。 国民生活基礎調査における相対的貧困率は、一定基準…

アメリカチームから抜け出すことの意味

時々、「日本はアメリカの属国だ」という言説を見かけます。 今回は思考実験的に、少し極論をもって反対意見を構築してみます。 と言っても「日本はアメリカの属国ではない」とする反論ではなく、「アメリカの属国ポジションでもいいんじゃないか?」という…

台湾有事の可能性に関する余計な思索:政治ではなく経済的動機に関して

素人による余計な思索ですので、価値のある情報は特にありません。 台湾有事が話題になっておりますが 2023年1月、アメリカのシンクタンクであるCSIS(戦略国際問題研究所)が台湾有事に関するシミュレーションの報告書を出して以降、各種メディアや有識者によ…

入口を統制するのではなく、出口を観察する:社会主義と環境主義の親和性と誤解

「環境主義は社会主義の一つだ」と述べる言説が存在するほど、環境主義と社会主義は同時に語られることが多い概念です。 個人的にはさすがに極論だと思っていますが、社会主義と環境主義の親和性は確かに高くあります。それらはどちらもアンチ資本主義の形で…

民主主義と資本主義の関係、富は独占されているか

世の中が混乱した際に必ず話題となるのが民主主義や資本主義、すなわち自由主義に属する思想への懐疑論です。16~17世紀に自由主義が登場して以降、戦争や疫病のような混乱が生じた際は必ずと言っていいほど「人々の自由を抑制すべきだ」とする意見がメディ…

閣議決定について一部で誤解が蔓延っている気がする

昨年SNS上で頻繁に見かけた「閣議決定」という言葉。 どうにも少し捉え方が違う人が居るのではないかと思うため、閣議決定について語ってみます。 閣議決定の意味 閣議決定とは内閣の会議(閣議)で内閣の権限事項を決定することです。 主な閣議決定は首相官邸…

”憲法の解釈"に関する私見

今回は少し議論が難しいお題である「憲法」について、私見を述べていきます。 具体的には「憲法の解釈」に関してです。 憲法に対する私の考え方 最初に私の憲法に対する考え方を開示します。 まず、その実行力や擁護義務の範囲からして、憲法とは国家をどの…

汚職の本場アフリカの事例と、汚職の是非に関して

最近『論座』や『Books&Apps』でアフリカの汚職に関する話を見かけました。 汚職と経済低迷に苦しむ南アフリカの夜はいつ明ける - 花田吉隆|論座 - 朝日新聞社の言論サイト 日本のスタートアップがアフリカの犯罪者を追い詰めたら、汚職警官に銃で襲撃され…