忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

政治・経済

民主主義の強み/弱みは「話し合いが続くこと」

民主集中制・民主主義的中央集権主義・Democratic centralism。 呼び名は様々ですが、これは共産主義政党や社会主義国家の組織原理の一つであり、組織の下部構成員が上級機関や指導者の決定に無条件で従う行動規範のことを指します。 もう少し噛み砕いて言え…

主張では「どうしたいか」だけでなく「どうすべきか」も必要

先週の日曜日は引っ越す街を見極めるためにいくつかの駅を出てうろついたり不動産賃貸仲介業者に物件の紹介を受けたりなどをして過ごしました。 ケータイの充電が切れそうだったので夕方頃に住処の駅に帰ってきたところ、いつものように政治団体が演説をして…

人種と民族の違いから民族自決権の意味を考える

ふと思ったことをまとめていきます。 本日のテーマは『民族自決』です。 ・・・重いテーマだこと。 翻訳の難しい言葉 民族自決は存外に難しい、字面通りには捉え難い概念です。 そのまま読めば「各民族」が「自己決定」を行うことを是とする言葉なのですが、そ…

ロシアが恵んでくれる自由はどの程度か

昨日の記事の続き。 ヘヴィなテーマではありますが、権威主義国家の国民が得られる自由に関して語っていきましょう。 「自由」の測定 各国の自由を測定している団体や指標は様々ありますが、その中でも代表的な指標として国際NGO団体フリーダム・ハウスが毎…

憲法について議論をする前段階で必要な認識の擦り合わせ

社会的なテーマの中でも触れ難いものは多々あれど、その中でも憲法は特に語りにくいと感じます。 とはいえ憲法について誰もが口をつぐんで語れなくなるほうが問題だと思っているため、過去にもいくつかなるべく穏当なつもりで記事を書いてきました。 今回は…

中国の国防費に関するニュースを見ての雑感

二日続けて軍事の話をするのは恐縮なのですが、なんとなく語りにくい話題なので続けて書き切ってしまいましょう。 今回は毎年の恒例行事である中国の全人代、そこで発表された国防費について雑感を述べていきます。 ◆中国 ことしの国防費 日本円で34兆8000億…

結局のところ、軍産複合体と呼ばれる兵器産業の規模感はどのくらいか?

軍産複合体なるワードを近年あまり聞かなくなっていましたが、各地での戦争の影響か、またチョコチョコと見かけるようになりました。 軍産複合体の影響力は半世紀以上も前、アイゼンハワーの時代であれば実際的なものではありましたが、現代では大して意味の…

苦い意見であっても、聞く必要はある:ウクライナ戦争に関する専門家の見解に耳を傾ける

ロシアのウクライナ侵略が始まってから約2年。 おそらく世界中のほとんどの人がいち早い収束と停戦を願って止まないことと思います。 しかしながら、そのような停戦は適切ではないと警鐘を上げる専門家がいることにも留意が必要です。 もちろんそのような意…

アメリカの動きを理解するための、大統領と連邦議会に対する認識

別にトランプを擁護したいわけではないけども、ただ、彼を絶対悪だとして石を投げ続けているだけでは見誤ることがある、そういう話をします。 おそらく大して面白い話題ではありません。 過去から学ぶ 2024年米大統領選挙の話題では猫も杓子もトランプを批判…

労働生産性を上げるためには、高く売ればいいんじゃない、かな・・・?

もっとみんなで合理的かつ効率的に頑張れば生産性は高まる。 労働生産性の話となるとそんな物語が各所で語られていますが、どうしてそんな精神論や根性論を前面に押し出す人が多いのだろうと常々疑問に思っています。私とは違って経済に詳しい方々の提言です…

日本の野党がアメリカ大統領選挙から学ぶこと

政治の話題は党派性や事情の複雑さから重くなりがちですので普段はなるべく軽めのトピックを重くならないような語り口で語るよう心掛けているのですが、今回は少し重めのテーマをいつも以上に軽く話していきましょう。 理解と共感は別物 常日頃より各所から…

投票率が低いのは政治に興味が無いから。じゃあどうする?

投票に行かない人を強い言葉で非難するのはあまり好みではありません。 それよりも、ポジティブな対策をゆるーく考えましょう。 ヘヴィなテーマですが、今回は軽めに語っていきます。 問題には対策を取らなければならない(職業病) どこかで選挙がある度に投…

「敵・味方」の単純な世界観からの脱却

他国の政治動向を観察することは学者や専門家以外にとってあまり有意義なことではありませんが、まあ国際社会を理解する上ではそこまで無意味でもないかと思います。 そんなわけで・・・どんなわけかは分かりませんが、ちょっと気分転換がてらドイツ辺りに目を…

政治と党派性:一つの見解としての愚考

主義・主張などが特定の党派に偏っていることを党派性と言います。 "党"の字が入っているためなんとなく政治用語に思える言葉であり実際に政治に関する議論の場で多く用いられていますが、これは政治のみに限定される言葉ではありません。党派とは「考え方・…

国政における「生活第一」とは経済に他ならない

万人に同意される意見はありません。そんな、面白くない話をします。 批判を受け入れないことのリスク ここ数日、SNSで10年以上前の民主党政権時代の話題が活発に行われています。 私個人の感想としては「時代の良し悪しなんて人によって違う」です。為替一…

身近な政治の事例から考える、政治に必要な認識

先日のタクシーでの出来事。 運転手さん「到着しました、1200円です」 私「あ・・・運転手さん、すみませんが細かいのが無くて、1万円なんですけど、これでいけますか?」 「あー、いやー、申し訳ないことに今お釣りで出せるのが2000円しかなくてですね、ほら、…

たとえ不快であっても、政治には関与せねばならぬ

歴史上、数多の賢者が様々な表現で述べてきているように、この世界には変えることができるものと変えることができないものがあります。変えることができないものは鷹揚に受け入れて、変えることができるものを勇気を持って変えていくことが肝要であるとする…

先端の人権概念でも衝突することはあるんだなと:男女平等とジェンダーフリー

ブログやYoutubeなどでアクセス数を考慮するのであればホットな話題を取り扱ったほうがいいですが、ホットな話題は美味しい反面、下手に触れるとやけどをするので、個人的には少し時間が経って冷めてから食べるほうが好みです。 私は猫舌なので。 そんなわけ…

権威主義国家の動機を推論しても意味が無い

中国の経済に怪しい噂が増えつつある昨今、台湾有事や中国国内の経済問題を代表として、首脳部の考えや意向を推論するようなニュース記事が増えてきていると感じます。「このように考えているだろう」「こう思っているはずだ」そういった類のものです。 個人…

インボイス制度の導入に合わせて生活必需品の税率を下げておけば抵抗感が減ったのでは?

門外漢の戯言です。 論争でちょっと気になった点 いよいよ10月からインボイス制度が始まりますが、概ね落ち着いてきたものの今なお賛否の論争は続いていると感じます。 私は税と向き合う生き方・仕事をしていないためそこまで真剣に論争をフォローしていたわ…

主義主張としての中道

当ブログで度々述べてきていますが、私は極端よりも中道を好みます。世間における一部の人は中道の姿勢を好まないことがあることを知りつつも、意図的かつ積極的に中道を目指している次第です。 今回は中道の姿勢がどのようなものか、個人的な中道の取り扱い…

政治不信をあまり感じないことに対する自己分析

政治クラスタでは政治不信や政治家不信をよく見かけます。 もちろん古今東西で政治に不信は付き物ですので、不信があること自体は自然なことです。 ただ、正直なところ私はそこまで不信を感じていません。 これは何故か、自己分析を交えつつ考えてみます。 …

人々が愚かであることを受け入れなければ民主主義は成り立たない

人には「他人が馬鹿に見える」時があると思います。 それは疲労などによって自身の想像力が衰えていたり、他者の愚かな一側面しか見えていない場合であったりすることが多いものです。 想像力というものは何らかの要因によって一時的にせよ恒久的にせよ衰え…

経済関係の深化は戦争を完全に防げるわけではないことを日本人は知っているはず

Capitalist Peace(資本主義者の平和・商業的平和論)に該当する言説をSNSなどで不定期に見かけます。 最近であれば台湾有事が生じる可能性について、「経済的に不合理であり中国が武力侵攻に至る可能性はない」といった類のものです。 経済関係の深化と依存は…

愛国心は弱者のためのもの:左派が新たな愛国心を提示することの意味

マイケル・サンデル教授へのインタビューが少し話題になっています。記事の前編では『愛国心』がテーマです。 ──左派は、愛国心について語るのを恐れているのでしょうか?その通りです。彼らは、愛国心という言葉にアレルギーのような反応を示します。愛国主…

政治家への不信が政治家の質を下げている可能性

日本では政治家が信用されていません。 それは体感的にも多くの人が感じているでしょうし、社会学者による国際社会調査プログラム(ISSP)においても日本人は明確に政治家への不信を示す結果が出ています。多くの先進国では20~50%程度の人が政治家を信頼して…

「政治家」と「活動家」の違い

常々疑問に思っていること。 現実社会やインターネット上で見かける『対立した論争の場』において、対立意見を迎えに行こうとしない人が少なからずいるのは何故なのでしょう? 目的はどこに? 論争の場において、合意や発展的な解決を必ずしも求めない人が一…

政治の話が忌避されず、もっと活発になるための検討

政治を話題にすることは多くの場合で忌避されがちなものです。家族や友人など身近な人に限らず、親しくない人と話をする際やSNS上で話題とすることも忌避される場合があります。 政治の話題はある種のタブーだからこそ、その忌避感自体がそもそも表沙汰に出…

説明に関する誤解と説明責任の適用範囲:民主主義の双方向性について

今回は説明責任に関する、少し辛辣で棘のある話。 説明責任の追及限度 さまざまな事例において、行政や政治家、経営者や団体への批判の論拠として用いられる言葉が「説明不足」です。 直近の事例であれば、防衛力を巡る首相の説明は共同通信の調査で「十分で…

『首相 アフリカへ5億ドル支援表明』に関する雑感:アフリカへのODAは、まあ、ばらまきです

日本政府が海外へ支援を行うことを宣言するたび、以下の記事のアクセス数が微妙に伸びます。 アクセス数云々はどうでもいいのですが、この記事のアクセス数が少し伸びた時は「あ、またどこかに海外支援をすることを政府が表明したのかな?」とアンテナ的な役…