忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

技術屋の目線

自らの体感覚を絶対視しないこと

感覚ではなく数字を信じましょう。 空間識失調 空間識失調とは読んで字のごとく空間識を失調することです。とはいえ少しマニアックな言葉なので補足をしていきます。 "識"とは「知ること/考えること」であり、例えば意識であれば意を知ること、見識であれば…

技術屋は勉強しないとダメだ

私は「社会人に勉強が必要か」については人それぞれ異なるとした立場を取ってはいますが、技術職については勉強を推奨しています。 雇用契約上「能率的な職務遂行」が求められる人、医者や弁護士、エンジニアのような専門職や総合職の人々からすれば自主的な…

意外と面倒な用語「ヒートポンプ」

どうにもニュース等で用いられる際に混乱のある用語「ヒートポンプ」に関して、解説を試みます。 世界情勢 昨今、欧米ではヒートポンプ(heat pumps)が話題です。 欧米では主に化石燃料等を用いるボイラーが家屋の暖房を担ってきたのですが、近年はCO2排出量…

技術者にとって本社への転勤は栄転か否か

技術者にとって本社への転勤は栄転か否か。 それは人によって異なります。(万能な答え) 技術者のキャリアパス 機械エンジニアのキャリアパスについては説明が長くなるので綺麗に纏まった資料が無いものかと探してみたのですが、「エンジニア キャリアパス」…

技術伝承を軽んじる組織は必然的に滅びる

もはやただの愚痴。 先日の会話 私「来年度以降、私の業務は誰に引き継げばいいですか?」 上司「残念ながらまだ決まっていない」 私「まだ決まってないんですか。引き継ぐ時間はもうあまり無いのですが」 上司「たとえ決まっても向こうは向こうで引継ぎがあ…

エアコンの冷媒を入れ替えてはいけない

私はエアコン屋ではありません。 とはいえ熱力の技術屋ではありますので、HVAC&Rについてある程度理解していて、その知見からエアコンに関しても過去にいくつか業界の回し者的な記事を書いています。 ◆エアコンに関する小話『修理は難しい、悪徳業者、おすす…

主張において、エビデンスに対する意識がなぜ必要か

過去にも言及したことがあるように、個人の意見や感想にはエビデンスは不要です。個人の感性は人それぞれで定量化できないものですので、そもそもエビデンスの出しようもありません。 しかし文章でおぜぜを頂戴している人がメディアを通して見解を述べるので…

「仕方がない」は前向きな言葉だと思っている話

私の口癖は「仕方がない」です。 このブログには1000以上の記事を投稿してきましたが、その内の約130記事に「仕方がない」が入っている程度には口癖です。数えてみてちょっとびっくり。「仕方ない」などの表記揺れや類義語を含めればもっと使っていることで…

あまり「あってはならないこと」とは言わないほうが・・・

何か大きな問題や事件、災害や事故が起きた時、盛んに騒ぎ立てられるのが「あってはならないことが起きてしまった」といった言説です。 その気持ちはとてもよく分かります。 起こるべきでないことは世の中にたくさんありますし、それが起こってしまったこと…

理系の臭いが漂う文章

理系の臭いとは・・・? 過去の文章を読み返す機会 自分で書いた文章を読み返す機会が度々あります。 仕事においては過去に作成した報告書や教育資料を読み返して再利用・転用することがありますので自らの稚拙な過去の文章と度々向き合うこととなりますし、当…

人の温もりを感じる時

ふと、職場のデスクから左に位置する窓の外を見る。白く塗装された隣の建屋の壁面は日光による発色を失い、こちらの建屋の蛍光灯に淡く照らされた部分だけが薄墨に再塗色されている。 外を眺めていても仕方がないので、右へ振り返る。首を曲げるだけでは足り…

食品を個装することの意味

意味があるからやっているのだ。 若手との雑談 私「アメリカ出張お疲れ、部署へのお土産ご馳走様です」 若手「はい」 私「ちなみに、お菓子はありがたいんけどさ、部員へのお土産は個装されたお菓子のほうが配りやすくていいんじゃない?」 若手「それが探し…

標準偏差によるばらつきの分析と工程能力指数

昨今の品質不正問題を見るに、個別の事例における真因ではないものの品質管理の初歩的な知見が適切に教育されていないのではないかと疑うような事例が多々見受けられます。 特に多いのが、その場での試験に合格すればよいとした、量産でのばらつきを考慮して…

技術を社会に実装する際の地域性

HVAC&Rに携わる一日本人技術屋の独り言。 業界動向 空調冷熱システムには様々な方式がありますが、主流は蒸気圧縮冷凍サイクルを用いています。蒸気圧縮冷凍サイクルとは冷媒を循環させて熱を移動する、シンプルながら効率的なサイクルです。 家庭にある冷蔵…

品質不正と制度に関して:制度やルールは破るのではなく交渉して調整する

あまり人様の記事を直接批判的に取り上げるのは好みではない・・・と言い訳しつつも時々そんな記事を書いているのでなんともアレではありますが。 今回も、ふと見かけた記事に絡めて見解を述べていきます。 品質と性能の混同 話題とする記事は以下です。 ダイハ…

メンテナンスに掛かるコストはムダ金ではなくサブスクなのだ

同期が入院した。 ・・・と書き出すとなんだか重苦しい雰囲気になるような感じではありますが、まあ大したことではないです。下半身の手術のためにちょっと入院しただけで、急な事態や事故などではありません。予定した通りに入院して予定した通りに加療が行わ…

「品質が悪い」とは文字通り「質(たち)が悪い」

何回目かは忘れましたが、また「品質」の話をしましょう。 「質(たち)が悪い」という日本語があります。悪質であったり性格が悪かったりと、物事の性質が良くないことを指す言葉です。 私たちが日常的に使いつつも正しい意味を理解することは存外に難しい「…

ダイハツさんの品質不正に関して別業界の技術屋が思うところ

わーお、今度はダイハツさんの品質不正! まーた「日本の製造業がー!」と謎の連帯責任的批判が各所で吹き上がるかと思うと製造業の人間としては気が重いですね! 一緒にしないで欲しい。切に。 設計と品質が負うべき異なる責任 そんなわけで八つ当たり的に…

問題を解決するための現実的な順序

私たちの日常では仕事や世の中などで何らかの問題が日々生じます。 そのような時には問題解決のフレームワークとして「問題を明確化」し「原因を追究」して「解決策を立案」することが教科書的なやり方です。 ただ、世の中教科書通りに物事を進められるので…

日々のちょっとした成長を大切に

私の仕事の話ですが、海外の顧客からテストレポートが届いて技術者としてのコメントを求められることがあります。テストをした結果から「上手くいっていないから改善策を提案してほしい」だとか「もっと良い方法はないか」とか、まあそういった類のものです…

マクロな視点の"分析"と"利用"の違い

私はマクロの視点で現状を分析することと、それをミクロに利用することは別だと思っています。 マクロな分析の功罪 人種や性別など人々の属性や性質で層別してマクロな視点で現状分析すること自体を忌避する方もいらっしゃいます。 例えば「統計的に男性(女…

「私の言語の限界が、私の世界の限界を意味する」は全くもって事実だと思う

難しい話ができないことを難しく話す。 語彙と思考力の関連性 何かを考える時でも英語で思考する条件付けをする程度にここしばらく本当に英語漬けのため、驚くほどに日々の思考力が低下しています。何か少し難しげなテーマを考える余裕も無く、そもそも私の…

巨人の肩の上に立つときは謙虚な気持ちが必要

技術職をやっていると他者から「頭が良い」と評価されることが時々あります。 その認識ははっきり言って誤りです。知性とは単純な良い悪いの物差しで測定できるものではなく、「技術職だから頭が良い」と考えるのは大きな誤解です。 今回は学問的な知性の分…

会社は学校ではないが、親や学校を代替しなければならない時代

時代によって変わるもの。 「お勉強ができる」ことを求める 技術屋の世界では新人に大きな設計案件をいきなり任せるような事例は少なく、まずは基礎的な勉強や評価試験のやり方から教育を行います。 もちろん新人からすればひたすら勉強や評価試験をすること…

技術者の早期育成には限度がある:作業者が欲しいのか、技術者が欲しいのか

昨今は様々な業界で人手不足が叫ばれていますが、弊社も例に洩れず日本の人口動態影響を受けて人手が足りていません。特に専門職の確保には苦戦しています。 そんな中、上層部が技術職に対して度々発令するのが『技術者の早期育成』とした方針です。若者を重…

自社商品の強みを技術屋に聞いてこないでほしい

聞く相手を間違えているので。 自社商品の強みを一番知っているのは誰? 「うちのこの製品の強みはなに?」 「うちの製品は競合他社と比較して何が優れている?」 このような商品の売り・強み・ストロングポイントに関する問い合わせが営業部門から技術屋の…

変革を推進する側が示すべき責任感と与えるべき安心感

物事を変える時は、それがどれだけ合理的で効率的であっても反対されるものです。よって変革をスムーズに進めるためには反対勢力への理解、すなわち変化を起こしたい側からの配慮が必要になります。 現実に対する責任感 様々ある業界の中でも私のいる製造業…

MPaオーダーの圧縮空気はホントに危険だから注意してほしい

エアコンプレッサーの圧縮空気をいたずらで吹き付けて他者を殺傷する事故のニュースを時々見かけます。日本でも稀に起きていますし、胸糞の悪い嫌な話ですが「Air compressor kill」でニュースを検索すれば、人のお尻にいたずらで圧縮空気を流して殺傷してし…

手に入れたものではなく、手に入れる能力が将来への自信となる

昨今は毎日のように「AIによって減る仕事」といったニュースが流れてきます。 もちろん日に日に発展しているAIに各種の危機感を持つ人がいることは自然です。産業革命における機械化やパーソナルコンピュータの発展時にも恐らく同様の論調は存在していたでし…

技術屋として生きていくためには勉強が必須だと思っているが

いつものようにネットの情報を漁っていたところ、次のようなニュアンスのコメントを見かけました。 「自主的に勉強しなくたってエンジニアを続けていくことはできる」 前後の流れから、このエンジニアはITエンジニアを指しています。 これは機械の技術屋から…