忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

生き物がいっぱい

 まるで豹変するが如く予測もつかぬほど変化の早い現代社会。捕らぬ狸の皮算用、穴の狢を値段するとはいえ、時には猫を被り、時に狸寝入りをし、猫も杓子も南船北馬の虎視眈々、隙あらば生き馬の目を抜く時代でございます。

 このような時代では孤高にて糊口をしのぐも難儀なもの。なに、牛は牛連れ馬は馬連れ、蛇の道は蛇、まずは狐につままれたとでも思って、同じ穴の狢を探して猫の手の一つも借りるが良いでしょう。

 

 とはいえどこの馬の骨とも知れぬ輩と組んだとて所詮は烏合の衆、如何ほど立派に見えたとて、麒麟も老いては駑馬に劣り、猿の尻を笑い他者の尻馬に乗るだけが能の輩ばかりでございます。虎の威を借る狐にすら劣り、ただちに馬脚を現す始末となること疑いなし。それではまだ野次馬のほうがマシでございましょう。

 そういった輩に物事を説いたとて、牛に経文、犬に論語、豚に念仏の猫に小判でございます。牛に対して琴を弾ずることもありますまい。蝸牛角上の争いに満足するものは捨て置き、馬に乗るまでは牛に乗るよう、犬馬の労を厭わず、掃き溜めにて鶴を探すが良いかと存じます。

 二兎を追うものは一兎も得ずと申すように、焦ることはございません。燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや。吠える犬は噛み付かず、能ある鷹は爪を隠すものでもございます。鳶が鷹を生むこともございましょう。飼い犬に手を噛まれることもございましょうが、角を矯めて牛を殺すこともありますまい。竹馬の友をゆるりと探し、馬が合えば儲けもの。なにより犬猿の仲では面白くございませぬ。

 もちろん虎の尾を踏まぬようお気をつけて。鹿を追う者は山を見ずとも申します故。藪をつついて蛇を出すことはございません。されども虎穴に入らずんば虎子を得ず、時には飛ぶ鳥を落とす勢いをもって一気呵成、窮鼠猫を噛むが如きで挑めば活路あり、窮鳥懐に入れば漁師も殺さずとなることでございましょう。

 

 なに、何事も塞翁が馬、時に瓢箪から駒が出ることもあるのが世の常でございます。いえ、このような戯言、猿に木登りでございました。立つ鳥跡を濁さず、蛇に睨まれた蛙となる前に退散させていただきます。