忘れん坊の外部記憶域

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日本の食品廃棄は多いのか?~食品廃棄指標報告2021を見る

 食品廃棄によるフードロスは最近大きく騒がれなくなりましたが、SDGsのターゲットにも入っていることからまた俄かに注目を集め始めています。

 国連環境計画(UNEP)の食品廃棄指標報告を見てみましょう。

https://www.unep.org/resources/report/unep-food-waste-index-report-2021

所得と平均食品廃棄物量の関係

まずは所得と平均食品廃棄物量に関連性があるかどうかのデータです。

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 データ不足な箇所が多く厳密には言えませんが、

  • 家庭からの食品廃棄が最も多い
  • 家庭からの食品廃棄物量には所得による差は無い

ということは言えそうです。

 但し注意が必要な点として、所得が低い国では食品の保管技術が未熟だということです。冷蔵庫が無かったり適切な環境に保管できないため、先進国のように「食べずに捨てる」のではなく「食べられなくなって捨てる」ことが多くなります。農業技術やコールドチェーンも未発達であり、生産・流通・家庭のあらゆる場面でフードロスが起こってしまっていることから、先進国と開発途上国では取るべき対策が異なることを留意しなければいけません。

主要国の1人当たり食品廃棄物量

 次にデータベースから、主要国の1人当たり食品廃棄物量を表にしてみました。

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 コンビニでの弁当廃棄のニュースを見て日本人は贅沢だという印象を持っていましたが、比較してみると日本は結構優等生ではないでしょうか。まだまだモッタイナイ精神は息づいていそうです。

 

 それぞれの項目で見てみましょう。

 家庭でのフードロスはオーストラリアとフランスが多くなっています。どちらの国も両親が共働きである比率が高く食品を大量に買い置く習慣があることが理由とされています。また食料自給率が高い国であることも特徴でしょう、自国産の安価な食品が入手しやすく大量に購入が可能だからこそ、どうしても廃棄が増えるということです。必要な分を必要なだけ購入するには習慣付けしかないでしょう。

  食品サービスでのフードロスアメリカがダントツで、中国がそれに続く順位です。アメリカは世界でも随一の加工食品消費国であり、あまり家庭では料理をしないために食品サービスのフードロス比率が高くなっています。意外なことに中国でも加工食品の市場規模は拡大の一途であり、将来的には(すでに?)アメリカを超える加工食品消費国になると言われています。

 小売業でのフードロスは比較的横並びですが、フランスだけは他国よりも多くなっています。理由はパッケージフリーでの包装形態、つまり量り売りが流行っているためです。包装でプラスチックが使われている理由はシンプルで、密封性が高く製品のシェルフライフ(保存可能時間)を伸ばすことができるからです。量り売りはその利点を放棄しているため、プラスチックの使用量は減りますがその分フードロス量が増えてしまいます。どちらが良いかは難しいところですが、バランスの問題でしょう。

最後に

 日本は主要国の中では食品廃棄物量が少なく優等生です。平均以下ではありますが家庭からの廃棄量がまだ多いため、ここを改善すればさらに良くなります。また日本はコールドチェーン技術に優れていますので、日本のコールドチェーン技術を各国に輸出することが世界のために良い行動となるでしょう。