忘れん坊の外部記憶域

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「日本スゴイ」や「日本駄目だ」は個人的に使い勝手が悪いと考えている理由の言語化

 メディアやインターネットでは様々な「日本スゴイ」或いは「日本駄目だ」が日々飛び交っています。

 良い側であろうと悪い側であろうと極端な意見を打ち立てれば賛否双方の人を呼び寄せてPV稼ぎになりますので、使い勝手が良い言葉として商業ライターやまとめサイトが多用しているのでしょう。

 

 そういった理屈は分かっていますが、当ブログでは「日本スゴイ」や「日本駄目だ」といった類の表現はあまり用いていません。個人的な趣味として、どうにも使い勝手が悪いと考えているためです。

 今回はそんな屁理屈の言語化を試みます。

 

 この記事は「日本スゴイ」や「日本駄目だ」といった言説自体の是非ではなく、私が個人的に使い勝手が悪いと考えている理由の言語化です。

 

比較対象が無ければ凄いか駄目かも分からない

 まず、当ブログでも「日本スゴイ」や「日本駄目だ」を全く使わないわけではありません。但し、これらを用いるのは統計データや国際ランキングを論じた時のみです。

 

(日本スゴイの例)

 

(日本駄目だの例)

 

 なぜ明確に基準を定めているかと言えば、物事の良し悪しは比較しなければ分からないと考えるためです。比較は科学的思考の基本です。

 

 「日本スゴイ」も「日本駄目だ」も評価の対象が”日本”である以上、他国や他地域を比較対象として並べたデータ無しに語れないのではないかと考えているため、統計データを添えて他国と比較した場合だけで使います。

 

 例えば、日本では男女平等がまだまだ達成されていないと言われています。

 それは実感的にも国内統計的にも事実でしょう。

 ただ、実感や国内統計の数字をもって「日本は男女不平等だ」とするには不十分だと考えます。もしかすると他国も同様の数字であり「日本も男女不平等だ」となる可能性が残りますし、他国はもっと悪く「日本は相対的には男女平等だ」となる可能性だってあります。

 これらの可能性を除外するためには世の中に公表されている統計データを用いて他国と比較する必要があります。SDG5の達成率やジェンダーギャップ指数の順位が下から数えたほうが早いことを提示して初めて「日本は男女不平等だ」と断定的に述べることができるでしょう。

 さらに細かいことを言えば、複数の統計データを参照してどの部分が男女不平等かを評価することがエビデンスに誠実な態度だと私は考えています。

 そうでなければ幸福度の男女格差などを用いて「日本は男性よりも女性のほうが幸福度が高いから男女不平等ではない」とする反論が成り立つかもしれないからです。それはそれで一つの理屈ではありますので、どの部分に論拠を持ち、何を主張するかは明確にしたいと考えます。

 メジャーな指標であるSDGsやジェンダーギャップ指数ではどちらも「男女の賃金格差」と「女性の議員比率」が低スコアの原因です。

Sustainable Development Report 2022

Global Gender Gap Report 2022 | 世界経済フォーラム

 よって日本の男女不平等についてエビデンスに誠実な表現で語るならば、「日本は他国に比べて男女の賃金格差が大きく女性議員も少ない国だ」となるでしょうか。

 

 もちろん個人の感想や意見として「日本スゴイ」や「日本駄目だ」が用いられることは普通のことだと思います。何も論文やレポートではないのですから、「日本スゴイ」や「日本駄目だ」をフランクに使うことには問題など無く、言説に対して数値やエビデンスが必要だと考えるのは技術屋の拘りに過ぎません。だからこそ「日本スゴイ」や「日本駄目だ」といった言説自体の是非は語りません。

 これはあくまで私の拘りです。

 

対象が”日本”である意味が無い場合もある

 「日本スゴイ」や「日本駄目だ」を私が使わない理由はもう一つ、バーナム効果を避けるためです。

 バーナム効果を簡潔に言えば「誰にでも当てはまる表現や記述を受けて、まるで自身のことを言い当てられたように感じる心理」です。占いや手品でよく用いられる技法でもあります。

バーナム効果 - 一般社団法人日本経営心理士協会

 

 この点については過去にも記事にしたことがありますが、データに基づかないで語られる「日本は~~~」の中身は”日本”に限った話では無い場合も多く、それはバーナム効果が影響しています。

 これもやはり技術屋の屁理屈と偏屈ではありますが、バーナム効果を利用して共感を集めるのはどうにもエビデンスの無い不誠実な態度に思えてしまうため、個人的に忌避しています。

 

結言

 要するに、「日本スゴイ」や「日本駄目だ」を語る際は他国と比較した数値的な根拠が必要だと考えており、その根拠となるデータが無い場合は使わないと個人的に規定しているため、どうにも使い勝手が悪い言葉だと考えています。

 つまりは個人的な趣味の話です。

 

 

余談

 補足として、「日本スゴイ」や「日本駄目だ」で終わる言説はモッタイナイと思っています。

 「日本スゴイ」だけで終わってしまっては傲慢になりかねませんので「こういうことをすればもっと良くなる」とプラスの意見を付け加えたくなりますし、「日本駄目だ」で終わってしまってはネガティブなので「こうすれば改善できる」と提案したくなります。

 そういった追加部分を検討するためにも、統計と数値を重視しています。