忘れん坊の外部記憶域

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新人は簡単な仕事こそ後回しにせずサッとこなすべき:新人とタスクの優先順位

 タスクの優先度付けのやり方としてよく語られている方法に、『緊急度』と『重要度』でマトリクス化してタスクの優先順位を決める手法があります。

 過去にも記事にしていますが、これは自分でタスクを管理できる立場にあることが前提です。上司や先輩から仕事を頼まれている段階の新人ができることではありません。

 役職者やベテラン・中堅は「抱えているタスクに対して代用不可なキーパーソン」であることからタスクの納期を調整することが出来ます。業務フローや仕事の熟練度からその人に頼まなければタスクが進まないという状況であればそれこそ無理強いをしても通せないわけですから、納期に融通を利かせることが出来るのです。つまりタスクの優先度付けが出来るのは納期を調整できる立場であることが前提です。

 対して新人はまだ代用可能なポジションであり、立場も低く実績も無く権限も無いのですから、そう易々と他部署やお偉いさんに意見を述べることなんて出来ません。「係長の仕事を優先するんで、部長の仕事は後でいいっすか?」なんて、相当肝が据わっていて物怖じしない向こう見ずな子でなければとてもとてもそんなこと言えません。

 

頼まれる仕事はどれも必要な仕事

 時間は有限である以上、重要で、緊急で、そして大きな成果を期待できる仕事に注力することが必要なため、中堅やベテランにとってタスクの優先度付けは不可欠な技能です。優先度が低く成果も期待できないテーマに手を付けてしまわないよう、タスクや仕事に対して優先度を付けなければなりません。中堅やベテランにとってタスクの優先度付けとはただ順番を決めることではなく、やらない仕事を選別するための手段となります。

 

 対して新人は事情が異なります。上司や先輩が頼んでくる仕事はどれも必要な仕事です。相当暇な組織でもない限り、必要がないことをわざわざやらせたりはしません。

 よって新人にとって頼まれた仕事をやらないという選択は有り得ません。やらない仕事かどうかを選別するまでもなく、全部やらないといけない仕事です。

 

仕事をやらないとどうなるか

 新人が頼まれる仕事の多くは難易度が低く重要度も緊急度も低い仕事です。よってタスクの優先度付けの基準に従えばやらない仕事に該当します。

 ただ、それは中堅やベテランの視点から見てやらない仕事であって、新人にとってはやるべき仕事に他なりません。

 重要度や緊急度が低いからといって新人が頼まれた仕事をやらなかった場合にどうなるかと言えば、その新人には仕事を頼めなくなります。

 「急ぎでもなく重要でもない仕事を任せた結果、それをこなせなかったのならば、もっと緊急で重要な仕事を頼むなんてとてもできない

 頼む側としてはこのように評価せざるを得ないのですから。

 

 これはそこそこに重要なポイントです。

 重要でも緊急でもない、言ってしまえば簡単な仕事をできない場合、厳しい話ですがそれは簡単な仕事すらできないと評価されます。

 そうなると評価につながる重要度と緊急度の高い仕事を任されることなく、簡単で単純でつまらない雑用しか回ってこなくなります。それは成長機会も失われる悪循環です。もしかすると難しい仕事であればこなせる能力が新人にあるかもしれませんが、それを試す機会すら与えられません。

 よって、簡単な仕事は全体から見ればやらなくていい仕事かもしれませんが、新人にとっては優先的にやるべき仕事です。

 

結言

 難しい仕事はできなくても仕方がないとマイナス評価を付けられにくいものです。しかし簡単な仕事はできないとマイナス評価を付けられてしまいます。だからこそ、新人は簡単な仕事こそサッとこなしてマイナス評価を避けたほうが良いと私は考えます。

 

 

余談:報連相は馬鹿にできない

 時間は有限である以上、新人であろうがベテランであろうが仕事の優先度はありますので、後回しにする仕事は必ず生じます

 ただし、仕事を後回しにする場合は必ず報告をしましょう

 報告をせずに仕事を後回しにして期日に遅れたり損失が生じた場合は責任問題になってしまいます。後回しにすることを事前に報告して了承を得ていれば、責任は了承した上司や先輩のものです。

 これは卑怯や責任逃れといったネガティブなことではありません。新人は責任を取れる権限がなく、責任を取るのは上司や先輩の仕事だからです。仕事を完了させる責任は頼んだ側にあり、頼まれた側にはありません。

 責任を背負い込んで無駄に疲弊しないよう、進捗や遅れは積極的に上司や先輩へ報告を行い、責任転嫁していきましょう。