唐突ですが、私はトスジャグリングが好きです。
上手い人には到底敵わない下手の横好きではありますが、ジャグリング用のボールを持っている程度には趣味です。日常生活においても手に持っているものはついつい空中に放り投げてしまいますし、同じようなものを3つ以上持ったらカスケードをしたくなります。
缶コーヒーを手の中でクルクル回したり空中に放り投げながら道を歩いている人を見かけたら、それは私の可能性があります。
怪しい人なので近寄らないほうが良いでしょう。
そんなジャグリング好きの”物事の見方”を語っていきます。
ジャグリングのような日常
シングルタスクの重要性は耳が痛くなるほど各所で語られています。
人はマルチタスクで効率的に行動できるような脳の構造にはなっておらず、生産性や効率性を高めるのであればシングルタスクで集中することが重要です。
マルチタスクは精神の負担にもなります。あれもやらねば、これもやらねば、と頭の中にタスクが渦巻いているような状況はメンタルに大きな摩耗をもたらすものです。
今やるべきタスクに集中するためにも、抱えている複数のタスクはGTDなどのメソッドを用いて可能な限り外部化して頭の中から追いやることが重要です。
そんなことは誰だって感覚的に分かっていますし、やれるものならばやっています。
真の問題はマルチタスクそのものの弊害ではなく、マルチタスクで動かざるを得ない状況が生じることです。
これから来客が来るから出迎える準備をしなきゃいけないのに、赤ちゃんが泣き出してしまったからオムツを変えてあげないと。でもスリッパも出して、少し掃除もして、茶菓子も出さないと。じゃあ『緊急性』と『重要性』のマトリクスから今何をすべきかを分析してシングルタスクで行動しましょう。
なんて、馬鹿馬鹿しい話です。
どれも緊急で、どれも重要なのだから、まずはとにかくオムツを変えて、茶菓子の棚に向かって掃除をしながらスリッパをいつ出すか考えるのが自然であり、ここにシングルタスク化を行う余地はありません。
シングルタスク化が可能なのはタスクの納期やスケジュールを管理可能な人においてのみであり、偶発事象や突発事象の解消が主である人には適用不可能です。
そして往々にして、日常とは多くの偶発事象や突発事象で構成されています。日常における各種タスクはさながらトスジャグリングのように複数のタスクを上手いこと回すことによってしか捌くことができません。だからこそ家事育児はメンタル面を摩耗しますし、ビジネスの火消しは心身を消耗します。
ジャグリング感覚でこなす
否応なしに襲い掛かるマルチタスクの波に逆らうことは不可能です。こればかりは残念ながら受け入れるしかなく、ジャグリングのように、複数のタスク(ボール)を同時にこなすしかありません。
上手くジャグリングをする最大のポイントはリズムよく行うことです。タスクの数に合わせて自分が一番やりやすいペースを保つことが重要であり、つまりはマイペースこそが理想的です。
タスクのサイズを管理することも重要です。重いタスクと軽いタスクを同時にジャグリングするのは技術と慣れが必要になります。最初のうちは重いタスクをちゃんと分割し、タスクのサイズを均等にしてリズムが崩れないようにしましょう。
タスクの数も重要です。ジャグリングの下手な人がいきなり7ボールジャグリングを出来るわけもありません。自身がジャグリングできるタスク量を把握して多すぎる場合は減らしましょう。大道芸とは違い観客は居ないのですから、途中でボールを減らしても大丈夫です。
タスクを落としてしまった時は、まずは落ち着いて全てのタスクをキャッチしてから拾いにいきましょう。慌てて拾いに行くと他のタスクも落としてしまいかねません。
結言
日常はまるでジャグリングです。
続けるのは大変なものです。
皆さん、なんとか頑張って回していきましょう。