ホワイトカラーやナレッジワーカーの人にとって必須スキルとも言えるであろうタスク管理術。
タスクの管理は人それぞれ様々なやり方があると思いますが、今回は一例として、私のやっているGTD+カンバン+Trelloを紹介します。
一応我流の組み合わせではありますが、恐らく世の中には同じ組み合わせで活用している人がごまんといるかもしれません。
GTD(Getting Things Done)
GTDはタスク管理術の中でも代表的なもののひとつです。
とりあえずWikipediaのリンクでも貼っておきます。
◆Getting Things Done - Wikipedia
GTDは様々なサイトや書籍で紹介されていますので、詳細の解説は不要でしょう。大まかに言えば、GTDはやるべきことを全て書き出すことで頭の中から追いやり、今やるべきことに集中するためのメソッドです。
- (収集)やるべきことを書き出す
- (処理)書き出したやるべきことをリスト化する
- (整理)優先順位を付けて並べる
- (見直し)並べたタスクに問題ないか確認する
- (実行)優先順位に沿って無心で逐次処理する
従来のタイムマネジメントでは現代の複雑化・高速化した仕事のペースには対応できず、せっかく立てた計画は容易に破綻します。
またスケジュールに追われてタスクを大量に頭の中で抱えていると、あれもやらないと、これもやらないと、と心が休まることがなく、それ自体が仕事の進捗を阻害する大きなストレス要因になります。
GTDはこれらを解消することができる手法です。タイムベースではなくタスクベースでマネジメントをすることで、タスク量に対して現実的な計画を立てることができます。タスクを事前に頭の中から追い払うことができるため、ストレスも軽減されます。
GTDは今やるべきシングルタスクに集中するための最適なメソッドと言えるでしょう。
カンバン
カンバンと言えばトヨタ生産方式のカンバンが有名ですが、このカンバンはそちらではなく、タスク管理手法の一つです。
カンバン方式のアプリで有名なJootoのリンクでも貼っておきます。
◆Jooto - 無料から使えるタスク・プロジェクト管理ツール
カンバンのやり方は簡単で、ホワイトボードやwebボードを次の3つで区切るだけです。
- ToDo(やるべきこと)
- Doing(やっていること)
- Done(やったこと)
やるべきことをポストイット等でToDoに貼り出し、やっていることをDoingに貼り直し、やり終わったタスクはDoneに移動する。ただそれだけです。
カンバンはどちらかと言えばチームでのタスク管理をするために用いる手法ですが、個人で使っても充分に効果的です。GTDと同様にタスクの可視化をすることで頭の中を整理することができます。
またカンバンにはDoneリストがあることが大きな特徴です。誰だってなかなか進捗が見えないタスクがあればどうしても気が重くなるものですが、Doneリストは何をやってタスクがどう進んでいるかが具体的に見えるようになるため、ストレスを軽減する効果があります。
GTD+カンバン+Trello
GTDとカンバンをTrello上で組み合わせた例を提示してみましょう。
Trelloはカンバン方式のアプリの一つです。
カンバン方式であれば何でもよく、Trelloである必要はありません。JootoやAsana、もしくはノートやホワイトボードなどでも問題ありません。個人的にTrelloが好みなので使っているだけです。
適当なタスクを入れたボードを例とします。いくつかのリストを作成し、その中にタスクのカードを放り込んだ状態です。
リストを順に見ていきましょう。
■Inbox(未決案件)(GTD)
GTDで言うところの(収集)で使うリストです。持っているタスクや新規で受け取ったタスクはまずこのリストに放り込み、内容に応じて別のリストに逐次放り込んでいきます。
頭の中にタスクを残さないようとにかくここに書き出しておきますが、このリストに入っている仕事はいつまで経っても進みませんので、このリストで重要なことはその日中に空にすることです。
ここで時間を使うのは勿体ないので、機械的に処理することが望ましいでしょう。
■Someday/Calendar(いつかやること)(GTD)(カンバン)
このリストにはすぐにやらない保留しておくタスクや、いずれ動かすタスクを放り込みます。リストの見直しは月に1回くらい行えばよいでしょう。
このリストは今考える必要がない余計なことを頭の中から消すために用います。
■Todo/Theme(やるべきこと、テーマ)(GTD)(カンバン)
いつかやることのリストよりも直近で動くタスクはこのリストに放り込みます。いつかやることのリストの期日が近づいてきた場合も同様に、こちらのリストに放り込みます。
このリストではまだタスクを細かく分解する必要はなく、ある程度内容が分かれば問題ありません。
また、ここではある程度優先順位を付けておくと判断が楽になります。優先的にやるべきタスクは上に移動するなどして並び順で優先順位を付けるといいでしょう。
このリストが溢れるような時はタスク過多です。負荷を調整してタスク自体を誰かに渡すか、期日を調整してタスクをいつかやることリストに戻すことを検討しましょう。
■Doing(やっていること、次にやること)(GTD)(カンバン)
今日やることをまとめたものがこのリストです。やるべきことリストで優先度が高いものをこのリストに移動します。このリストに入れたタスクは上から順番に無心でこなすべきものとして、逐次処理していきましょう。
タスクを移動する際は分解してアクション単位まで落とし込むことが重要です。【花粉症対策】というタスクであれば「朝、薬を飲む」「夕、薬を飲む」「帰宅後シャワーを浴びる」「服をすぐ着替える」といったように。
そうすることでタスクをこなすための抜け漏れを防ぐことができますし、実際にどの程度の行動時間が必要か目安が付きやすくなります。
■Done(やったこと)(カンバン)
やっていることリストのタスクが完了したらこのリストに放り込みます。毎日新しいリストを作ることがおススメです。その日何をやったかが後から見れる簡易的な日報のように扱えますし、タスクの量次第でその日どれだけ仕事ができたかを可視化することもできます。
他の日よりもタスクを沢山処理できた日は、ちょっとした自己肯定感を得ることができるでしょう。
■数分で終わるタスクのリスト(GTD)
GTDには「2分で終わるタスクを入れるリスト」があります。溜め込まずに即時実行すべきとされるタスクです。
そのリストを私は作っていません。
理由は単純で、Trelloにいちいち入力する時間と手間がモッタイナイ程度のタスクは即時処理すべき、とルールを決めているためです。
即座に終わるタスクは未決案件リストに入れる必要もなく、即座に終わらます。終わったタスクはやったことリストに直接カードを作りましょう。
結言
一例ではありますが、私はこのようにGTD+カンバン+Trelloを用いてタスク管理を行っています。他の方の参考になれば幸いです。
このやり方はノートやOfficeソフトなどでも可能ですが、タスクの移動が簡単で消したり書いたりする手間も掛かりませんので、できればカンバン方式のwebアプリの使用を推奨します。
余談
今回の例は普段やっているタスク管理をかなり単純化したものです。
よりきめ細かいタスク管理を望むのであれば、タスクカードに期限やマイルストーンを追加したり、カレンダー機能を使ってタイムマネジメントを併用したりすることを推奨します。