忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

「自分でやったほうが早い」問題には組織的な対策が必要

 真面目な話のように見えて、雑談です。

 

地雷を踏んだ

 先日少し話した海外出張の件。

 

私「機会があるのはありがたいことですがチームで私だけが海外出張に対応できるような属人的な状況では何かあった時に困りますし機会が偏っていては後進が育ちませんので今回は若手にやらせてみるのはどうでしょうか」

と上層部に雑な振り方をしてみたところ、「それもそうだな」と雑な納得をされた結果、今回の海外出張は有望な若い子が行くことになりそうな気配となりました。

 意外と柔軟でびっくり。

 

 なんて油断をしていたところ、語学や知識やその他もろもろ全部若手に仕込む担当に任命されました。

 うーむ、そう来たか。教育は手間が掛かりますのでそれなら自分で行ったほうが楽だし早いです。

 まあ、でもこれは必要なことなので引き受けるとしましょう。

 

組織的な対策が必要

 後進を育成できるかどうか。それは結局この自分でやったほうが早い問題に折り合いをつけられるかどうかで決まると思っています。

 当然ながら大抵の仕事は若手や新人にやらせるよりも中堅やベテランにやらせたほうが早く終わります。それは当たり前の話です。中堅やベテランが年の功を示せないようではむしろ困ります。

 しかし組織の論理からすれば中堅やベテランには同じことをやり続けさせるよりも難易度が高く費用対効果の高い仕事を割り振るほうが豊富な知識や経験を活かせるため合理的で効率的です。

 そして中堅やベテランが現在抱えているレベルの仕事を手放してさらに発展的な仕事をやらせるためには後進の育成が必要になります。誰かが引き継いで手を空けなければ新たな仕事を割り当てることはできない以上、これもまた当たり前の話です。

 よって各員に適切な仕事を割り振って組織を合理的に維持繁栄させるためには後進の育成が必要不可欠です。そのためには一時的に中堅やベテランの生産性を落としてでも教育係に割り振る必要があります。短期的なリソースの消耗はグッとこらえて耐える以外はありません。その努力を怠っては組織が継続的に発展することなどできないのですから、教育への投資は長い目で見て回収する他ないでしょう。

 

 それはつまるところ、人材育成とは主に組織にとっての利得です。個人のキャリアだけを見れば後進の育成は美味しい仕事とは言えません。それよりは評価の高い仕事をこなすことを優先したがる人もいることでしょう。

 もちろん長期的に見て後進を育成することは自らがより発展的な仕事へ携わるためには必要なことなのですので出世志向がある人には別ですが、そうでない人からすれば人材育成は短期的にも長期的にも損となります。誰もが人の面倒を見ることを良しとするおせっかい焼きなわけではありませんので。

 だからこそ組織は例えば後進の育成を人事考課の評価対象とするなどをして、中堅やベテランが積極的に教育を行えるような仕組みを構築しなければなりません。

 

 放っておけば後進が順調に育っていくなんて幻想です。それはたまたま伸びる性質を持っていた人が配置されただけであり、持続性があるわけではないのですから。

 

愚痴

 上の方から後進の育成を指示されましたが、教育に時間を使っていると直属の上司から文句を言われます。

 立場の違いに基づく見解なのは分かるけども、なんともダブルバインド。