忘れん坊の外部記憶域

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異文化交流に思う、年長者から見れば若者も異文化かもしれない

 概ねほとんどの企業や組織には管理職が居ます。ホラクラシーやティールのように管理職を置かない次世代組織も存在しますが、ある程度の規模の組織では効率性を考慮しなければいけないため管理職を必要とします。

 管理職が居た方が効率を損なうのではないか?それは一面的には正しいですが別の面からすれば正しくありません。

 メンバーが全員優秀であり、グループの規模が小さく、目的が明確であれば管理職によるマネジメントはエネルギーの摩耗以外の何物でも無いため非効率的と言えるでしょう。しかし組織の長期的な存続や発展という視点で見れば話は変わります。常に優秀なメンバーが補充されるわけでもなく、組織の規模が大きくなってグループ間の調整が必要になり、目的が多方面的になるような業務展開となった場合は各プレイヤーが効率的に動けるよう管理職を置かざるを得ないのです。

 つまるところ管理職の要否は組織によるというのが適切な結論です。当たり前でつまらない話でしたね。

異文化交流の橋渡し

 昨今のグローバル化に伴い組織には様々な文化的背景を持った人々が所属し、やり取りする外部もやはり異なる文化圏であることが増える一方となっています。例えば私が居るような製造業では欧米や中国、中東や東南アジアの顧客が相手になる機会が増えています。製造業の凋落が騒がれる昨今とはいえまだまだMade in Japanは高いブランド力を保持しているのです。反面、内部では南米や東南アジアからの労働者が増えており、やはり異なる価値観を持って仕事に勤めています。

 そのような状況で発生する異文化交流での摩擦を解消するのは管理職の仕事です。特に外国人の部下を持つマネージャーはその文化的背景を適切に理解して管理する必要があります。「管理職は無駄だ、AI化したら真っ先に無くなる仕事だ」という風潮が一部ではありますが、むしろ個人間の仲介という人間臭い仕事は管理職の責務としてまだまだしばらくは残るでしょう。

よくよく考えると若者も文化が違う

 というような仕事上での異文化交流について考えていたのですが、よくよく考えると管理職である年長者からすれば一回り以上世代の違う若者というのは明らかに異文化な存在と言えるのではないでしょうか。特に現代社会は情報の流転が早く、テレビのように同一のコンテンツを享受してきたわけでもないことから、多様な価値観を持っているのが今時の若者です。使う言葉も違う、聞いてきた音楽も見てきた映画も違う、同じ日本人であっても若者は異なる文化の集団と言えそうです。それこそ両親をファーストネームでちゃん付けして呼ぶというような価値観は年長者からすればまったく別の文化圏と思えるのではないでしょうか?

 となると、やはり年長者と若者の橋渡しをするのは異文化交流の橋渡しである管理職の仕事になるでしょう。過去の記事でも書きましたがベテラン側が若手に配慮してあげなければいけません。

どう異文化交流すべきか

 異文化交流において最も重要なのはすり合わせです。互いに話し合い、妥協点を見つけることが必要です。

 例えば年長者からすれば階層を飛び越えてコミュニケーションをすることは考えにくいことかと思います。一担当者が係長、課長を飛び越えて部長に直接上申するようなことを好まないでしょう。しかし若者はそのような縦社会の文化をあまり好まずフラットな関係性であることを望みます。よって一担当者であっても直接部長に話すことへあまり違和感を感じません。

 このような事例で必要なのは上司が若者の思考を理解し、歩み寄ることです。我が社では階層を厳守しなければいけないと押し付けても相手は納得してくれません。そうではなく、階層を飛び越えることによる弊害を教え、どのような案件であれば階層を飛び越えても良いかを相談し、階層を飛び越える時はどういう風に行うかを決めるべきです。メールを例とすれば、緊急性が高い案件であれば階層を飛び越えてメールを送ることを許可し、関係者が情報を把握していないと困ることを教えて必ず直属の上司をCCに入れることを伝えれば良いでしょう。緊急性の度合いについては試しながら適宜調整することです。

 頭ごなしに自分達の文化を押し付けるのは異文化交流で最もやってはいけないことです。互いの価値観を晒し合い、納得の行く落としどころを見つけなければいけません。それは異文化であっても若者であっても同じことです。もちろん互いの歩み寄りが必要なことではありますが、やはりベテラン側が多くの配慮をすることが望ましいでしょう。

まとめ

 管理職って大変ですね。

 

余談

 実際にあった話。

若者「あがりまーす、お先に失礼しまーす」スタスタ

課長「今時の若者は上司よりも先に帰る、俺が若い頃は上司が帰るまで働いていたもんだ。つーか頼んだ仕事が終わってないのに帰りやがった、今日納期だぞ」

私「それリアルに言うとパワハラになりかねないですよ、抑えてください。彼からすれば上司よりも早く帰るかどうかなんて意識すらしていないので気にしてはいけないです。諦めてください。あ、でも納期を守ってないのは年齢関係無く問題なのでそこは教育しないとダメですね、明日指導してください」

 異文化交流の要、繋ぎ役は実は管理職では無く中堅層なのかもしれません。うへぇ。