忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

自己開示が苦手だという自己開示

 ふざけた話をしなければいけない、そんな欲求が日増しに高まっている。

 

娯楽に対する姿勢

 自ら評するのもアレだが、如何せん私は根が真面目な人間である。

 しかしながらユーモアの価値を軽んじているわけではない。むしろ人生には適度なユーモアが不可欠だとまで信仰している。

 娯楽の価値は決して侮るべきではないだろう。エピクロス主義的な偏狭に過ぎる意見ではあるが、人類が文明の最中で築き上げてきた倫理・宗教・哲学の欲するところは幸福の追求であり、すなわち苦痛を取り除くことに他ならない。そして人々を慰め楽しませるための娯楽は苦痛とは真逆の快に属するものであり、よってそれを追求することは極めて文化的で人間的な営みであると考えている。

 もちろん過度に娯楽へ没頭すれば求むべき他の快をも損ねて苦痛になるものであるので、当然ながら過剰とならないよう適量を見極める必要はあるが、腹八分目を心得さえしていれば娯楽は疑いなく人生に必要なものだと言える。

 

 娯楽性の程度を問う気はない。私は碩学の賢者ではないため、これこそが理想の娯楽だと何かしらを極言することは差し控える。メイン・ハイ・サブ・カウンター問わず、高尚であろうが下劣であろうがそれを個人が楽しめるのであれば立派な娯楽だろう。高級料理に舌鼓をうちハイソサエティな歌劇を楽しむも良し、ジャンクフードを食べながらヘヴィなメタルを聞くも良しだ。人それぞれ好きにすればいい。優劣を競う必要はない。

 

 

試しに書いてみようと思ったらこうなった

 唐突にやたらと堅苦しい話が始まりましたが、自分でも何故こうなってしまったのかさっぱり分かりません。

 元々は

「ふざけた話として、あえて程度の低い話題をしよう」

「そうだ、普段はやらない下ネタでもテーマにしてみるか」

と思い立って書き始めた結果がこれです。

 

 正直に言って、下ネタが苦手なんですよね。本能的に話を逸らしたくなります。普段の記事であれば太字にして強調するような部分も下線で誤魔化す程度に。

 なんと言いますか、下ネタって相当に自己開示的じゃないですか。下品だからイヤだとか性的な話が恥ずかしいとかそういう訳ではなく、下ネタは自らの内面を曝け出す行為の中でも極めて度合いが高いのでそれがあまり好みではありません。

 自身の内面を曝け出す行為は関係性の親密度を高めたり集団の紐帯を強化することには効果的ですので、例えば親しい人同士で下ネタが語られるのはそういう意味があることは理解していますし、必要に応じて私も下ネタには対応します。また、このブログで多少なりとも自己開示をしている以上、自己開示そのものに絶対的な忌避感があるわけでもありません。

 ただ、物理的にも心理的にもパーソナルスペースは適度に確保したいという欲求が私には強いので、その域を超えて互いのスペースに土足で侵入し合うような下ネタの距離感が、どうにも苦手です。胸襟を開く程度は許容範囲ですが、それ以上は開きたくない気持ちが強くあります。

 

 そのため、娯楽として下ネタを嗜好する人がいるのは人それぞれですので好きにすればいいですし優劣は無いと思いますが、私は好みではないので積極的にやらない、ただそれだけです。

 

結言

 つまり、下ネタは物凄く距離感が近い自己開示で、他者とはある程度の距離感を保ちたい私としてはそのレベルまで開示したくないため忌避感があります、という自己開示でした。もはや何が何だか。