忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

wikipediaが日本人に寄付させるには

 大学生の味方であり教授の敵である皆大好きWikipediaさんですが、ご存知の通り定期的に寄付を募っています。デカデカと画面の半分以上を占めて寄付を求めてくる表示はなかなかに不評です。ふと何とはなしに珍しく寄付の文章を真面目に読んでみたのですが、どうにもこの文章では寄付をする人は増えないのではないかと思いました。よってどうでもいい思索をしてみます。

寄付を求める文章

日本のウィキペディア読者の皆様へ

申し上げにくいのですが、どうかスクロールせずにお読みください。この金曜日に、ウィキペディアの中立性を守っていただけるようお願いいたします。読者の98%は見て見ぬ振りをして、寄付をしてくださいません。もしあなたが今年すでに寄付をしてくださった特別な読者なら、心から感謝いたします。¥300を寄付してくださることで、ウィキペディアは何年も反映し続けることができます。ほとんどの人が寄付してくださる理由はシンプルです。ウィキペディアが役に立つからです。テレワークや在宅で過ごすことが新しい常識になり、信頼できる情報をオンラインで探すことにより長い時間がかけられています。ウィキペディアの情報に¥300の価値があると思っていただけるのでしたら、ぜひ寄付をお寄せください。どうぞよろしく願いいたします。

日本人と寄付

  日本人はあまり寄付をしないという統計データが「寄付白書」という形で日本ファンドレイジング協会というところから出されています。宗教による違いや互助システムの差異、税制優遇の有無など様々な理由はあると思われますが、少なくとも「非営利団体」への寄付額が日本は少ないということは事実と言えます。

 また国連の世界価値観調査より、日本は主要先進国の他国と比べて宗教団体や慈善団体の信頼度が低いことが分かっています。過去に色々やらかしてくれた団体のせいではありますが、これもまた「非営利団体」への寄付を忌避することに繋がっていると推測できます。

 とはいえYoutubeでのスーパーチャット額などを見る限りランキングの上位には常に日本人がいますので、お金を出すこと自体に日本人が忌避感を持っているわけでもないと考えます。どちらかというと非営利団体のような公共性が高いものではなく、個人や小集団、募金のように具体的に困っている人や事などに分かりやすくお金を出すほうが日本人の好みなのかもしれません。実際にクラウドファンディングの市場は伸びているようです。私も被災地への募金箱などがコンビニにあれば小銭を入れますが、多分Wikipediaの募金箱があっても募金しないかな、と・・・

Wikipediaの文章に関する思索 

 そう考えるとWikipediaの文章は如何にも日本人には響かないのではないかと愚考します。中立性を守るためと言われてもそれとお金が必要なことの繋がりはパッと分かり難いです。「スポンサーの意向に左右されないため皆様の寄付によって運営したい」という風にもっと具体的に言えばいいと思います。また読者の98%は見て見ぬ振りをしてというのは、じゃあ私も見て見ぬ振りをしておこうとなるだけです。エスニックジョーク的に「皆さんもう寄付されていますよ」とでもしたほうが心理的なハードルは下がるでしょう。もしくは「Wikipediaを閲覧した方の50%は1回以上寄付したことがあります」という方向性も良さそうです。

 そして何よりも今はスマホでのネット閲覧が主流な時代ですので、寄付方法がクレジットカードかPaypalだけというのは何ともハードルが高いです。もっと日本で流行っている電子マネーに対応すべきでしょう。もしくはポチっと押しただけで決済ができるように通信会社やプラットフォーマーと提携すればスーパーチャット感覚で寄付が入ると思うのですが、それは運営方針的に駄目なのでしょうか。

 

余談(世界価値観調査の結果が面白い)

 国連の世界価値観調査では各国で調査した各種組織や制度への国民からの信頼度をまとめています。その中におけるメディア(新聞・雑誌・テレビ)の信頼度は、日本は60%台であるのに対してドイツやフランス、イタリアやスウェーデンでは30%台、アメリカとイギリスでは20%台となっています。日本はメディアの信頼度が高いですね。良いことか悪いことかは言及しないでおきます。私は・・・申し訳ないですが、まあ、ほどほどです。

 どこの国でも軍隊や警察は60%以上の信頼度、大企業は概ね40%以下、政府は大体が30%以下となっています。宗教団体は通常30~50%台にいますが、日本だけは10%未満の信頼度です。これは・・・言わずもがなですかね。人それぞれいくつか理由が思いつきそうな気がします。

 各国の特色が出て面白いので、いずれ記事としてまとめるかもしれません。