忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

時事ネタをあまり取り扱えない理由

 ブログやYoutube、SNSやWebサイトなどの媒体で毎日何らかを発信するのであれば時事ネタを取り扱うのが一つの道です。なにせ何もない日というのはまずありえないので、少なくとも寿司屋の大将よりはネタ切れの心配が無いでしょう。何より新鮮なネタは多くの人が求めるものですので集客力にも期待できます。

 私自身も【時事】という記事カテゴリを作っているくらいには時事問題を取り扱いたいと思っていたりするのですが、実のところほとんど時事に関連した記事を書けていません。なぜ時事ネタに関する記事を書けないのか、自己分析しつつ時事ネタについて思うところを記録してみます。

時間が無い

 根本的かつ圧倒的な理由なのですが、私の生活スタイルで時事ネタを扱うには時間が足りません。時事ネタの特性上発信は早ければ早いほど望ましいのですが、しがない雇われの身としては情報収集のアンテナを伸ばしっぱなしにする時間を取ることができず、むしろ人口に膾炙した後にようやく情報に辿り着くくらいです。つまり発信者となってバズらせる側ではなくバズった後に情報に辿り着く消費者側の人間であるため、取り扱える頃には情報の鮮度が落ち切っています。もう他の人が充分語ったしわざわざ語ることはないな、というのが時事ネタを取り扱えていない理由の一つです。

 人よりもいち早く新しい情報を入手して発信する方々のフォロワーが増える理由も分かるというものです。それは単純に秀でた凄い能力なんです。普通の人はそういつでもアンテナを伸ばしていることなんてできません。

情報の鮮度が高ければいいわけではない

 これは時事ネタそのものに対する個人的な感覚の問題ですが、情報は鮮度だけが重要ではないと考えています。製造業的に言えばQCD、日本語的に言えば品質・価格・納期ですが、情報の速度だけを重視してしまうと色々と問題があります。適切に精査されていれば防ぐことのできる誤報やフェイクニュース、誤解や偏向が発生するのは品質を忘れて情報の納期だけが優先されてしまっていることが原因の一つです。

 私がニュースを見る際は速度による情報欠落を避けるため、必ずいくつかの情報源を参照します。また転載や引用記事であれば元記事を確認しに行きます。巧遅は拙速に如かずとは言いますが、情報に関しては速さだけでなく正確さも重要だと考えている次第です。そんな事をしているから時事ネタを取り扱う鮮度が保てないのですが、かといって誤った情報を取り扱うことのほうがリスクが高いと考えています。

発表報道は情報が足りない

 当局や機関、各所から発表された情報やプレスリリースの内容を精査せずそのまま報じることを発表報道と言います。当然ながら発表報道で流される情報は前後関係や詳細な事情が分からない離散的なものとなります。

 対して入念な調査・取材によって情報を集め、それらを積み上げて新たな付加価値を付け加えた報道を調査報道と言います。

 個人的な考えではありますが、発表報道はそれこそ専門の報道機関に任せておけば良いと考えています。個々人が時事ネタを取り扱うのであればただ横流し的に報道するのではなく、見解や類比できる情報、必要な前後関係に関する資料など付加価値を付け加えた調査報道のスタイルで行ったほうが望ましいです。

 但し、付加価値となる追加情報を加えるためにはその時事問題に対する深い見識が必要になります。よく専門外の時事ネタに食い付いて残念な醜態を晒してしまう著名な専門家の方をSNS等で見かけますが、それは著名だから目立っているだけです。Yahooニュースのコメント欄辺りを見れば分かると思いますが、実際は相当多くの誤った追加情報が巷には存在します。専門である報道機関の調査報道ですらそのような誤りは存在します。正確な情報を適切に取り扱うのはそれほど難しいということです。

 もちろん話題性を重視して時事ネタを手あたり次第取り扱うまとめサイトは無数にあります。それはそれで一つの戦略だとは思いますが、私の好みではありません。

まとめ

 以上より、時事ネタを取り扱うのは難しく、また鮮度良く正確な情報を取り扱う能力も私には無い事から、取り扱いたくとも出来ていないというのが実情です。とはいえ時事問題に対して意見が無いわけでもなくむしろ発信したいことは有るので、取り扱えそうな場合は恐る恐る取り上げてみたいと思っています。