忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

久しぶりの出張

 たまには日記のような記事を書きましょう。

 コロナ禍によって対面自粛のムード漂っていた昨今の状況も変わりつつあり、世間では少しずつ対面でのやり取りが戻ってきています。もちろんまだまだ油断はできないでしょうがこのままコロナ禍が鎮静化することを祈るばかりです。リモートワークやWeb会議のメリットデメリットも充分に周知されたと思いますので、リモートと対面それぞれのメリットを生かせる世の中になると良いですね。

打合せ前

 先日、弊社の営業さんから素敵なお誘いを受けました。

「明日、顧客の所に謝りに行くんだけど一緒に来てくれない?」

「ふぁ?」

 エンジニアが居たほうが厳しい詰問を受けた時に盾にできるからという趣旨のようです。えー、付いて行っても絶対楽しくないじゃんそんなの・・・しかも謝罪理由は私の担当している製品では無く、海外の責任者が来れないのでその代わりとして私に白羽の矢が立ったようです。その矢結構痛そうなんで刺さないで欲しいんですけどー。出張自粛が終わって一発目の打合せはもっと面白い案件で出掛けたいんですけどー。え、盾役とか要ります?むしろ盾役は営業の仕事では?(エンジニア的暴言)

 駄々と屁理屈をパンでも作るのかという勢いでこねこね捏ねて逃れようとした結果、麗しいお偉方同士の友情と取引によって無事に生贄係として出荷されることとなりました。うへぇ。

 そんなわけで早朝から新幹線ひかりの自由席に座り、現実逃避でブログを書いています。勤務時間外だからいいのです。今からでもひかりの速度でUターンしておうち帰りたい、むしろ静岡で降りてウナギ食べてそのまま帰りたい・・・いや、まだ顧客がブチ切れない可能性もゼロではない以上、和やかなムードで打合せが終わる可能性が微粒子レベルで存在しているはず・・・

 本来はですね、設計職の出張って楽しいものなんですよ、設計ミスみたいな素敵イベントだったりしない限りは。基本的に新しく作ったものを売り込みに行くとか相手方の要求仕様を聞きに行くとかなので、少なくとも相手の態度はニュートラル、状況によってはプラスの歓迎サイドなのです。終始ニコニコです。ですので今回のように相手の態度がマイナスに振り切れているような出張は苦手です。いや、まあ、得意な人は居ないと思いますけど。営業さんや品証さんは凄いなぁ・・・

打ち合わせ後

 相手の方々、すっごい紳士的でした。内容はヘビーでしたけど気持ちはとても楽です、いや本当に助かりました。11月12日は天赦日というらしいので、運が向いていたのかもしれません。もしくは日頃の行いが良いからかmいやそれは無いですね。

 悪い報告を受けた際のリアクションは2パターンに分かれると思います。

 一つはなぜそんな問題が起きたのか、原因を追究することを優先するパターンです。

「これこれこういう問題が起きてございます、ご迷惑をお掛けしてしまい大変忝く申し上げ奉り候。」

「どうしてそんな問題が起きたの?なんで?どうして?ねえなんで?」

 言いたいことややりたいことは分からなくもないのですが、これをやってしまうと目先の問題を解決することにリソースを注げなくなってしまいます。なぜ問題が起きたか、再発防止はどうするかというのは目先の問題が片付いた後の話です。

 もう一つは問題をどう解決するかを優先するパターンです。

「大変な問題が発生して候、とてもピンチでござる。」

「そうか、それは大変だ。じゃあどうするか考えよう。原因は後で文書化して提出してくれ。」

 まずは目先の問題を全力で対処した後に再発防止や原因追及を行う、これが問題解決の適切な順番です。

 例えば子どもが公園で遊んでいて怪我をしたとしましょう。どんな遊具で遊んでいたのか、誰と遊んでいたのか、どうやって遊んでいたのか、どうすれば怪我を防げたか、それらの情報は確かに重要ですが後でいいのです。とっとと子どもを病院に連れていって治療しろ、ということです。

 同様の例え話は仏教にもあります。毒矢のたとえというもので、お釈迦様が弟子に語った物語です。「ある人が毒矢で射られたとする、すぐに治療しなければ死んでしまうでしょう。そんな時に毒の成分は何か、どんな弓と矢を使ってどこから射られたのか、弦は何でできていて、矢羽はどの鳥の羽か、そんなことを考えても仕方がない。とにかくまずは矢を抜いて治療をしなさい。」

 

 今回のお客様は後者のスタンスで対応してくれたため、問題はまだ解決していないですが少なくとも前向きに対処する方向で話がまとまりました。問題解決のプロがちゃんと相手に居てくれると話が早くてとても助かります。

 さて、完全に巻き込まれて解決まで逃げられないという現実から頑張って逃避しなきゃ・・・そりゃ問題解決は専門なので得意分野ではありますが、だからといって炎上案件が好きなわけではないということをもう少し上司に喧伝することから始めます。消火剤のように扱われるのは困りものです。

余談

 帰り道にコンビニでちょっと高価なものを購入したところ、たまたま700円くじをやっていたので9枚引きました。7枚が当たりの無料商品引換券でした。やっぱり運が良い日だったようです。