「世の中には3種類の人間がいる。数を数えられる人間と数えられない人間だ。」
これは私の好きなジョークですがまあそれはさておき、人間を二分で分けることは現実的ではないものの思考実験的に役立つこともあります。
今回はそんな二分法的思考で、人々を『問題を考える人』と『解決方法を考える人』に分けてみましょう。
問題解決手法
そこまで厳密に取る必要はない大雑把な分割ではありますが、世の中には『問題を考える人』と『解決方法を考える人』が居ます。
前者は世の中にある問題を発見し、それがどれだけ問題であるか、如何に世の中へ悪影響を与えているかを考えます。
対して後者はその問題がどんな原因で生じているか、どうすればその問題を無くすことができるかを考えます。
例えば何かしらの問題に対して開催される対策会議などで必要になるのは後者の人です。どれだけ問題を騒ぎ立てても何かしらの対策を打たなければその問題が解消されることは無い以上、会議を前に進めて問題の解消を図るためには『解決方法を考える人』に活躍してもらう必要があります。前者の『問題を考える人』は場合によっては延々と問題を吹聴して騒ぎ立てるだけで会議の進行を阻害する存在となりかねません。
とはいえ『問題を考える人』が不要なわけではありません。
『問題を考える人』はアラーム的役割を持ちます。彼らが居なければ人々は問題を認識することすらできず、彼らが騒ぎ立てることには意味があると言えるでしょう。
ただ、アレが問題だ、コレが問題だと騒ぎ立てる人はアラームとして必要な存在ですが、この側の人たちがいつまでも表を張っているといつまで経っても問題解決のフェーズへと物事を進めることができません。問題が周知された後は解決のフェーズへと進める必要があります。
これは社会人の基礎スキルである問題解決手法を考えれば分かりやすいでしょう。
問題解決手法は「問題を認識し」「原因を特定して」「対策を取る」ことで問題を解決します。
問題を認識する工程では『問題を考える人』が適切に機能します。
その後の原因特定と対策立案では『解決方法を考える人』が役割を果たします。
問題解決手法は別に個人が全て実施しなければならない手法ではなく、むしろ分業が効果的です。人それぞれ得意な事柄は違いますので、上手く住み分けてそれぞれが機能する部分を担当することが望ましいでしょう。
結言
率直に言えば、『問題を考える人』は活動家で、『解決方法を考える人』は実務家です。まずは問題を周知するために活動家が喧伝し、問題が周知された後は実務家へ仕事を引き継いで問題解決を図る、そういったサイクルが上手く機能すれば世の中の問題は次から次へと解決していきます。
いつまでも活動家が表に出張っていたり、まだ問題が周知されていないのに実務家へ引き渡してしまったりすると問題解決のサイクルは回りません。上手いことバランスを取って、適切に回転させる必要があります。
ビジネス的にPDCAサイクルで言えば、PDが実務家の仕事、CAが活動家の仕事です。