この駄ブログではあまり時事ネタを取り扱っていません。
時事ネタは情報が流動的であり下手をすれば不正確な情報の拡散に手を貸してしまう危険があること、時事的に係争している案件では意見が両極端に分かれて対決し合っていることが多く中道の意見を述べにくいこと、投稿は1日1回までと決めているので数日寝かせているとあっという間に話が風化してしまうこと、そういった理由です。
時事ネタはTwitterのようなスピード感のあるSNSを好む人が語ればよく、少なくともうちの駄ブログでやることはないかな、と個人的に思っています。
まあ、物は試しとして、いくつか時事ネタっぽい話をしてみましょう。
多分、やっぱり向いていないからやらないほうがいいということがはっきりすると思いますので。
放送法の政治的公平に関して
ここのところ国会で話題になっている放送法の政治的公平に関する問題、何を議論しているのかいまいち分かりません。
行政文書の中身や流出経路などに話が逸れていっていますが、要は「与党が放送法の解釈を変更したかどうか」で、結論は「していない」で終わりだと思います。
野党は「報道全体ではなく1本の番組で政治的公平を判断できるように与党が解釈を変更した」と述べていますが、昭和39年の答弁でも極端な場合は1本の番組で政治的公平を判断すると述べていますし、実際に1本の番組だけで総務省が政治的公平を判断して行政指導を行った事例もあります。
個人的に、問題提起すべきは「総務省が政治的公平を判断できるのか」「テレビに政治的公平は必要か」だと考えます。
政治的公平はそもそも中立な判定が難しいものです。党派性を完全に排除することはできない以上、監督官庁の恣意的運用が行われるリスクがあるのは間違いないでしょう。それは報道の自由にとって望ましいことではありません。
ならば新聞のように、端から政治的公平を必要としなければよいと思います。
つまり、放送法4条を廃止して政治的公平の縛りを無くしてしまえば報道に対する政治介入を根本的に退けることができます。
もちろんそれだけだと情報が偏る可能性がありますので、参入障壁を下げて電波オークションなりを導入すればいいでしょう。そうすれば電波利権の解体にも繋がり、報道の自由は高まるのではないでしょうか。
それとは別の話として、行政文書の流出経路は調べたほうがいいような気はします。
輸出管理厳格化の解除
3月16日、日本の韓国に対する輸出管理運用の見直しが行われました。
◆日韓輸出管理政策対話を実施しました (METI/経済産業省)
これについて右派寄りの方々がSNS等で少し吹き上がっていましたが、「緩和は許されない」とした論調で語るのは少しロジックに問題が出ると思います。
元々輸出管理の厳格化を行っていたのは「外交上の別問題とは関係なく、報復や対抗措置ではない。韓国側が対話に参加せず、管理の状態にも疑義が生じたため」だというのが与党の説明だったはずです。
経産省のサイトにも書いてあるように、厳格化後の2019年や2020年、そして今回の2023年のように韓国とは政策対話を行うようになりました。また韓国側は輸出管理当局の運用や体制の改善を行い、それを日本の経産省に報告しています。
つまり韓国側は何年も掛けて運用改善を行っており、対話にも参加するようになった以上、日本からの要求に従っています。それを無視して厳格化を継続してはむしろ「外交上の別問題に関連した報復や対抗措置であった」と言っているようなものとなりかねません。
よって、「ちゃんと双方の輸出入企業が管理できるようになったので運用を見直します」とする経産省の見解に納得するほうが言説に一貫性があるのではないかと愚考します。
そもそもまだグループAに戻ったわけでもありませんので、日本側が妥協したわけでもないかなと。
結言
まあ、このように、特に目新しい話をするわけでもなく、リアルタイム性もなく、党派性が強い方からは好まれない意見をただ述べるだけになるので、やはり時事ネタは取り扱わないほうが無難な気がします。