忘れん坊の外部記憶域

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カレンダーへ書いた落書きに翻弄される人々:スケジュール管理に関する雑感

 スケジュール管理は重要です。特に仕事においてスケジュール管理が適切に行えるかどうかは有能無能を明確に分けると言っても過言ではないかもしれません。

 まあ、ちょっと過言です。当然ながら時と場合と仕事内容によります。

 定型業務、すなわちルーチンワークを主とする人であればスケジュール管理の出来不出来が業務遂行能力の優劣を明確に示すかもしれませんが、非定型業務、つまりケースワークやアドホックな仕事を主とする人にとってスケジュール管理は必ずしも業務遂行能力の優劣を示さないと考えています。

 つまり、この記事はケースワークに追われてスケジュール管理が容易に破綻するポンコツ技術屋の言い訳です。

 

飛び込み業務が多い人はどうすればいいんだろう

 私は技術屋という体裁の何でも屋をやっていますので、社内や顧客やサプライヤーで技術的なトラブルや困り事、問い合わせやミステイクが発生した場合はとりあえず首根っこを掴まれて引き摺られていきます。

 技術的と言えば聞こえはいいかもしれませんが、メーカーの設計・生産プロセスで発生するトラブルなんてどれもこれもが技術的内容を若干なりとも含んでいますので、つまりは何かあれば真っ先に引き摺り回される宿命にあるポジションです。日常が市中引き回しの刑です。

(余談)
 市中引き回しは刑罰前に見せしめで行うものであり、引き摺り回すことではない。引き摺り回すのは別の拷問。

togetter.com

 そんな飛び込み業務の処理に一日の大半を追われているため、余った時間を使って設計なり評価なり計算なりの本業をしている状態です。

 一応トラブルの火消しも業務の内ですのでやっていますが、それが本業かと言われると微妙なところでしょう。少なくとも業務分掌上は私の仕事ではなく、炎上したところが管掌すべき事態のはずです。

 まあ困っていて猫の手も借りたい気持ちは分かりますし、初期消火に失敗するとトラブルがボヤ騒ぎで済まないこともあります。目先の手間を厭って断れば後々一緒に丸焦げになるわけで、それよりは先に手を貸したほうがよっぽどローコストで火消しができるというものです。ローストされないようにしないと・・・あ、いえ、なんでもないです。

 

カレンダーに引かれた落書き

 一日のうち概ね4~12時間はそんな飛び込み業務への対応に費やしています。運が良ければ半日程度で終わり「今日は呼び出しも人攫いも少なくて助かるなー」となりますが、酷い日はトラブル対応に一日中付きっきりです。

 そんな仕事をしていると正直言ってスケジュール管理もクソもないわけです。どこでどんなトラブルが発生してどれだけ時間を取られるかなんて予知能力者でもない限り予測しようがなく、今年度、今月、今週、いや、明後日どころか明日のことだって分かりゃしません。ボトムズ以下です。

 

装甲騎兵ボトムズ 第9話予告

昨日の夜、全てを失くして酸の雨に濡れていた。
今日の昼、命を的に夢買う銭を追っていた。
明日の朝、ちゃちな信義とちっぽけな良心が、瓦礫の街に金を蒔く。
ウドは百年戦争が作ったパンドラの箱。
質を問わなきゃ何でもある。
次回「救出」。
明後日、そんな先の事はわからない。

 

 それでも一応のスケジュールは立てる必要があります。年度の大目標や今月の業務予定、今週のタスクや今日のToDoなど、長短さまざまなスケジュールに沿って動くことを求められる以上、カレンダーに線を引くという工程は社会人にとって不可避です。

 しかしながらカレンダーに線を引く自由度が私にはほとんどありません。どうせ飛び込み業務に時間を取られるからとバッファを見込んで引いた線は長すぎると拒否され、一日中スケジュール通りの業務に邁進できる前提で線を引かされます。

 つまり、私のカレンダーに引いた線はその日程でその業務を行うという意味ではなくただの落書きになっています。なにせ、その日にこの身が空いているかは運次第なのですから。引いた時点ですでに破綻しています

 

 クリティカルなテーマ、例えば期日にリリースできなければ損害賠償発生とかそのレベルのものは納期厳守でなんとか帳尻を合わせますが、逆にそれ以外の雑多なテーマはほぼスケジュール通り進みません。

 こちとら最初から言っているわけですよ。「その線は落書きであって、現実には無理だ」と。なぜ現実のリソースに合わせて線を引くことが許容されないのか、もしくは必達目標に合わせてリソースの増加を図らないのか、どうにも理解しかねます。

 

「今日は何をやるんだ?」

「予定通りコレをやるつもりです、何も飛び込んでこなければ。まあ、飛び込んでこない日はありませんけど」

「明日は何をやるんだ?」

「何も無ければ予定通りアレをやります。まあ、何も無い日はありませんけど」

「ちゃんとスケジュール通りこなせないのか」

「そんなのトラブルに言ってくださいよ、ちゃんとスケジュールを立てて発生しろって」

 

 無理ですよ、スケジュール通りに仕事をするなんて。タスクがそもそもスケジュール通りに発生しないんですから。と言って諦めたいのですがどうしたものやら。

 せめて飛び込み業務分のバッファを見込んで線を引きたい今日この頃。

 

 

余談

 ものすっごく情けない言い訳をしますけど、元々は3人でやっていた仕事を1人で回しているわけで、遅くとも当日中、早ければ半日で処理して残り時間でプラスアルファの仕事をしているのだから、充分だとは思うわけですよ。ダサい言い訳ですけども。