例に洩れず弊社も4月を起点とした四半期決算のサイクルで動く日本企業であるため、10月は第二四半期の報告月となります。
年に4回ある四半期の報告ですが、いつが一番大変かは部署や職種によって変わるかと思います。例えば経理であれば事業年度の締めとなる決算、3月から5月頃が一番忙しくなるでしょう。
私のような技術屋は10月が一番しんどいです。
技術屋からみた四半期のサイクル
4月:昨年度の総まとめと今年度の計画立案。組織における不可思議な政治力学によって意味の分からないKPIに基づいた実現性の薄い謎の計画が立案される。実現は無理だと現場からは伝えるが「これは努力目標だから達成できなくてもいい」と上層部からあしらわれる。ただ、いまさら誰もその妄言を信じることはない。
7月:第一四半期の報告。まだ先は長く計画が多少遅延していても許容される。進捗の雲行きは怪しく人員や予算など追加リソースを必要とすることが誰の目にも明らかになるが、手配を求めても当初計画を修正することは許されていないため無視される。組織の下層中層と異なり上層はPDCAサイクルをなぜか回さない。
10月:第二四半期の報告。努力目標とのたまっていた前言は記憶の欠如により忘れ去られていつの間にか当初計画の達成が必達目標にすり替わっており、計画の遅延に対して上層部が圧をかけてくる。すでに半期を過ぎて予算は硬直化しており補正リソースは組まれないため、尻を蹴られても現場独力ではどうにもならない。現場に与えられるのは根性論のみ。
1月:第三四半期の報告。もはや見る影もない計画を前にして刀折れ矢尽きた現場では残り3か月で立て直すことが不可能であることを誰もが悟っているため、3か月前にあれだけ騒がれていた目標必達の厳命も無かったことになる。誰もが来期の計画を見据えて動き始めるが、そこで考えられた実現性のある現実的な計画が来期に採用されることはほとんどないことも皆知っている。
目標の功罪
弊社はお人好しが多く居心地はいいですが、経営の品質に関しては昔ながらのJTCです。好きな四字熟語が『温故知新』の私をもってしても経営マネジメントの分野は古いやり方より新しいやり方のほうが遥かに良いと思っているのですが、何故かこの分野でも伝統を大切にする方がいらっしゃいますので難しいところです。
まあ完璧な組織などそうそうありませんのでどこかしらに欠点があるのは仕方がないことですが、うちが東芝さんやスルガ銀行さんのように目標未達での降格や目標達成での賞与増額など『目標必達への強いインセンティブ』が働く組織だった場合、無茶苦茶な目標を実現するために企業不正が生じるところです。
幸いにしてうちはそこまでのインセンティブがなく、不正をしてまで目標を達成する価値がないので誰もやりませんが。
これは目標設定におけるインセンティブの分かりやすい功罪です。高いインセンティブを設定すれば誰もが目標達成に邁進する反面、不正が生じる温床となります。低いインセンティブを設定すれば不正のリスクは低減できますが、目標達成率は下がります。どちらを選ぶかは企業文化と経営者の価値観次第です。
結言
そんなわけで10月頃は仕事の影響でどうにも重苦しい気分が続くため、ブログにも暗い気分が反映されているかもしれません。この時期はどうにも闇が深まります。
10月上旬の急な海外出張も当初計画を見かけだけでも取り繕うためのものでしたが、そんな理由であっちゃこっちゃへ足を運ぶ下っ端の身としてはどうにも困るばかりです。
まあ一過性かつ季節性のものですし、とりあえず今年もひと段落したのでこれから調子を戻していくとしましょう。