とてもとても個人的な意見なのですが、私は指示をされるよりも指示をされないほうが好みです。自分の思う通り自由に物事を進めたいですし、それに対して横やりが入ることをあまり好みません。
もちろん迷走や暴走を正すための指摘をいただいた場合は大人しく受け入れますが、「あの道をそれを持ってこのように歩け」とまで細かく指示されるのは面白くないと感じます。そのような細かい指示をされる前に先手を打って自ら進んでいく方が気楽で、そして自由です。
そのため、なぜ指示待ちをするのかをイマイチ理解しかねています。
先に言い訳を述べておくと、これは製造業に勤める技術屋の視点です。指示を待たずに行動してはいけない仕事や職種もありますので、それを否定するわけではありません。
指示されるほうがイヤな人間の言い分
私はマイクロマネジメント否定派です。マイクロマネジメントをすることもされることもイヤです。マネジメントの目的は行動の管理ではなく成果の達成であり、マネージャーの仕事はManagement(管理)であってControl(統制)ではないと思っています。
よって指示は最小限が望ましいです。さすがに不足していては困りますが、過剰であっても困ります。行動の詳細は各位の創意工夫に任せてマネージャーは方向性を提示するに留めたほうがマネジメントの最終的な成果に繋がると考えます。
指示を待たずして動くことの利点を考えてみましょう。
まず、指示を待っているとどうしても仕事に着手するスタートダッシュが遅れます。その結果、期日までに使える時間的猶予も少なくなることから仕事の品質を高めるにも限度が出てきますし、仕事の質が低かったり期日ギリギリまで仕上がらないと各所から文句や督促が届き、それに応答する分のタスクも余計に増えることでしょう。
指示をされる前に先手を打っておけば仕事の品質を高める余裕が生まれますし、文句や督促も来ませんのでこちらも相手も手間が掛かりません。双方お得です。
他にも指図を受けずに「やりたいようにやる」ことはメンタル面で負荷が少なくなります。人は「やりたいようにやる」ことを一番楽しいと感じる生き物です。
さらには受けた指示通りに行動するのではなく自ら考えて行動することが習慣化すれば発想の柔軟性や生産性が高まることを期待できますし、創意工夫の余地があればただ指示通り動くよりも大きく成長することが可能だと思っています。
個人よりは環境の問題
そんな人間からすると、指示を待つ方の気持ちが今一つ分かりません。
責任回避や業務の理解不足など理由は様々あるのでしょうが、「やりたいようにやる」よりも「やらされる」ほうが楽しいと感じる人はそこまで多くないと思います。不自由と束縛を愛する人も一定数居るでしょうが、ビジネス界隈で問題とされる「指示待ち人間」の比率ほど居るとは思えません。
そう考えると、実際は「指示待ちをする人」が問題なのではなく、マイクロマネジメントを好む管理者、責任を取らない責任者、自律的に行動する部下を許容できない上司、部下の行動を支配することが仕事だと勘違いしているマネージャー、そういった人がいる職場に存在する自由な行動や闊達な発言が許されないような「指示待ちをせざるを得ない環境」が問題なのでしょう。
バズワードではありますが心理的安全性の低い職場だからこそ指示待ちをする人が生じるのであって、適切な職場環境が構築されていればそういった人々も指示を待たずして行動できるようになるのではないか、そう考えます。
結言
仕事は人生とイコールではありませんが、大抵の人は人生の何割かを仕事に費やすことになるわけで、そこそこの比重ではあります。
そうである以上、自由で楽しくやりたいように仕事をできたほうが幸福です。
よって指示を待たずして行動することはお得ですし、指示を待たずして行動できる組織に所属することはよりお得かと思います。