先日ふと見かけた言説、
「職場の同僚は仲間だが味方ではないので気を許さないほうがいい」
に関して思索したことをまとめていきます。
敵・仲間・味方
まずは言葉の整理をしましょう。
仲間と味方はどちらも物事において協業する関係性ですが、問題事態や対立状況が生じた際に差があります。
仲間とは対立状況が生じた際に必ずしもこちら側に立つとは限らない関係です。対して味方とは対立状況においてこちら側に立って共に行動してくれる関係を指します。そしてあちら側に立つ人は敵です。
もう少し具体的に、例えば誰かが仕事でミスをしたとしましょう。
その際にミスを責め立てるのは敵、
ミスの過失度合いによって立ち位置を決めるのが仲間、
そしてミスをフォローして手助けをしてくれるのが味方です。
基本として、同じ職場で同じように仕事をしており組織の目標に向けて協業する関係である同僚は、フラットな状態であれば仲間です。
つまり冒頭の言説にある「同僚は仲間」は正しいと言えます。
ただ、「同僚は味方ではない」は必ずしも真ではありません。
もちろん同じ組織の仲間であっても【営業vs開発】のように構造的な対立関係による敵対は存在しますし、同僚を敵対させて競争を煽るような組織デザインもあることから同じ部署の同僚と言えども必ずしも同じ側に立って助けてくれる存在ではありませんが、人間関係の構築次第では誰もが敵にも味方にもなり得ます。
人によっては厳しい話だとは思いますが、同じ部署でも「こいつの手伝いはしたくない」と敵対される人もいるでしょうし、対立部署でも「お前だったら手伝ってやる」と味方になってくれる人もいるでしょう。
敵を減らし、味方を増やす
個人的な趣味の域ではありますが、私としては職場において敵を減らして味方を増やすことを推奨します。
もちろんフラットな状態の仲間ばかりでも別に悪くはありません。ただ、仕事をするうえで困った事態はなんだかんだ生じますので、その際に手を差し伸べてくれる味方がいたり攻撃してくる敵が居なければ心理的な安心や成果の安定を担保することが可能です。
つまりは味方が多いと単純に働きやすくなります。気を許してはいけないと仕事中常に神経を張り詰めるより、よほど楽です。
同僚を味方に変える方法はいくつかあります。
■人間的な魅力を磨く。魅力的な人は自然と味方が増えていく。
■積極的に他者を手助けする。人には返報性があるので助けてくれる人を助けたいと思う。
■敵にしたくないと思われる存在になる。味方が多い人、仕事ができる人は敵対されにくい。
■プライベートな部分で人間関係を深める。
個々人の適性がありますのでどのようなやり方をするかは人それぞれですが、いずれにしても何かしら能動的な行動をして積極的に味方を増やしていくと自分自身にとっての職場環境が改善して働きやすくなると考えます。
結言
技術屋である私の個人的な体験談として、入社して数年は構造的な対立関係を解消し切れていなかったので、調達部署や営業部門、サプライヤーや顧客から敵対されることも幾度かありましたが、今は大抵が味方ですので仕事中に敵対行動を取られることは無くなりました。困ったときは同僚の誰かしらが助けてくれます。おかげさまで働きやすい職場環境です。
そのため「同僚は味方ではないので気を許さないほうがいい」と考えるよりは積極的に同僚を味方にしたほうがいいと、そう思っています。