新しい職場では、事務方を除けば最年少になりました。
この歳で最年少になれるのは実に良い経験だと考えます。人間、どうしても下が増えてくると増上慢になりがちなものですので、立場が変わって新米の気持ちを思い出すことは効果的です。
今は心機一転、仕事へのモチベーションがかなり高くなっています。
無理を言われるとムキになるタイプ
なにより新しい職場では要求が高いことが面白いです。
この職場に異動してくる人は他所で管理職を経験してきたベテランも多く、適当に仕事を振ってもこなせる程度の能力を持っていることが最低限求められます。指示をしなければ動けないノービスはいません。手取り足取り教育をした上であれをやれこれをやれと細かく指図されるのではなく、特に教育も無くテーマだけを与えられて各所との折衝や進め方は自分の好きにしろと放任される職場なので、実にやり甲斐があります。
新入社員にやったらパワハラ待ったナシですが、中堅やベテランは新人ではないのですから同じ扱いをする必要はありません。
個人的にもそのような指示のほうが負けず嫌い精神が発動して必死になりますし、「教えてもらってないからできません」なんて言うくらいなら死んだ方がマシな技術屋気質を持っていますので、自由度が高い状況のほうが気分は上がります。
なんにせよ、要求が高い職場は能力を発揮する甲斐が有りますので個人的に好みです。ここのところ設計の仕事に慣れ過ぎて天狗になっていましたので、良い具合に新しい職場で鼻っ柱を折って貰うことにしましょう。
ちなみに、異動したばかりでまだ仕事が少ない、なんてこともなく、それどころかすでに仕事で両手がいっぱいです。
知らないと共感は生まれない
異動してきてまだ数日ですが、だいぶ見える景色が変わりました。
まあ工場の平たい事務所から高層ビルの20階以上への移動ですので物理的にもだいぶ景色は変わったのですが、そういうことではなく考え方の景色です。
もともとの業務では大掛かりな設計であれば年単位で動くこともありましたが、どちらかと言えば比較的期限が短い仕事のほうが主流でした。
それに対して新しい職場での仕事は基本的に期限が長く、それを数十個単位で管掌することが求められています。具体的な差異としては、古巣では進捗会議が週ごとでしたが、新しい職場では月ごとです。そのくらい納期感が異なります。
さらに言えば、もともとの仕事は基本的に自分が動くことで完結していましたが、新しい職場では人に動いてもらうことが多くなったため仕事のコントロールがより難しくなっています。
元来より手足を動かす仕事よりも人を動して心を砕く仕事のほうが難しく大変だと言われていましたが、今その理屈を実体験的に味わっているところです。
口さがない人はこちらの職場に対して「あいつら全然仕事しない、何やってんだ」と言っていましたが、まあ体験してみれば分かることでした。
仕事をしていないのではなく、仕事の内容と仕方が異なる。
ただそれだけの、手を動かしていないのではなく動かし方や規模、そして納期感が異なるだけの話です。
このように、「相手は何も考えていない」「あいつらは仕事をしていない」「奴らは真面目ではない」等の思考はその全てが真実ではなく、幾分かの誤解と無知に基づくものです。
他者に共感が出来ない時は、相手の立場を自分の知見の範囲内で想像するのではなく実際的で物理的に理解するよう務めた方が共感の醸成に役立つかもしれません。
古くから言われるように、「やってみなければ分からない」ことはたくさんあります。
結言
私は自信家なので、しばらくすれば今の業務にも適応できそうな気がしています。
などと考えていますので、やはり一度鼻を折られた方が良いでしょう。