忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

「考える力」を育むだけでなく、「より良い答えを見つける力」も育む必要がある

 

 実のところ、学校の勉強方法はとても合理的です。

 

傾倒学習と問題解決学習

 暗記よりも考える力そのものを育むことの重要性は各所で語られています。

 実際、現実は答えが無いことのほうが多いので、そのような問題に対しても立ち向かえるよう考える力を育むことは正しい発想だと言えるでしょう。

 

 学習には大きく分けて系統学習問題解決学習があります。

 前者は教科書等を用いて体系的に知識を詰め込んでいく受動的な学習方法で、後者は答えのない問題へと取り組む能動的な学習方法です。

 大雑把に言えば、「空はどのような理由で青いか」と順を追って教えていくことが系統学習、「空はなぜ青いのか」と考えさせることが問題解決学習です。

 考える力を育むためには後者が重要だと言われています。

 

 ただ個人的に、問題解決学習へ傾倒し過ぎることには少し懐疑的です。

 もちろん「考える力」は大人に必要な能力であり問題解決学習によってそれを育むことは必要だと思いますが、一辺倒に注力して系統学習を疎かにすることもまた弊害があると考えます。どちらもバランス良く実施したほうが総合的には良好な学習効果を得られるのではないでしょうか。

 

「考える力」は目的ではなく手段

 「考える力」はたしかに必要です。

 しかし本当に必要なのは「考える力」ではなく、「考えた結果、より良い答えを見つける力」だと考えます。ただ考えるだけでは意味がなく、より良い結果へ辿り着くことこそが必要です。考える力は目的ではなく手段であり、いくら考える力が身についたとしても道を逸れて間違えた獣道に突っ走っていくようでは適切ではないでしょう。

 少し古いモデルですが、教育の評価方法として著名なカークパトリックモデルにおいてもテストや試験によって学習到達度を評価するように、訓練において適切な回答を提示して進むべき道をフィードバックして補正することはとても重要です。

 考えた結果がどうであったか、その正否を体系的に理解させるためには系統学習でのフォローが必要になります。

 

陰謀論・フェイクニュース

 昨今の日本でも「陰謀論」や「フェイクニュース」が話題に上るようにはなっているものの、海外はその比ではありません。陰謀論の本場はやはり欧米です。

 

 陰謀論に陥る人は物事を考えていないわけではありません。

 むしろ現実の観測に基づかず推測と憶測を積み重ねたものが陰謀論であり、よく考えた結果ですらあります

 

 つまり、「考える力」だけを育んで「より良い答えを見つける力」を修身しなかった場合、容易に陰謀論へ陥ることになります。考えた結果が正しかったかどうかのフィートバックを適切に受けず、ただ考えるだけでは適切な正解へ辿り着くことはできません。

 欧米的で先進的な教育だと賞賛される問題解決学習はたしかに良い学習方法ではあるものの、このような陰謀論者を育むようなリスクがあることも検証される必要があるでしょう。

 

結言

 つまるところ、問題解決学習によって身につけることができるのは答えの無い問題でも考え抜く思考体力であり、それは道なき道を突き進む前進力です。この力は人生を歩んでいくうえで必須の能力だと言えます。

 ただ、ガムシャラに突き進むだけでは運任せであり、下手をすれば崖から落ちてしまうかもしれません。そうならないために今進んでいる道は良い道なのかどうかを見極めるための判断力も重要であり、その能力は系統学習によって体系的に学ぶ必要があります。

 一辺倒にどちらかだけを重視するのではなく、両方をバランス良く用いることが最適だと考えます。