クレジットカードや電子マネーなんて使えない店もあるし、いくら使ったか把握するのも面倒!現金なら財布に入っている分しか使えないから管理しやすいし使い過ぎることも無い!だから現金がいい!現金最高!
・・・とまで熱烈ではありませんが、私は基本的に現金至上主義者でした。
なにせ私はお金の管理があまりにも下手で、「宵越しの銭は持たねえ」「吝嗇でありたくない」「気前は良いほうがかっこいい」とばかりにお金が財布に入っていればパッパと全部使い果たしてしまい、人に金を出すことをさっぱり気にしない質のしょうもない人間です。
ちなみにこの辺りの心持ちはちょっと説明が難しいところがあります。
私は他者にケチだと思われることは別に構いやしないのですが、自分がケチであると気付くと物凄く嫌な気持ちになります。
つまり「吝嗇だと思われたくない」のではなく「吝嗇でありたくない」気持ちであり、他者に対して見栄を張りたいのではなく自分に対して見栄を張りたいのでしょう。
なんにせよ金の価値が分かっていない馬鹿者です。
そんな人間が勝手のいい電子通貨を使い始めれば、口座の残高が底をつくまで使い込むことは必定です。つまり自己防衛的な意味も含めての現金至上主義でした。
機会があれば人は変わる
4月に東京本社へ異動となり、電子マネーを利用する機会が上がりました。
まだ半月ではありますが、なんかもう財布は持たなくてもいいかな、と思うくらいに堕ちました。
電子マネーって便利ー。
一応、もともとAuPayやSuicaくらいは稀に使っていたので電子マネー初体験なわけではないです。
ただ、通勤用にモバイルPASMOを導入して以降は電子マネーの利便性を実感しています。いちいち小銭を出さなくてもどこでもスマホ一つで買い物ができますし、使ったお金の履歴もちゃんと残ります。オートチャージを封印しておけば使い過ぎにも注意が可能です。
通勤に車を使わなくなったので免許証を携帯する必要も無くなり必然的に財布の重要性が低下したことも併せて、私の電子マネー利用率はうなぎ登りです。
機械があれば人は変わる
そんな個人的な話はさておき、少し大きな話題もしましょう。
時々「今どき現金なんて遅れている」と現金主義者を批判する声を見かけますが、これはあまり適切ではないと考えています。
なにせ田舎では未だに電子化が進んでいない地域などたくさんあり、そういった地域の人々が現金を使っていることをむやみに批判するのは都会の傲慢だとすら言えます。無意識での地方差別に加担しかねませんので、控えたほうがいいでしょう。
つまり遅れているのは個人の意識ではなく社会インフラの側だったりするので、他者を攻撃しても仕方がありません。
物事のやり方を変えたいのであれば、個人の意識改革に励むよりもそのやり方が合理的で楽で実際的な状況に変えることを優先したほうがいいと言えます。
それこそ現金の使用率を下げて電子化を進めたいのであれば、現金を使っている人を批判するのではなく電子マネーが使いやすいインフラ整備を推し進めたほうがよほど電子化への寄与率は高くなります。
たしかに人は機会があれば変わるものです。
しかし大勢の人を変えるのであれば、その機会をもたらす機械を普及させる必要があります。
結言
本社の自販機は電子マネーに対応しているから現金を使う必要はないですけど、地方事業所の自販機なんて最近ようやく電子マネーに対応したくらいには遅れていて、そういった所に住んでいた身からすれば「現金なんて遅れている」と上から目線で言われたってどうにもならないわけです。
物事には地域性があり、自身が立っているところの常識・状況を世間一般だと思うことにはリスクがあります。同じ地域のご近所さんや同僚と雑談程度に話すのであれば何も問題はありませんが、それをインターネットで下手に騒ぐと異なる常識・状況を持つ異なる地域の人への攻撃となりかねません。
もちろんそういった異なる常識や状況の全てを把握することは不可能です。
ただ、異なる常識や状況が存在していることは想像できる範囲であり、配慮が可能です。