忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

ハラスメントのループは避けたい

ハラスメント

 相手を不快にさせたり傷つけたり、不利益や脅威を与えることをハラスメントと言います。Harassmentは直訳すれば「迷惑行為」ですので、まさに文字通りの意味です。発信者の意図に関わらず受け取り手がどう感じたかによってハラスメントになります。昨今では様々なハラスメントが独自に定義されており、パワハラ、セクハラ、モラハラ、ドクハラ、ロジハラ、アルハラ、他にも様々なハラスメントが存在します。調べてみると、え、そんなハラスメントもあるの?となるのでオススメです。何をオススメしているのでしょうね。

 当然ながら相手が不快に思うことは出来る範囲で避けるべきでしょう。誰だって不快になんてなりたくありませんので、嫌な思いをさせないよう双方で気を遣うことは必要なことです。ハラスメントという言葉が人口に膾炙したのは互いに不快な思いを避けるためのきっかけ、すなわちツールとして良い事だと思います。

強要はハラスメントに該当するのか

 ただ少し気になっているのがハラスメントへの攻撃です。ハラスメントを感じた際に「お前は私に気を遣っていない、犯罪者だ」と言わんばかりにがなり立てるのはやり過ぎではないかと思っています。度が過ぎたハラスメント回避の強要は新たなハラスメントを産む危険があると心配しているのです。

 もちろんハラスメントを受けた際にクレームを入れるのは適切ですし、そうすべきです。ハラスメントをしている本人が自覚していない場合も多々ありますので、"その言動を不快に感じる"ということは伝えなければいけません。ただその伝え方や応対の仕方は温厚に行うべきだと考えます。

 ハラスメントを理由に過剰に攻め立てて相手を不快にすることをハラスメント・ハラスメント(ハラ・ハラ)と言います。「おい、こいつはハラスメントをしてきて私を不快にした。こいつは悪い奴だ。皆で囲んで棒で殴れ!」というのはやりすぎでありハラ・ハラに該当するということです。残念ながらSNS等でよく見かける光景ですね。

 類似の事例としてマナーの強要にも近いものを感じます。相手との良好で信頼できる関係性を構築することがマナーの目的であり、マナーが出来ている人にGOODを表すのは良いと思うのですが、出来ていない人にBADや罰則を与える必要は無いのではないかと思います。

 寛容と温和を重視したいという甘えた考えではありますが、争いは無いほうが大勢がハッピーなんじゃないかなと思うのです。殴られても殴り返すなと言いたいのではなく、いやむしろ「目には目を歯には歯を」で殴られたら殴り返すくらいはしていいと思いますが、過剰な反撃は控えたほうがいいのではないかな、とひっそりと思っていることをこっそりと表明しておきます。

 なによりもハラスメントは悪用が容易なものです。何せ受けた側の気持ち次第です。「私が不快に思った」とさえ言ってしまえばそれは他の誰にも反証を挙げることができない圧倒的な強制力を持つのです。それだけ強力なもののため、安易に振り回すとハラスメントそのものではなくハラスメントを理由に騒ぐ人が悪いものだという認識が世の中に育ってしまう危険があります。そうなっては本当にハラスメントで困っている人が救われなくなってしまいます。

 ハラスメント、またポリティカル・コレクトネスもそうですが、主観や感情は時に強力な棍棒になり得ます。むやみやたらと振り回すことは控え、適切な状況下で必要な人が使えるように気を付けて取り扱う必要があるものだと私は考える次第です。

個人的な結論

 相手を不快にすることは控えたほうが良いのは間違いありません。とはいえ過剰に相手を責め立てるのもまたハラスメントとなりえることから、なによりも重要なのはバランスです。双方が不快を持たないよう適度な距離感を持って適切なコミュニケ―ションを取るのが良いです。

 まあ言葉で言うのは簡単なのですが、それを実施するのは困難ですよね。そもそも悪いのはろくでもないハラスメントをする人だというのは間違いないですし。なんとも難しいです。