軽くない話を軽い気持ちでしていきましょう。
誰しも攻撃的
人はストレスを受けると防衛反応によって攻撃性が増します。
そのため事故や災害や戦争などストレス源となる悲惨な事態が生じると、人々の剥き出しになった攻撃性がSNSやメディア上で飛び交います。これは個々人の精神を守るための本能的な働きであり、それを止めることにも弊害があるので受け入れるしかありません。
そういった状況において、自責的な人はその攻撃性が内に向かい、辛い情報から目を背けずに収集し続ける行為、所謂ドゥームスクローリングを行って自らを傷つける傾向を取ります。他責的な人はその攻撃性が外に向かい、何かしらや誰かしらに責任を求めて攻撃的な言説を振り回し周囲にストレスを振りまく傾向を取ります。
結果、他者の攻撃的な言説に感化されてより攻撃的になった他責的な人同士が口論や罵り合いを繰り広げてストレスを膨張させていく悲しい言論空間が生まれるのは、残念ながら必然的だとすら言えるでしょう。
ストレスには栄養は無い
さて、ストレスにはタンパク質も脂質も糖質もビタミンもミネラルも含まれていません。人に必要な必須栄養素を含まない、質量0のただの情報です。
ですので、わざわざ摂取する必要はありません。
もちろん適度なストレスはモチベーションの維持ややる気の向上などに繋がりますのでまったく摂取しない人生もまた張りのないものではあります。
ただ、前述した自責的なドゥームスクローリングや他責的な罵り合いは「すでにストレス環境下にある状態でさらにストレスを摂取する」行為に他なりませんので、明らかにストレスの過剰摂取です。
何事も過剰摂取は体に悪いので、控えたほうがいいでしょう。
ある意味、逃げ恥?
ストレスに対処する方法の一つはストレッサーからの逃避です。
とはいえ、残念ながら現実はそもそもストレッサーから逃避できないからこそ困っている、そんな感じでしょう。仕事のストレスから離れたり人間関係を整理したりすることは存外に難しいものです。それ自体がストレッサーになりかねません。
しかし、なんとありがたいことに、情報によるストレスはそれが簡単にできるタイプのストレスです。やり方は簡単で、辛い情報をシャットアウトしたり、攻撃的な口論や罵り合いから距離を取る、ただそれだけのお手軽ライフハックです。
仕事や上司や部下や同僚や顧客や友人や家族からはなかなか簡単には逃げられませんが、SNSやメディアの情報からは簡単に逃げられます。じゃあ、逃げたほうがお得です。
結言
ストレスを受けると自分や他人へ攻撃的になるのは生理的な現象です。それは受け入れる必要があります。
しかしその解消として攻撃性を無自覚に振るうことを選択してもなかなかうまくいくものではありません。下手を打てばストレスが増す一方となります。
ですので、離れられるストレスであれば離れることを選んだほうがお手軽で健全で健康で効果的です。
余談
高ストレス環境でのSNSの口論で「言っても分からぬ馬鹿ばかり・・・」といったような怒りを発露してストレスを過剰摂取している人をよく観測しますが、他人の考えを変える努力は、大抵の場合、徒労に終わります。諦めましょう。
自分の考えを発信するのはいいですが、それによって人の考えが変えることまで期待するのは期待しすぎというものです。誰だって自分の考えを他人に差配されることは好みません。思考こそは個人の最たる自由領域です。
たぶん、相手もきっと「言っても分からぬ馬鹿ばかり・・・」と思ってますよ。だから、折り合いなんてつきません。諦めましょう。この諦めは諦観(本質を見抜くこと)であり、良い諦めです。