ビジネスにおける連絡手段には様々な派閥があります。
- 対面至上主義派
- 電話のほうが手っ取り早いよ派
- メールは自由度高いしエビデンスも残るよ派
- 今どきはチャットのほうが楽でしょ派
- 古式ゆかしい手紙が至高派
- 場合によって使い分ければいいじゃん派
実に様々です。私は「場合によって使い分ければいいじゃん派」に所属する穏健派、のつもりです。
世の中には「メールはマナー違反連盟」や「電話撲滅党」といった過激な方々もいらっしゃいますが、まあ、ほどほどにお願いします。マナーはマウントを取るためのものではなく、相手を思いやる気持ちが大切なのですよ、きっと。多分。
あ、すでにご察しのこととは存じますが、今回はビジネス風の話題に託けたおふざけ話です。
複合で使いこなすツワモノ
誰がどんな派閥に属していようと構いやしないのですが、個人的に困惑するのが複合派です。
「メール送ったんだけど届いてる?」
とメールを送った後に電話をしてくる人はまだ分かるのです。メールがちゃんと届いているのか確認したいのでしょうし、ちょっと心配症なだけできっと真面目でマメな性格なのだろうなと思う程度です。「メールを送った後は電話をすべき」と言っているマナー講師も居たような気がしますし。それが良いことかはさておくとして。二度手間だとは思っていますけど、まあ、ほどほどに重要な内容であれば大変に納得の行動です。
「メール送ったんだけど見た?」
も分かります。はよう返信せえや!というただの督促です。
分からないのがメールを送る前に電話をしてくるタイプです。
「おう、今からメール送るからよろしくな」
と一言述べて電話をお切りになるのですが、こちらとしてはちょっとばかり当惑します。
メールの利点は非同期性による自由度の高さじゃないですか。リアルタイムで互いにアクションを取らなくても連絡が取り合えるおかげで『好きなタイミングで返答ができる』『少し時間を掛けて返答内容を練る』というような自由度を持てることこそが利点だと思うのです。他にも複数人へ同時に情報を送ることができるとか情報量が多いとか様々ありますけど、電話との最大の差異はこの同期性の違いだと思います。
先に電話をしてくるということは、こちらの存在を確認することが目的であり、つまりは「メールを見れる場所に居るな?ならば即座にメールを見て、直ちに返信せよ」という意図なのだと思うのですが・・・それってもうメールじゃなくていいのでは?今電話を使っているのだから、切らずにそのまま話せばいいのでは?ちゃんと聞くよ?電話取ってるんだからさ。電話を取れるってことはさ、話せるってことなんだよ?
メールには即答できる簡単な内容と、返答に熟考が必要な難しい内容に分けることができますが、前者の場合はやっぱり電話でそのまま聞いてくればいいですし、後者の場合はどうせ即答できないんだから返答までには時差ができるわけで、結局電話で捕まえてメールを見ることを強要する意味は無いのです。
電話の利点とメールの利点全てを潔く放り捨てていくビジネススタイル、どうにも当惑するばかりです。
電話の思い出
(新人からの電話)
新人A「大変まことに恐縮なのですが、今からメールをお送りしたいと思うのですが宜しいでしょうか?」
私「ここ社内ぞ?客でもなんでもない身内なんだからもっとフランクにいこうよ、何に恐れ縮んでるんだよいったい。メールくらいポイっと送ってきて大丈夫だからさ。というかどうしてそんな下手に出るのかな?え、そっちの部署で僕に関する変な噂とか流れてたりしない?」
新人A「別に怖い人とかいう話は特に・・・ただ、なにか困ったらなんでも彼に聞けばいい、という話を聞きまして」
私「がっつり変な噂流れてるじゃーん」
出張先での外線
新人B「お電話ありがとうございます!〇〇〇株式会社〇〇〇部の新人、〇〇〇です!」
私「×××部の☆☆☆です、△△△さんいます?」
新人B「ただいま席を外しております!」
私「そっかー、残念・・・ちなみになんだけど、今の電話の出方って誰に教わったの?」
新人B「はい!自分で考えました!」
私「そっかー、元気だね、君。すごくいいと思うよ。声も大きいし。うん、まあ、どうでもいいんだけど、ここに電話してくるお客様はさ、多分だけど、君が新人かどうかはあんまり興味ないんじゃないかな・・・うん」
新人B「あ、確かにそうですね!」
新人のオトボケは可愛いものですが、ビジネスマナーとはなんとも、難しいものですね。